「肺炎球菌ワクチンって私にも必要?」 65歳以上の方は必読!知っておきたい肺炎について

監修: 三島 渉(医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医/内科学会認定医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

皆さんはテレビCM等で呼びかけられている「肺炎球菌ワクチン」をご存知ですか?

今回のブログでは、
「肺炎球菌ワクチンを打つべきなのか?」
「どこに行けば打てるのか?」
ということについてお伝えしています。

特に65歳以上の方やそのご家族の方はぜひ読んでみてください。

実は肺炎は近年「65歳以上の方」にどんどん増えてきている病気の一つで、日本人の死因のトップ3に食い込んできています。

決してあなどれない病気である肺炎の予防についてお伝えしていきます!

1.肺炎球菌ワクチンについて詳しく教えて!

1-1 肺炎は、こんな病気

肺炎とは、ウイルスや細菌の感染やアレルギーが肺にまで入り込み、炎症を起こしている状態のことです。

咳や発熱を伴いますが、風邪だと思っているうちに進行していきます。

「そのうち治るだろう」と思って放置していると実は肺炎だった、なんてことも。

(1)どんな人になりやすい?

肺炎にかかりやすいのは、5歳未満(とくに2歳未満)の乳幼児や65歳以上の方です。

5歳未満(とくに2歳未満)の乳幼児では免疫機能が未発達のため肺炎球菌に対してうまく免疫が働きません。

また、65歳以上の方も見た目は元気なようでも免疫機能が低下し始めていますので、肺炎をはじめとする様々な感染症にかかりやすくなっています。

元気であっても、風邪など、「ちょっとしたこと」から肺炎を発症し、急激に悪化して、最悪の場合は亡くなってしまうこともあります。

以下の図から、65歳以上から急に肺炎にかかる方が増加していることが分かりますね。

図:年齢別肺炎の入院受療率
出典:Pfizer HP(おとなの肺炎球菌感染症.jp)
URL:http://otona-haienkyukin.jp/

また、65歳以上という条件に加えて、以下のような持病があると、肺炎にかかるリスクは増加するといわれています。

□ 脳梗塞
□ 気管支喘息
□ 慢性肺疾患(COPD)
□ 慢性心疾患
□ 糖尿病

チェック項目に該当された方は特に注意が必要です!

(2)肺炎の種類

肺炎は、一般細菌による細菌性肺炎(インフルエンザ、肺炎球菌、黄色ブドウ球菌など)と、一般細菌以外の病原微生物感染(マイコプラズマ、クラミジアなど)による非定型肺炎に大きく分けられます。

出典:アステラス製薬ホームページ
URL:https://www.astellas.com/jp/

また、肺炎はどこで発症したかによって、市中肺炎院内肺炎、さらに中間的な医療・介護関連肺炎に大きく分けられます。

出典:アステラス製薬ホームページ
URL:https://www.astellas.com/jp/

肺炎の中でもとくに65歳以上の方がかかりやすいものは
①誤嚥(ごえん)性肺炎
②肺炎球菌などの、細菌性の肺炎
③インフルエンザウイルスなどその他病原体による肺炎

の大きく3つに分かれます。

①誤嚥性肺炎
高齢者に最も多い種類の肺炎です。
「誤嚥(ごえん)」とは、食べ物や飲み物や唾液が気管に入ることです。

普段は空気以外が気管に入ることはまずなく、もし入ってしまった場合は咳反射が起きて「むせる」ことで吐き出すことができます。

若くて元気な人の場合はこの咳反射がスムーズに起こるため、異物が気管に入ることはありません。

しかし、高齢者の場合、そもそも飲み込む力が衰えてきて、誤嚥が起こりやすくなります。

さらに「むせる」力も衰えているので、「不顕性誤嚥(ふけんせいごえん)」といって、唾液などの異物が吐き出されることなく、
誰にも気付かれることなく、気道を通って肺の中まで入り込んできてしまいます。
これが「誤嚥(ごえん)性肺炎」です。

誤嚥(ごえん)によって肺の中に炎症が起こってしまうのはなぜでしょうか。

原因になるのは「ウイルス・カビ・細菌」です。
唾液には実は細菌やウイルスがいっぱいいます。

唾液、または唾液を含んだ食べ物が肺に入り込んできてしまうのはとても危険です。

胃には強力な胃酸があるためそれらを殺菌できますが、肺には胃のような強力な殺菌機能が備っていません。

そのため肺の中で炎症が起きて、肺炎になってしまうのです。

誤嚥(ごえん)性肺炎は本人も気づかぬうちに静かに誤嚥を繰り返し、悪化していきます。

高齢になればなるほど誤嚥(ごえん)しやすくなり、死亡に繋がりやすくなります。

②細菌性肺炎
高齢者の肺炎の特徴は「風邪」と似た症状がでることです。

咳や微熱が長引くことで本人も周りも風邪だと勘違いして肺炎と気づきません。

放置すると病状を悪化させてしまうことがあるので「風邪っぽいなあ」と思ったら放置せず医療機関を受診しましょう!

肺炎球菌は、健康な人の鼻や喉に存在し、普段は何も悪いことはしません。

しかし、高齢者は免疫機能が低下しているため、気管支や肺への侵入を許してしまい、炎症を引き起こします。

または、鼻やのどに存在する菌が咳やくしゃみ等、唾液を介して飛沫(ひまつ)感染します。 

③その他病原体による肺炎
インフルエンザなど、ウイルスが原因となる肺炎もあります。

特に高齢者はインフルエンザにかかりやすく、重症化しやすくなります

インフルエンザなどで気道の粘膜が傷つくと、肺炎球菌は増殖を始め、気管支炎や肺炎を引き起こします。

主な症状は、
・胸の痛みや息苦しさ
・血が混じった様な鉄さび色の痰と咳、高熱
・全身倦怠感、食欲不振

が挙げられます。

合併症として腹膜炎、副鼻腔炎、中耳炎、髄膜炎を引き起こし、重症化することがあります。

また、糖尿病や心臓病などの持病も、免疫機能を低下させる要因になりますので、特に注意が必要です。

○その他いろいろな肺炎
そのほかにも65歳以上に限らず発症する、様々な肺炎の種類についても説明していきます。

・マイコプラズマ肺炎
14歳以下の子供への発症が8割を占めており(5~25歳に好発、高齢者に少ない)、最近増えている肺炎です。

マイコプラズマは、ほ乳類や鳥類の体内に寄生し、人間の体内の中にも存在しています。

マイコプラズマが何らかの原因で肺の中の免疫系を刺激することで炎症が起こり、頑固な咳や発熱、胸の痛み等の症状を起こすといわれています。

何らかの原因についてはまだわかっていません。
渇いた咳が出るのが特徴で、抗生物質を使っても炎症が長引き、咳も長く続きます。

マイコプラズマは、石鹸や加熱に弱いため、予防には手洗いうがい・食品の加熱が有効です。

・レジオネラ肺炎
レジオネラは、河川や土壌など自然環境に生息する一方で、温泉や循環式風呂、貯水槽など人工的な環境でも増殖します。

エアコンなどの水冷式空調設備の冷却水の中で増殖すると、集団発生することもあります。

菌に汚染された水を誤嚥する、菌を含む霧を吸入することで感染しますが、ヒトからヒトへの感染は確認されていません。

免疫機能が低下している方に多いですが、健常者でも発症し、院外・院内両方の肺炎の原因になります。

主な症状は発熱、咳、徐脈、筋肉痛、全身倦怠感、意識障害などの全身症状が見られます。

レジオネラ肺炎は重症化しやすく、適切な治療がされない場合急激に悪化し、致命率も高い肺炎です。

・夏型過敏性肺炎
この病気は、トリコスポロンというカビに対するアレルギーが原因となり、肺全体の広い範囲に炎症が起こります。

名称に「夏型」と付いているのは、このカビが気温20℃~30℃、湿度60%以上で繁殖するためで、5月~11月にかけて多いのが特徴です。

高温多湿を好むカビのため家の中の風呂場や脱衣所、洗濯機周辺等の水回り(エアコンや加湿器等も)に繁殖します。

毎年夏から秋にかけて咳が長引く、体がだるくなる、微熱が出るといった「夏風邪」症状を繰り返している場合は夏型過敏性肺炎を疑いましょう。

夏型過敏性肺炎はステロイドを使って治療しますが、アレルギーの原因となるトリコスポロンを取り除かなければ完全に体調が良くなることはありません。

繁殖したトリコスポロンを完全に除去するには、家の改装が必要になる場合もあります。
予防のためには風呂場等の水回りの掃除を心がけましょう

・クラミジア肺炎(オウム病)
インコや鳥等を飼育していて、鳥への口移しでの餌やりや、羽やフンを吸入することで起こる肺炎です。

主な症状として、長引く咳、発熱、頭痛が見られ、鳥類の飼育歴がある方を中心に全ての年代に発症します。

クラミジア肺炎が疑われる場合、慢性化し、急激に重症化しやすいので注意が必要です。
(ときに死亡することもあります)

(3)肺炎の症状

【 初期症状自己チェックリスト 】
~こんな症状にご注意!~

以下のような「風邪かな?」と思うような症状が出たら要注意です。

□ 長引く咳が出る
□ 微熱が続く
□ なんとなくだるい
□ 痰を伴う咳が出る
□ 胸の痛み
□ 筋肉痛

特に65歳以上の方で、以上のような症状が出た場合には「ただの風邪だ」と判断せず、受診しましょう

→放っておくとどうなるの??
肺炎を放っておくと症状を繰り返して慢性化し、重症化することがあります。

重症化すると、肺の破壊を伴う「肺膿瘍(はいのうよう)」という黄緑色の痰を伴う炎症が起こります。

肺が破壊されることによって出来た空洞に、膿が溜まってしまうのです!

お酒をたくさん飲む方、糖尿病や副鼻腔炎などの基礎疾患をもつ方に生じることが多いので、特に注意が必要です

肺炎だと気付かずに長期間放っておいて、
「知らないうちに肺が破壊されて膿が溜まっていた!」
なんてことは避けたいですので、肺炎と思わしき症状がある場合は、風邪だと自己判断せずに早めに受診しましょう。


(4)肺炎の診断と検査

種類が色々ある肺炎ですが、ここでは病院外で日常生活をしている人が発症する「市中肺炎」の診断と検査について詳しくお話ししていきます。

どんな検査をして、どんな項目を見ると肺炎と診断されるのか気になりますよね。

肺炎は症状(発熱や胸の痛みなど)、胸部画像所見(X線やCT像に浸潤がないかどうか)などから臨床的に診断されます。

市中肺炎では治療方針決定の目安として、一般臨床検査やA-DROPと呼ばれる肺炎の重症度を分類する検査を行います。

・診断

《症状》
発熱、咳、喀痰、呼吸困難など

《胸部画像所見》
単純X線像、およびCT像にて浸潤影がないかどうか

・重症度の検査

《一般臨床検査》
血液検査にて、白血球(WBC)、C反応性蛋白(CRP)、血中尿素窒素(BUN)が上昇しているかどうか確認します。

《市中肺炎の重症度分類【A-DROP】》
市中肺炎では、生命が維持できるかどうかと関連のある5つの指標(A-DROP)によって重症度が分類されます。

5つの指標(年齢、脱水、呼吸、見当識、血圧)に該当する項目にいくつ当てはまるかによって、外来治療や入院治療など治療の場を選択します。

《迅速診断法》
肺炎の原因菌の推定は、喀痰グラム染色、尿中抗原検査(レジオネラや肺炎球菌の推定に有効)などで行います。

また、原因微生物の特定も重要なのですが、判明するまでに数日を要することが多いため、確定診断を待たずに、症状や経過などから推定される原因微生物に対して治療を始めることもあります。
(エンピリック治療といいます)

出典:MSD 株式会社HP(肺炎.jp)
URL:http://www.haien-yobou.jp/

1-2.肺炎球菌ワクチンについて

65歳以上の方は、低下した免疫力を補うためにも予防接種を受けることが必要です

インフルエンザウイルス、肺炎球菌にはそれぞれワクチンがあり、これを体に接種することで病原体に対する抵抗力を獲得し、病気にかかりにくくします。

肺炎球菌のワクチンは、インフルエンザほど浸透されていないのですが、5年に1度忘れずに接種すれば、もしも感染した場合にも軽症で済み、重症化を抑えられるなど有効性があります。

1回の接種で5年間有効なので、5年ごとに接種するのが効果的です。

(1)肺炎球菌ワクチンの種類と効果

現在、成人に使用できる肺炎球菌ワクチンは「ニューモバックス」と「プレベナー」の2種類です。

これまでプレベナーは小児のみ適応でしたが、2014年6月から65歳以上にも使えるようになりました。

しかし、成人が公費で使用できるのはニューモバックスのみなので注意が必要です

・ワクチンの仕組み
肺炎球菌は「莢膜(きょうまく)」と呼ばれる膜で覆われています。

そのため、身体に入ってきても白血球の襲撃を逃れることができ、より深くに侵入することができます。

風邪を引いて気道の粘膜に損傷がある場合、保菌状態の菌が原因となり、
敗血症・髄膜炎・中耳炎といった炎症を引き起こします。

肺炎球菌の莢膜(きょうまく)は、90種類以上存在します。

そのなかで小児期に影響する上位13種類に対してワクチン化したのがプレベナー(13価肺炎球菌結合型ワクチン)、成人に影響する上位23種類に対するワクチンがニューモバックス(23価肺炎球菌ワクチン)です。

●ニューモバックス(PPV23):23価肺炎球菌ワクチン
・2歳以上で肺炎球菌により重症化しやすい人向け(高齢者)
接種回数1回(5年経過で追加接種可能)

●プレベナー(PCV13):13価肺炎球菌結合型ワクチン
・小児向け(2ヶ月以上~6歳未満まで。65歳以上も自費で可)
・髄膜炎・敗血症・中耳炎の予防
・接種回数1~4回

(2)接種しないとどうなるの?

成人用肺炎球菌ワクチンは、予防接種法における定期予防接種のB類疾病となります。
そのため、接種義務や接種努力義務はありません。

しかし、上記でもお伝えした様に65歳以上の方は肺炎のかかりやすさ、死亡する率が共に高くなります

風邪やインフルエンザなど身近な感染症もきっかけになり、1度かかると慢性化しやすくなることから、接種をしないと肺炎にかかる確率はアップします

また、肺炎は1度かかると慢性化しやすい病気です

ほとんどの肺炎は薬で治すことができますが、肺炎にかかると体力が奪われることで風邪やインフルエンザにかかりやすくなり、再び肺炎になって慢性化し、重症化する可能性があります。

薬で治すことができても、日本人の死因の3位に入っている病気ですので、決して甘く見てはいけません!

肺炎球菌は、健康な人の鼻や喉に存在し、普段は何も悪いことはしません。

しかし高齢者は免疫機能が低下しているため、気管支や肺への侵入を許してしまい、炎症を引き起こします。

また、特に高齢者はインフルエンザにかかりやすく、重症化しやすくなります。

インフルエンザなどで気道の粘膜が傷つくと、肺炎球菌は増殖を始め、気管支炎や肺炎を引き起こしやすくなります。

そのため、風邪やインフルエンザから肺炎にかかることもあるのです。

(3)肺炎球菌ワクチンはいつ打てばいいの?

平成26年(2014年)の10月より、肺炎球菌ワクチンが定期接種(B類)になりました。

65歳以上の、各年度に各年齢になる方が対象です。

接種時期も決まっており、対象となる年度においてのみ、定期接種としての公費助成が受けられます。

※期間を過ぎてしまうと定期接種の対象外となり、自費での精算になりますので要注意です。

(なお、60歳から65歳未満の方でも、心臓、腎臓、呼吸器の機能障害で、日常生活活動が制限されている方も定期接種対象になります。)

現時点で23価の肺炎球菌ワクチン(ニューモバックス)のみが認められています。
13価の肺炎球菌ワクチン(プレベナ-)は定期接種としては認められていません。

以下の年齢の方が対象になりますが、年度や自治体によって接種開始期間などが異なりますので、当てはまる方は確認しましょう!

肺炎球菌ワクチンの接種対象のご案内が来た方は、年度内はいつでも接種することができます。

肺炎は季節に関係なく発症する可能性があるので、早めに接種を検討されることをお勧めします。

出典:株式会社MSD HP(肺炎.jp)
URL:http://www.haien-yobou.jp/

・ご一緒に、インフルエンザの予防接種もおすすめ!
インフルエンザにかかった方は、肺炎球菌に感染する可能性も高くなります。

インフルエンザの予防接種は毎年10月末から始まります。
インフルエンザのワクチンの効力は約5か月なので、秋口に接種して、流行する冬場に備えることが高齢の方に限らず大切です。

インフルエンザのワクチン接種もお忘れなく!

(3)接種における注意点

・副反応

接種部位に痛みや赤み、腫れや筋肉痛など副反応が出る場合があります。(通常2-3日で収まります)
  
・接種の間隔
1回目接種から5年以上間隔を空けて下さい
注射部位の痛みが強く出る場合があります。
また、再接種のタイミングについては医師にご相談下さい。

(4)ワクチンはどこで受けられるの?

すべての医療機関で接種が可能です
くわしくはお近くの医療機関にご相談下さい。

横浜市南区にある当院でも、成人もお子様も、肺炎球菌ワクチンの接種ができます。

接種を希望される方はお気軽にご予約のお電話をお待ちしております!

2.肺炎の治療と予防

(1)肺炎の治療法

抗菌薬を用いた化学療法が主体となって治療を行います。
1.原因菌に合った抗菌薬を投与
2.安静、保温、脱水の補正
3.人工的に酸素を投与

(2)肺炎の予防法

日常の感染予防と、予防接種で防げる肺炎もあります。

とくに高齢者の場合は、「発症する前の予防」が大切です!

日常の感染予防
・うがい、手洗い、マスクをする。
・1日4回の歯磨き。

高齢者は歯磨きで口の中の雑菌を減らすことで肺炎にかかりにくくなります。

歯磨きをすると気道に侵入する前に病原体を減らすことができ、インフルエンザ等の感染リスクの低下につながります。

特に重要なのが、「朝起きてすぐの歯磨き」です。

口の中の雑菌は寝ている間に増えていますので、そのまま朝食を食べると病原体も体内に侵入しやすくなります。

朝起きてすぐ・朝食後・昼食後・夕食後の1日4回歯を磨きましょう!

その他以下にまとめたような、バランスの良い食事や運動、禁煙、持病の治療も肺炎予防に大切です!

出典:株式会社MSD HP(肺炎.jp)
URL:http://www.haien-yobou.jp/

→予防接種を受ける

3.よくある質問

(1)肺炎球菌ワクチンを接種すればすべての肺炎を予防できるの?

「肺炎球菌が原因となる肺炎」において、予防が期待できます。

肺炎を全て完璧に予防することは難しいですが、以下の図のように、色々な種類の肺炎のなかで肺炎球菌が原因となるものが国内で一番多く報告されています。

よって肺炎球菌ワクチンを接種することは肺炎予防に「有効である」と言えますので、接種することをおすすめします!

また、我が国の高齢者施設で行われた調査によると、肺炎球菌ワクチンを接種した場合、肺炎球菌性肺炎の発症を63.8%減少することができたということも報告されています。(2010年 BMJ)

接種を迷われている方は、最寄りの病院へご相談ください。

肺炎球菌には90種類以上の血清型があり、定期接種で使用される「 23価肺炎球菌ワクチン(一般名: 価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン、商品名: ニューモバックス NP)」は、そのうちの23種類の血清型を予防の対象としたワクチンです。

この種類の血清型は、平成25年には成人における侵襲性肺炎球菌感染症の原因の約6割を占めるという研究結果があります。

図:市中肺炎の病因
出典:Pfizer HP(おとなの肺炎球菌感染症.jp)
URL:http://otona-haienkyukin.jp/

(2)なぜ65歳以上から予防が必要なの?

65歳以上になると加齢とともに免疫力が低下し、肺炎をはじめとする様々な病気にかかりやすくなるため、自分の体調に注意を向け、予防することが必要です!
  
今までの50年間、日本人の3大死因といえば、「がん、心疾患、脳血管疾患」でした。

しかし、日本人の高齢化に伴い、肺炎による死亡者数は12万人を超え、2011年から日本の死亡者数第3位になっています。
(2015年厚生労働省の人口動態統計より)

そして肺炎で亡くなった方のうち、95%以上は65歳以上の方なのです。

すぐ治るのでは?と見過ごされがちですが、決して甘く見てはならない病気です。

(3)もし肺炎にかかってしまったら、どうしたらいい?

このブログを読んで、「もしかしたら肺炎かも?」と思うような症状があった場合は、放っておかず、すぐに医療機関を受診しましょう。
→病院でどのような検査をするのか?

(4)肺炎にならないためにはどうしたらいいの?

肺炎は、多くの場合抵抗力が落ちることが原因です。

抵抗力を付けるためには、「健康を意識した生活」をすることが大切です。

①しっかり睡眠を取り規則正しく生活すること

②栄養バランスの良い食事
・体をつくる「たんぱく質」をしっかり摂る(肉、魚、卵、大豆製品など)
・野菜からビタミンを摂る
ビタミンAやCには鼻や喉の粘膜を強くしてくれる働きがあります!
特に緑黄色野菜に多く含まれているので、色の濃い野菜を意識して摂るようにしましょう!

③無理せず適度な運動をする
家にこもりきりになっていませんか?
外に出て太陽の光を浴びましょう!

4.まとめ

いかがでしたか?
今回は「知っておきたい肺炎について」お話しさせて頂きました。

肺炎は、風邪っぽい症状から見逃されがちですが、重症化しやすく、甘く見てはいけない病気であるということがわかっていただけましたでしょうか。

様々な肺炎の種類について書きましたが、どれも以下の風邪のような症状から始まることが多いようです。

こんな症状にご注意!
○ 長引く咳が出る
○ 微熱が続く
○ なんとなくだるい
○ 痰を伴う咳が出る
○ 胸の痛み

65歳以上の方で、以上のような症状が出た場合には
風邪だと判断せず医療機関を受診しましょう。

65歳以上の方がかかりやすい肺炎は、
①誤嚥性肺炎
②肺炎球菌性肺炎(細菌)、インフルエンザウイルスによる肺炎

の大きく2つに分かれます。

予防には、予防接種や1日4回の歯磨き等が有効です。

・予防接種
65歳以上の方は低下した免疫力を補うためにも予防接種を受けることが必要です。

肺炎球菌にはワクチンが2種類(プレベナーとニューモバックス)あり、成人が公費で使用できるのはニューモバックスのみなので注意が必要です。

5年に1度、忘れずに接種すれば、もしも感染した場合にも軽症で済み、重症化を抑えられるなど有効性があります

1回の接種で5年間有効なので、5年ごとに接種するのが効果的です。

定期接種には年度ごとに対象の年齢が異なります。
対象の年齢の方には市役所から案内が届きます。

65歳以上の方は見逃さないようにしましょう!

横浜市南区にある呼吸器内科の当院でも、公費肺炎球菌ワクチンの接種を承っております。

そのほか肺炎かも?等の気になる症状がございましたら、お気軽に、ご予約のお電話をお待ちしております!

監修者プロフィール

三島 渉 (医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/内科学会認定医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

平成9年横浜市立大学医学部卒業。呼吸器内科専門医として活躍する一方、現代医学の限界を痛感。医学研究による解決を目指し、横浜市立大学大学院入学。分子細胞生物学を専門として、がん転移に関連する細胞機能の研究を行い、平成17年医学博士取得。

その後再び臨床の現場に戻るも、症状がひどくなってからでないと来院してもらえない医療の世界の構造的な問題を認識。

「症状がまだ軽いうちに気軽にかかってもらえるクリニックをつくろう」と決意し、平成19年横浜市南区に呼吸器内科専門の「上六ツ川内科クリニック」を開院。病気が進行すると改善が難しい呼吸疾患の早期発見・早期治療の重要性を伝えている。

現在、毎月500人以上の喘息患者と100名以上のCOPD患者を診療。禁煙治療にも力を注ぎ、呼吸器疾患で苦しむ人のいない社会の実現を目指している。年間約100名の禁煙指導を行い、84.6%の禁煙成功率を達成している。

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