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ビタミンCで感染症予防!最新研究と効果的な摂取法

執筆者: わたなべゆうか(管理栄養士)
最終更新日 2026年03月16日

ビタミンCには、コラーゲンをつくる働きやホルモンを合成する働き、抗酸化作用などさまざまな役割があります。

特に、新型コロナウイルスが猛威を振るう中で注目したいのは、免疫に関与する働きです。

この記事では、ビタミンCと感染症の関係についてまとめました。

ビタミンCを効率よく摂る方法も紹介しますので、ぜひ役立ててください。

1.ビタミンCの働き


ビタミンCと聞くと、美肌効果や疲労回復をイメージする方が多いかもしれません。

しかし実は、ビタミンCには私たちの体を病気から守る重要な役割があります。

特に風邪やインフルエンザなどの感染症が流行する季節には、ビタミンCの免疫機能が注目されています。

日頃から十分なビタミンCを摂取することで、感染症にかかりにくい丈夫な体づくりが可能になります。

ここでは、ビタミンCがどのように免疫に関わり、感染症予防に役立つのか、そのメカニズムを詳しく解説します。

◆「ビタミンCのおもな特徴と働き」について詳しく>>

1―1.ビタミンCと感染症の関係

ビタミンCは免疫に関与し、抗ウイルス作用抗菌作用があると考えられています。

体内にウイルスなどの病原体が侵入すると、インターフェロンという物質がつくられます。

インターフェロンには、周囲の細胞に「抗ウイルス作用のあるタンパク質を作りなさい」という指令を出す役割があります。

このインターフェロンをつくるために、ビタミンCが必要です。

したがって、ウイルスを排除したり、ウイルスの増殖を抑えたりするためには、日ごろからビタミンCを十分に摂っておくことが大切なのです。

1-2.コラーゲン合成と感染症予防


コラーゲンは、肌や血管などを構成している重要な成分です。

人の体を構成するタンパク質のうち、約30%がコラーゲンです。

コラーゲンをつくる材料として特に重要な栄養素は、タンパク質、鉄、ビタミンCです。

コラーゲンには、皮膚や粘膜を丈夫にし、細菌やウイルスに対して最前線で防御する役割もあります。

タンパク質や鉄、ビタミンCが不足することによりコラーゲンが不完全だと、皮膚や粘膜から細菌やウイルスが侵入しやすくなり、感染しやすくなります。

また、皮膚や粘膜のバリア機能が低下してアレルゲンが侵入しやすくなると、アレルギー疾患の発症にもつながります。

したがって、タンパク質や鉄、ビタミンCを日ごろから十分に摂り、丈夫なコラーゲンをつくっておくことが、感染症予防につながります。

【参考資料】『心と体を強くする!メガビタミン健康法』(藤川徳美/方丈社)
https://hojosha.co.jp/menu/824375

2.ビタミンCの必要量


ビタミンCは、人間の体内で合成することができないので、食事で摂る必要があります。

1日当たりの必要量は、成人では男女とも100㎎とされています。

しかし、ウイルス感染に対してビタミンCを効果的に使うためには、1000㎎以上必要です。

余った分は尿として排出されるので、過剰摂取のリスクは通常心配ありません。

ただし、腎機能に問題がある方はサプリメントなどで大量に摂ると腎結石のリスクが高まることがあるので、医師に相談してください。

以下の研究では、ビタミンCのサプリメントの過剰摂取により、男性の腎結石のリスクが上がることが指摘されています。

【参考情報】『Ascorbic Acid Supplements and Kidney Stone Incidence Among Men: A Prospective Study』JAMA Internal Medicine
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/1568519

3.ビタミンCを効率よく摂る方法


ビタミンCは毎日の食事から継続的に摂取する必要があります。

しかし、ビタミンCは熱に弱く水に溶けやすいという性質があり、調理方法によっては大幅に減少してしまうことも少なくありません。

また、体内に長時間留まることができず、数時間で排出されてしまうという特徴もあります。

そのため、単に「ビタミンCを摂る」だけでなく、「どの食材から」「どのように調理して」「どのタイミングで」摂取するかが重要になります。

ここでは、ビタミンCを豊富に含む食品の紹介から、栄養素を損なわない調理法、サプリメントの活用方法まで、効率的な摂取のコツを具体的に解説します。

3-1.ビタミンCを多く含む食品

ビタミンCを摂るためには、野菜を積極的に食べるのがおすすめです。

ビタミンCは、ブロッコリーカリフラワー赤ピーマンなどの野菜や、ネーブルキウイフルーツなどの果物に多く含まれています。

ビタミンCといえば果物に多く含まれているイメージがあるかもしれません。

しかし、果物には糖質が多く含まれているので、食べ過ぎには注意が必要です。

〜食品とビタミンCの含有量〜
●ブロッコリー・・・1/2株(100g)あたり120㎎
●カリフラワー・・・1/2個(150g)あたり122㎎
●赤ピーマン・・・1/4個(40g)あたり68㎎
●柿・・・1個(160g)あたり112㎎
●ネーブル・・・1個(150g)あたり90㎎
●キウイフルーツ・・・1個(100g)あたり69㎎

3-2.ビタミンCを食材から摂るには


ビタミンCを効率よく摂るためには、なるべく加熱しないことが大切です。

ビタミンCは加熱で壊れやすいので、生で食べることにより、ビタミンCを壊さずに摂ることができます。

野菜や果物は生で食べるのがおすすめです。

加熱する場合には、調理過程でビタミンCを壊さないようにすることが大切です。

ビタミンCは水に溶けやすいので、ゆでると水の中に溶け出てしまいます。

ですから、スープなど汁ごと食べるものや、蒸し料理にするのがおすすめです。

◆「腸内環境を整えて免疫力をアップさせる方法」について詳しく>>

3-3.サプリメントで摂取する

食事で摂るのが難しい場合は、サプリメントを利用するのもおすすめです。

ビタミンCは、摂取して数時間で尿と一緒に排出されてしまうため、一度にたくさんの量を摂るのではなく、数時間おきに少量ずつこまめに摂るのが効果的です。

信頼できる製品を選ぶには「GMP認定工場」で作られているものかどうかを確かめると良いでしょう。

GMPとは「Good Manufactuiring Practice=適正製品規範」の略で、原材料の受け入れから製造、出荷に至るまで、製品が安全に作られ、一定の品質が保たれるために設けられた、医薬品レベルの厳しい製造工程管理基準です。

【参考情報】『GMPとは』日本医薬品原薬工業会
http://www.jbpma.gr.jp/bulk-pharmaceuticals/gmp

4.最新研究が示すビタミンCの効果

ビタミンCの感染症を予防する効果について新しい研究が報告されています。

ここでは、その最新の研究結果をもとに、ビタミンCの効果について詳しく解説します。

4-1.子どもの呼吸器感染症リスクを半減

2025年に医学雑誌『Frontiers in Nutrition』で発表された最新研究では、血清中のビタミンC濃度が高い小児および青年は、呼吸器感染症のリスクが約50%も低下する可能性があることが報告されました。

この研究結果は、子どもたちの免疫力を高めるために、日頃からビタミンCを十分に摂取することの大切さを表しています。

風邪やインフルエンザにかかりやすいお子さんをお持ちの保護者の方は、食事やサプリメントを通じてビタミンCを積極的に取り入れることをおすすめします。

◆「呼吸器感染症の主な種類と予防法」について詳しく>>

4-2.風邪の症状期間を短縮する効果

1日1,000mg以上のビタミンCを摂取することで、風邪の症状が続く期間を短くする効果が信頼性の高い研究により確認されました。

具体的には、成人で約8%、子どもで約14%もの期間短縮効果がありました。

さらに、2023年に発表された研究では、重い風邪症状に対してビタミンCが効果的であり、重症症状の持続期間を26%も短縮することが報告されています。

これらの研究結果で、ビタミンCの摂取は風邪による欠勤や休学を減らす効果があることが示されました。

ただし、軽い症状の場合には明確な効果が認められなかったことも報告されているため、ビタミンCの摂取でどんな症状も楽になるわけではないことも覚えておきましょう。

また、ビタミンCは一度(約1時間以内)に1000㎎以上摂取すると、吸収率が急激に落ちてしまうため、朝と夜に分けて摂取するなど、1日の中で分けて摂取すると効果的です。

4-3.公的機関による見解

今のところビタミンC摂取による、新型コロナウイルス感染症やインフルエンザの予防効果については、十分な効果が確認されていません。

しかし、先ほどの研究報告のように、風邪を含む上気道感染症に関して、発症リスクを低下させる効果と、症状が出た後の持続時間を短縮する効果については、複数の研究で有効な結果が報告されています。

重要なのは、ビタミンCの摂取だけに頼るのではなく、手洗いや消毒、マスクの着用といった基本的な感染対策を徹底することです。

ビタミンCは、基本的な対策を補助する役割として活用するのが良いでしょう。

【参考文献】『新型コロナウイルスービタミンCによるCOVID-19対策』JPALD
http://www.seikatsusyukanbyo.com/main/opinion/010.php

4-4.重症感染症におけるビタミンCの役割

重症の感染症にかかると、体内のビタミンCが急激に減少することが明らかになっています。

スペインで行われた研究では、新型コロナウイルス感染症の重症患者18人のうち、17人が血中ビタミンC濃度が検出限界未満であったことが報告されています。

これは、感染症と戦うために大量のビタミンCが消費されるためです。

そのため、感染症にかかっている時や、体調を崩しやすい時期には、普段よりも多めにビタミンCを摂取しておきましょう。

当院では、感染症予防や免疫力維持のための栄養指導も行っております。

ご自身に合った摂取量や方法について知りたい方は、お気軽にご相談ください。

5.よくある質問(FAQ)

ビタミンCと感染症予防について、よくいただく質問をまとめました。

Q1. ビタミンCは風邪を予防できますか?
A. 一般の方が日常的にビタミンCを摂取しても、風邪の発症そのものを予防する効果はあまり期待できません。

しかし、風邪をひいてしまった場合には、症状の重症化を防ぎ、症状が続く期間を8~14%短縮する効果があることが研究で示されています。

特に、マラソンランナーやスキーヤーなど、極度の肉体的ストレスを受ける方では、ビタミンCによって風邪のリスクが半分に低下したという研究結果もあります。

風邪をひきやすい方や、お子さんと接する機会が多い方は、毎日の食事にビタミンCを積極的に取り入れることをおすすめします。

Q2. 1日にどれくらいビタミンCを摂取すれば良いですか?
A. 厚生労働省が定める「日本人の食事摂取基準」では、成人男女ともに1日100mgが推奨量とされています。

これは、血液中のビタミンC濃度を正常範囲に保つために必要な量とされているため、毎日の食事では100㎎を摂取の目標にしましょう。

しかし、風邪の症状がある時などには、ビタミンCが普段よりも消費されるため、多めに摂取することをおすすめします。

ビタミンCは水溶性で、尿として体外に排出されやすいため、一度に大量に摂るのではなく、朝・昼・夜と数回に分けて摂取するのが効果的です。

【参考文献】『Vitamin C』NIH
https://ods.od.nih.gov/factsheets/VitaminC-HealthProfessional/

Q3. ビタミンCの過剰摂取は危険ですか?
A. ビタミンCは水溶性ビタミンのため、摂りすぎても余った分は尿として排出されます。

そのため、基本的には過剰摂取による健康被害の心配は少なく、安全性の高い栄養素です。

ただし、サプリメントなどで一度に大量(1日数千mg以上)を摂取した場合、人によっては腹痛、吐き気、下痢などの消化器症状が現れることがあります。

また、腎機能に問題がある方は、腎結石のリスクが高まる可能性があるため、医師に相談してから摂取してください。

適切な量を守って摂取すれば、ビタミンCは安全で効果的な栄養素です。不安な方は、当院の栄養カウンセリングまでご相談ください。

Q4. サプリメントと食事、どちらで摂るのが良いですか?
A. 基本的には、野菜や果物など食事から摂取するのが理想的です。

食品には、ビタミンC以外にも食物繊維やビタミン、ミネラルなど、体に必要な栄養素がバランスよく含まれているからです。

しかし、忙しくて野菜や果物を十分に食べられない方、感染症予防のために高用量を摂取したい方は、サプリメントを補助的に活用するのもよい方法です。

サプリメントを選ぶ際は、GMP認定工場で製造されたものなど、品質管理がしっかりしている製品を選びましょう。

また、1日の摂取量を数回に分けて飲むことで、より効率的にビタミンCを体内に保つことができます。

Q5. ビタミンCは他の薬と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
A. 多くの場合、ビタミンCは他の薬と併用しても問題ありません。

ただし、一部の薬(放射線療法、化学療法の薬など)とは相互作用を起こす可能性があります。

持病で治療中の方や、定期的に薬を服用している方は、ビタミンCサプリメントを始める前に、必ず医師や薬剤師に相談してください。

6.おわりに

ビタミンCは免疫に大きく関与しているので、不足すると感染症にかかりやすくなります。

感染症を防ぐには、普段から野菜やサプリメントなどで、ビタミンCを積極的に摂ることが大切です。

手洗いやマスク、アルコール消毒も忘れずに、丈夫な体をつくっていきましょう。

自分に合った食事やサプリメントを知りたい方は、当院の管理栄養士に相談することもできます。

興味のある方は、診察時または受付で「栄養カウンセリングを受けたい」と、お気軽にお申し出ください。

◆「栄養カウンセリング」について>>

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