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呼吸器内科で求められる看護師のスキルとは?

和田美月(看護師)

最終更新日 2025.7.25


専門性と患者支援の両輪を支える“力”を育てる

こんにちは。
医療法人社団ファミリーメディカル 採用担当です。

今回は「呼吸器内科で看護師に求められるスキル」について詳しくご紹介します。

呼吸器内科は、肺や気道などの呼吸器系疾患を扱う専門性の高い診療科です。
COPD(慢性閉塞性肺疾患)、気管支喘息、肺炎、肺がん、間質性肺炎など、多種多様な疾患に対する知識・観察力・対応力が求められます。

特に高齢化が進む現代において、呼吸器疾患の患者数は増加傾向にあり、そのケアを担う看護師の役割はますます重要になっています。

本ブログでは、呼吸器内科の看護師として活躍するために必要なスキル、またそのスキルをどのように身に付けていくかについて、現場の視点から解説していきます。

1. 呼吸状態の「観察力」と「アセスメント力」


呼吸器内科で最も重要なスキルのひとつが、呼吸状態の変化に敏感に気づく観察力と、そこから適切な判断を下すアセスメント力です。

例えば、こんな変化を見逃さないことが重要です:
・呼吸数やリズム、深さの変化

・チアノーゼ(口唇や指先の紫色化)

・呼吸補助筋の使用(肩が上下するような呼吸)

・発話時の息切れや会話困難

・意識レベルの変化や倦怠感の訴え

これらのサインは、呼吸不全の初期兆候である可能性があります。

アセスメントに必要な知識:
・酸素飽和度(SpO2)や動脈血ガス(ABG)解析の読み方

・既往歴や投薬状況との関連性

・呼吸補助装置(酸素療法、NPPV、人工呼吸器)に関する基礎知識

呼吸器内科で働く際には、これらの指標を正確に理解し、患者さまの「呼吸のしんどさ」に早期対応できるようになることが目標です。

2. 酸素療法・吸引・人工呼吸器など機器操作スキル


呼吸器内科では、医療機器の使用頻度が高いのも特徴です。

酸素療法、気管内吸引、ネブライザー、NPPV、人工呼吸器など、機器に関する正しい操作と知識は必須です。

看護師が担うべき役割:
・酸素流量の調整や観察(指示通りか、患者さまに合っているか)

・吸引の必要性判断と実施(呼吸音や喀痰の性状・量)

・呼吸器装着患者さまのスキントラブル予防

・患者さまの状態変化に応じた医師への報告

特に人工呼吸器管理の患者さまには、「何を確認すべきか」「何が異常か」の判断が、生命に直結する場合もあります。

新人看護師であっても、基本操作を理解し、医師や呼吸療法士と連携しながら患者さまのケアにあたる必要があります。

医療法人社団ファミリーメディカルでは重症化を予防するための早期発見・早期治療を大事にしています。

呼気NO測定器モストグラフスパイロメトリーなど大学病院並の機械を用いて検査を行っていますので、検査技術も求められます。

3. 患者さまの「息苦しさ」に寄り添うコミュニケーション力


呼吸器疾患の患者さまは、「息苦しい」「咳が止まらない」「思うように話せない」など、身体的にも心理的にも不安が大きいのが特徴です。

そのため、呼吸器内科の看護師には、患者さまの「言葉にできない不安」や「苦しみ」に寄り添う高度なコミュニケーション力が求められます。

大切なのは“非言語的な”共感:
・アイコンタクトや穏やかな声かけ

・相手のペースに合わせた会話

・手を握る、背中をさするなどのタッチング

・呼吸法の指導や咳の仕方のアドバイス

苦しみをわかってくれる存在がいると感じてもらうことが、患者さまの安心感や治療意欲の向上につながります。

4. 慢性疾患との付き合いを支える「指導・教育力」


COPDや間質性肺炎など慢性疾患の多い呼吸器内科では、再入院を防ぐための患者指導が極めて重要です。

看護師の指導項目には以下のようなものがあります:
・吸入薬の正しい使用方法

・禁煙支援

・自宅での呼吸リハビリの方法

・食事や運動、睡眠など生活習慣の指導

・在宅酸素療法(HOT)の管理方法

このように、看護師は“治療の継続支援者”として、患者さまが「病気と付き合いながら暮らす力」を身につけられるようサポートする役割を担います。

5. チーム医療の中で活きる「連携力」


呼吸器内科では、医師、薬剤師、理学療法士(呼吸リハ)、臨床工学技士(ME)、栄養士など、多職種が一体となって患者さまを支えています。

一方、医療法人社団ファミリーメディカルにおいても、医師をはじめ、臨床検査技師、放射線技師、管理栄養士、受付事務などが連携し、質の高い医療を提供しています。

看護師はそのハブ役として、情報共有や調整、報告・相談のスキルが求められます。

具体的な連携のポイント:
・呼吸困難の増悪時にすぐに医師へ報告

・リハビリ開始タイミングの調整

・栄養士と連携した食事指導

・家族や在宅ケア担当者への説明・情報提供

多職種との信頼関係を築くことで、患者さまにとって最良の医療を提供することが可能になります。

6. スキルアップのためにできること


呼吸器内科の看護師として成長するには、次のようなスキルアップ方法があります:

呼吸療法認定士や慢性呼吸器疾患看護認定看護師などの資格取得
呼吸器に特化した専門資格を目指すことで、知識・技術が一層深まります。

呼吸器セミナーや学会への参加
最新の治療トレンドや他施設の取り組みを知ることで視野が広がります。

院内研修・症例検討会の活用
医療法人社団ファミリーメディカルでは、呼吸器疾患をテーマとした症例共有や実技講習会も実施しており、現場で役立つ知識が身に付きます。

7. まとめ:呼吸器内科でのやりがいと成長

呼吸器内科の看護は、確かに難しい場面も多くあります。
しかしその分、患者さまの呼吸が安定し「楽になったよ」と笑顔を見せてくれた瞬間のやりがいは、何物にも代えがたいものです。

さらに、急性期から慢性期、そして在宅支援に至るまで、幅広い看護の力が身に付き、成長できる診療科でもあります。

私たち医療法人社団ファミリーメディカルでは、呼吸器内科での看護に意欲を持つ仲間を歓迎しています。

教育支援体制も整えており、スキルアップを目指す看護師を全力でサポートします。
「呼吸のケア」を通して、患者さまの“命と生活”を支える看護に挑戦してみませんか?

私たちと一緒に、一歩ずつ成長していきましょう。

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