1.「喘息は治った」は命にかかわる勘違い

監修: 三島 渉(医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)

「子供の頃は喘息で苦しくなって大変だったけど、今はもう治ったんだ」
 
 あなたも、こんな言葉をお聞きになったことがあるのではないでしょうか?
そして、「喘息って子供がかかる病気なんだ」。「大人になったら治る病気なんだ」。そんなふうに感じている方が多いのではないでしょうか?
 
残念ながら、これは間違いです。
 
子供の時に喘息だった方が、本当に治ったかどうかは、その人が一生を終えるまでわかりません。
喘息の症状は、何歳になっても再発する可能性があります。80歳や90歳になっても、再発することがあります。つまり、『本当に喘息が治ったのか?』は、死ぬ時になって初めてわかるのです。
 
そして、もう一つ、よくある勘違いがあります。
喘息は決して子供だけがかかる病気ではありません。大人になってはじめて、喘息の症状を経験する人もたくさんいるのです
 
自分の子供がひゅーひゅー、ぜいぜいしていると、「これは喘息ではないか?」と、多くの親御さんたちはそんなふうに考えます。
ところが、おとなの自分がひゅーひゅー、ぜいぜいしていても、喘息だとは思わない方が多いのです。

これは、とても危険なことです。なぜなら、喘息は今でも年間1600人近くの人が亡くなっている危険な病気だからです。そして、その亡くなる人の多くが高齢者です。

なぜ、これだけ医学が発達した時代に喘息で死ぬ人がゼロにならないのか?
そして、どうして亡くなる人の多くが高齢者なのか?

それは、喘息で死ぬことを避けることのできる治療が存在するにもかかわらず、喘息に対する『誤った理解』のために、長年にわたって適切な治療を受けない人が数多くいるからです

人間には、口から息を吸ったときに、肺まで空気が入っていく通り道があります。その大切な空気の通り道を『気道』といいます。

もともとは気道が細くなったり広がったりしている状態を繰り返し、ぜいぜいして息が苦しくなる病気のことを喘ぐ息と書いて『喘息』と呼んでいました。ところが、これが勘違いの始まりだったのです。

多くの人は、『喘息はひゅーひゅー、ゼイゼイして息が苦しくなる病気』と思っています。つまり、ひゅーひゅー、ゼイゼイしていない場合には、喘息だという自覚がないのです。そして、この誤った理解が喘息という病気の問題をさらに大きくしているのです。

そこで、今からお伝えする『喘息の正しい知識』をしっかり覚えておいてください。

ひゅーひゅー、ゼイゼイして息が苦しくなるのは、気道が細くなって空気が肺に入りにくくなるからです。

最初のうちは、ゼイゼイして苦しくなっても数日間我慢していると、自然に楽になってくることがあります。これは、苦しさを我慢しているうちに、狭くなっていた気道が広がってきて、空気の通りがよくなったからです。

ゼイゼイして呼吸が苦しいときには、「この状態を早く治したい」。多くの人はそう考えます。しかし、しばらく我慢して苦しかった状態から抜け出すと、「息が苦しくなくなったからもう治ったんだ」と考えてしまいます。

そして、もっと初期の喘息患者さんの場合には、ひゅーひゅー、ゼイゼイすることもありません。

多くの場合、喘息の最初の症状は、かぜをひいた後に咳が長く続いてなかなか収まらないということから始まります。「今度の風邪は、やけに治りがおそいなぁ~」と軽く考えてしまうのです。

なぜ、こんな勘違いが生じるのか?

それは、喘息という病気の正体が、
実は気道が細くなるということだけではなく、気道の炎症が慢性的に続いている
ということだからです。

つまり、喘息はひゅーひゅー、ゼイゼイして苦しいときだけに起こっている病気ではありません。患者さん本人にまったく自覚症状がなくても、常に気道の炎症が起きている病気なのです。

この気道の炎症が長期間続くことによって、ひゅーひゅーしたり、ゼイゼイしたりという喘息の苦しい症状が出現してきます。
ということは、何らかの方法によって、早期にこの気道の炎症を取り除くことができさえすれば、最終的にひゅーひゅー、ゼイゼイして息が苦しくなる状態に至ることはないのです。

>>次項 2. 喘息治療における現代医学の限界

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