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管理栄養士と栄養士はどう違う?

わたなべゆうか(管理栄養士)

最終更新日 2024.3.15

「管理栄養士」と「栄養士」、似たような言葉ですが、厳密には意味に違いがあります。管理栄養士と栄養士の違いを詳しく知ることで、就職活動や転職活動の参考にしてみてくださいね。

1.管理栄養士と栄養士の違い(言葉の定義)

<管理栄養士>
管理栄養士は厚生労働大臣より免許を受ける国家資格です。栄養に関する知識を用いて、栄養指導・健康管理をおこなう専門的な職業です。管理栄養士が栄養指導をおこなうのは、健康な人だけではありません。病気を患っている方、高齢のため食事から栄養を充分に摂れない方、そのような人にもそれぞれの状況に合わせ、栄養面をサポートしています。

<栄養士>
栄養士は都道府県知事より免許を受けます。さまざまな施設で栄養指導や献立の作成、調理をおこなう専門的な職業です。これらの業務は主に健康な人に向けてであり、管理栄養士と業務範囲が異なります。

2.資格取得方法の違い

2-1 管理栄養士になるには

管理栄養士になるには、国家試験に合格し管理栄養士の免許を取得する必要があります。そして、管理栄養士の国家試験の受験には栄養士の免許が必要です。管理栄養士養成施設修了することで栄養士の資格を得ることができます。
管理栄養士になるには管理栄養士コースと栄養士コースがあります。
管理栄養士コースは養成施設で4年間学び、栄養士の免許を取得のみを経て、管理栄養士国家試験を受けます。そして国家資格を合格をすることで厚生労働大臣から管理栄養士の免許が取得できます。

2-2 栄養士になるには

栄養士の養成施設は2年、3年、4年と3パターンの修行年限があります。管理栄養士と同様に養成施設を修了することで栄養士の免許が取得できます。栄養士養成施設を修了したのち都道府県知事から免許を受けます。

2-3 栄養士から管理栄養士にはなれるのか

栄養士養成施設で修行年限が3パターンあると説明しました。栄養士養成施設を2年の修行し、栄養士免許を取得してすぐに管理栄養士の免許取得の資格を得ることはできません。栄養士養成施設を2年で修了すれば栄養士として実務経験が3年、3年で修了すれば実務経験が2年、4年で修了すれば実務経験が1年必要となります。

管理栄養士コースだと修行年限4年で実務経験なく管理栄養士国家試験に挑めるのに対し、栄養士コースだと管理栄養士国家試験に挑むまでに5年かかるということになります。

3.職場、仕事内容、働き方の違い


栄養士も管理栄養士も、栄養指導や給食管理といった基本的な業務は同じです。
しかし、管理栄養士にしかできない業務がいくつかあります。

3-1 働き方の違い

働き方の違いとして挙げられるのは、栄養士は主に健康な人向けに栄養指導をおこなうのに対し、管理栄養士は病院で病気や怪我を患っている人の療養のために必要な栄養指導をおこなうことです。また、特定保健指導で個人の健康を持続、さらに増進していくのための栄養指導もおこなったりしています。

特定保健指導とは、生活習慣病を発症するリスクが高いことに加え、生活習慣を改善することで生活習慣病の予防効果が期待できる方に対して、管理栄養士などが生活習慣を見直すサポートをすることです。

生活習慣病という概念ができたことにより、管理栄養士は生活習慣病の予防に毎日の食事面からアプローチしていくこととなりました。そうした管理栄養士たちの努力は、高齢化社会において健康寿命を伸ばすことにも深く関わっています。

3-2 職場

管理栄養士として働いている人の就職先は、病院が最も多く、次いで企業となります。管理栄養士は、健康な人に向けて栄養指導をおこなうのももちろんですが、それに加え病院で傷病者の療養ために必要な栄養指導をおこなうことができるので、専門的な業務が求められる病院の割合が高くなっているようです。

栄養士の就職先は病院、児童福祉施設、学校です。また、献立作成、調理がメインとなる児童福祉施設への就職も多くなっています。

①病院
管理栄養士のように栄養士はより専門的な業務にはあたれませんが、管理栄養士が栄養管理、指導をメインに、栄養士は調理や盛り付け、提供などのフードサービスがおこうことができます。

②児童福祉施設、学校
給食管理や食事指導をおこないます。子どもの健康維持や成長を支え、子どもたちに食の大切さを伝える食育をおこなうことも大切な役割です。学校によっては給食便りの作成も担当します。

③企業
企業の健康事業部などに所属し、社員の健康を管理します。また、医療、福祉、食品関係の会社で給食のメニューの企画、調理スタッフへの指導などもおこないます。

3-3 仕事内容

①栄養指導
栄養士は健康な人を対象に食事のアドバイスをおこないます。年齢や生活習慣はそれぞれ異なるので、それぞれの方に合わせて必要な栄養素、カロリーを考慮し、食事の指導をします。
管理栄養士は前述の通り、傷病者に対して療養のための栄養指導や特定保健指導をします。

②献立作成・調理
必要となる栄養を計算しながら、献立を考案し、調理をおこないます。

季節に合わせた献立や郷土料理などをメニューに取り入れることで、楽しく食事できるよう工夫します。子どもたちへの食育という観点も担っているため、とてもやりがいのある仕事と言えるでしょう。

児童福祉施設で小さな子どもさん向けの食事を調理することもあれば、介護施設で高齢者の方向けの食事を調理することもあります。そのため、一人ひとりのアレルギーへの対応も重要ですし、誰にでも食べやすい大きさ・やわらかさに調理することも大切です。

③食育
食育とは「子どもたちが食に関する正しい知識と望ましい食習慣を身に付けること」(参考:文部科学省)です。学校給食は食育の中心となる教育活動として位置付けられています。子どもたちは、食材の収穫・観察・調理といった体験を通して、食に対する関心と知識を学んでいくのです。

4.おわりに(当院の管理栄養士の働き方)

当院では診療の一環として管理栄養士が常駐しています。「かかりつけ栄養士」としてさまざまな病態に応じた食事療法などのカウンセリングをおこなっています。
カウンセリングが未経験でも、カウンセリング研修体制も整っているので安心してください。

スタッフ間でのロールプレイングや、先輩がカウンセリングの様子を見学などフォローをさせていただきます。
元気で健康な毎日を送るために必要な食事やサプリメントについての最先端理論である「分子栄養学」に基づく、栄養カウンセリングをおこない、患者さんの身体全体の健康をサポートしています。

新卒、中途どちらも募集しておりますので、「食事の大切さを伝えたい!」という熱意のある方、ぜひ一緒に働いてみませんか?スタッフ一同お待ちしております!

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