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季節の変わり目に体調不良が起こる理由と自律神経ケア

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2026年08月30日
季節の変わり目で体調の変化が起きている女性

「9月に入ってから、なんとなく体がだるい」「朝晩の気温差で頭痛がする」「やる気が出ない日が続いている」

このような不調を感じていませんか?

季節の変わり目には、気温や気圧の変化に加え、夏の間に生じた睡眠不足や食欲低下などが重なり、体調を崩すことがあります。

こうした環境や生活習慣の変化に体が対応する際には、体温調節などを担う自律神経も関わります。この記事では 、季節の変わり目に感じやすい不調と、体調を整えるために見直したい食事や生活習慣について、管理栄養士の視点から解説します。

1.なぜ季節の変わり目に体調を崩しやすいのか

季節の変わり目で体調を崩しやすい原因
季節の変わり目の不調には、気温や気圧だけでなく、睡眠、食事、ストレス、病気など複数の要因が関係します。

1-1.気温や気圧の変化

自律神経は、心拍、消化、発汗など、自分の意思だけでは調整できない体の働きに関わっています。

朝晩と日中の気温差が大きい時期には、衣服や室温を調整し、急な体温変化を避けることが大切です。
気温や気圧の変化をきっかけに、だるさ、頭痛、めまいなどを感じる方もいます。

1-2.夏から続く生活リズムの変化

夏の間に就寝時刻が遅くなったり、暑さで十分に眠れなかったりすると、9月になっても疲労感が残ることがあります。

食欲の低下によって食事量が減っていた場合は、エネルギーやたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどが不足している可能性もあります。

起床・就寝時刻、食事の時間、活動量を一度に変えるのではなく、できるところから少しずつ見直しましょう。

【参考情報】『健康づくりのための睡眠ガイド2023』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/suimin/index.html

1-3.自律神経以外の原因も考える

だるさ、頭痛、めまい、気分の落ち込みなどは、自律神経の働きだけで起こる症状ではありません。

次のような原因が隠れている場合もあります。

・貧血
・感染症
・甲状腺の病気
・糖尿病
・睡眠不足や睡眠時無呼吸症候群
・片頭痛などの頭痛
・ストレスや心の不調

症状が長く続く場合や、日常生活に影響している場合は、「季節の変わり目だから」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。

◆「あなたのその症状、隠れ貧血かも!?」>>

2.体調管理で意識したい3つの栄養素

体調管理ではマグネシウム、たんぱく質、ビタミンB群の3つの栄養素が重要であることをまとめた図解
自律神経の働きを支えるためには、特定の栄養素だけに偏らず、食事全体のバランスを整えることが大切です。

ここでは、神経や筋肉の働き、体を動かすエネルギーづくりに関わる3つの栄養素を紹介します。

2-1.マグネシウム

マグネシウムは、体内のエネルギー産生、筋肉の収縮、神経の情報伝達などに関わるミネラルです。

不足すると不足すると筋肉や神経の働きに影響することがあります。頭痛・肩こり・不眠・イライラなどの症状は、マグネシウム不足のサインのひとつである場合もありますが、まずは、さまざまな食品を組み合わせ、日々の食事から補うことを意識することが大切です。

次のような食品を日々の食事へ取り入れましょう。

・アーモンドなどのナッツ類
・わかめなどの海藻類
・豆腐や納豆などの大豆製品
・ほうれん草などの葉物野菜
・ごま

※ナッツ類は、食塩や砂糖で味付けされていないものを選び、食べ過ぎないようにしましょう。

また、塩の中にもマグネシウムが含まれている商品があります。選ぶ際は栄養成分表示を確認し、普段の料理に使う範囲で取り入れましょう。ただし、ミネラル補給を目的に塩を多く使うことは避け、適量を心がけてください。

2-2.たんぱく質

たんぱく質は、筋肉や臓器などを構成する栄養素です。たんぱく質を構成するアミノ酸は、神経伝達物質の材料にもなります。食事量が減ってたんぱく質が不足すると、筋肉量や体力を維持しにくくなり、疲れやすさにつながる場合があります。

肉、魚、卵、大豆製品などを使った主菜を、毎食いずれか一品取り入れることを意識しましょう。必要量は年齢、体格、活動量、持病などによって異なります。

含まれる食材の例:鶏肉・魚・卵・豆腐や納豆などの大豆製品

◆「たんぱく質をたっぷり摂って美と健康を」について>>

腎臓病などでたんぱく質の制限を受けている方は、主治医や管理栄養士の指示を優先してください。

2-3.ビタミンB群

ビタミンB群は、糖質、脂質、たんぱく質を体内で利用する過程や、皮膚、粘膜、神経の健康維持などに関わります。

なかでもビタミンB12や葉酸が不足すると、貧血や神経に関わる症状が生じることがあります。

次のような食品を組み合わせ、食事全体のバランスを整えましょう。

含まれる食材の例:豚肉・卵・玄米・さんま・レバー・納豆など

◆「ビタミンB群のおもな特徴」について>>

【参考情報】『日本人の食事摂取基準(2025年版)』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_44141.html

3.体調管理に役立つ食事習慣

体調管理には食事習慣が重要
体調を整えるには、特定の食品を増やすだけでなく、食事の時間や内容を大きく乱さないことも大切です。

3-1.朝食を毎日同じ時間に食べる

朝食を含め、食事の時刻を毎日大きくずらさないことは、生活リズムを整える一つの方法です。

体内時計のリズムを整えるには、朝食だけでなく、朝の光を浴びることや、起床時刻を大きく変えないことも大切です。

【参考情報】『交代制勤務者の食生活に関する留意点』厚生労働省|健康日本21アクション支援システム
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-04-004

夏バテで朝食を抜くことが続いていた方は、まずは食べやすいものを少量から取り入れてみましょう。

次のような食品から、食べやすいものを組み合わせてみましょう。

・卵
・納豆
・豆腐
・魚
・鶏肉
・生野菜や海藻類

3-2.体調に合わせて料理の温度を選ぶ

冷たい飲み物や料理を摂ると、腹痛や下痢などが起こる方もいます。その場合は、味噌汁、野菜スープ、温かい煮物など、自分が食べやすい温度の料理を選びましょう。

温かい料理を食べるだけで自律神経が整うわけではありませんが、体調に合わせて無理なく食事を摂ることが大切です。
温かい飲み物を取り入れる場合は、白湯やノンカフェインの飲み物を選ぶ方法があります。

3-3.野菜や発酵食品を食事に取り入れる

腸内にはさまざまな細菌が存在し、その構成は食事内容などの影響を受けます。野菜、海藻類、きのこ類などに含まれる食物繊維は、大腸で腸内細菌に利用されます。

納豆、味噌、ぬか漬けなどは、日々の食事に取り入れられる食品の一つです。野菜、海藻類、きのこ類なども組み合わせ、特定の発酵食品だけに偏らないようにしましょう。

味噌や漬け物などは塩分を多く含む場合があります。高血圧、心臓病、腎臓病などがある方は、摂取量に注意してください。

【参考情報】『食物繊維の必要性と健康』厚生労働省|健康日本21アクション支援システム
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/food/e-05-001.html

4.見直したい食習慣

食習慣を見直すきっかけ
食事や飲み物の摂り方によって、血糖値や睡眠、体調に影響が出ることがあります。

4-1.糖分の多い食品や飲み物

菓子類や清涼飲料水などを一度に多く摂ると、血糖値が大きく変動することがあります。

甘い食品や飲み物だけで空腹を補おうとせず、肉、魚、卵、大豆製品、野菜などを組み合わせた食事を意識しましょう。

4-2.食事を抜く

食事を抜くことが続くと、必要なエネルギーや栄養素が不足しやすくなります。

インスリン注射や一部の糖尿病治療薬を使用している方は、食事量が減ることで低血糖が起こる場合があります。食事が十分に摂れないときも、薬を自己判断で中止・継続せず、あらかじめ主治医から受けている指示に従うか、医療機関へ連絡してください。

食欲がない場合は、一度に多く食べようとせず、たんぱく質や野菜などを少量ずつ摂る方法もあります。

4-3.アルコールやカフェインに注意する

カフェインには覚醒作用があり、摂取する量や時間によっては、寝つきや睡眠の持続に影響する場合があります。コーヒー、緑茶、紅茶、エナジードリンクなどに含まれているため、成分表示を確認しましょう。

当院では、体調管理のための飲み物としてカフェインを含むものを勧めていません。温かい飲み物を選ぶ場合は、白湯やノンカフェインの飲み物を取り入れましょう。

アルコールを飲むと一時的に眠くなることがありますが、夜中に目が覚めやすくなるなど、睡眠による休養感を得にくくなる場合があります。眠るための飲酒は避けましょう。

【参考情報】『快眠と生活習慣』厚生労働省|健康日本21アクション支援システム
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004.html

5.症状が続く場合は医療機関へ

症状が続くときに医療機関で医師に相談している女性
季節の変わり目に不調を感じても、必ずしも自律神経が原因とは限りません。

次のような場合は、医療機関への相談を検討してください。

・だるさや頭痛が長く続いている
・症状が徐々に強くなっている
・発熱、咳、息苦しさなどを伴う
・動悸やめまいを繰り返す
・食欲低下や体重減少がある
・気分の落ち込みや意欲の低下が続く
・休養を取っても体調が改善しない

特に、突然の激しい頭痛、片側の手足に力が入らない、ろれつが回らない、呼びかけへの反応がおかしい、意識がもうろうとしているといった症状がある場合は、脳卒中など緊急性の高い病気の可能性があります。

本人に運転させず、すぐに119番へ連絡してください。

6.おわりに

季節の変わり目に体調を崩さないようにする方法
季節の変わり目の不調には、気温や気圧の変化だけでなく、睡眠不足、食事量の低下、ストレス、病気など、さまざまな原因が関係します。

マグネシウム、たんぱく質、ビタミンB群は健康維持に必要な栄養素です。

一つの栄養素や食品だけに偏らず、さまざまな食品を組み合わせて摂りましょう。食事に加えて、睡眠時間や起床・就寝時刻、室温、活動量なども一緒に見直すことが、日々の体調管理につながります。

自分の体に合った食事・栄養のことをもっと詳しく知りたい方は、当院の管理栄養士に相談することもできます。

興味のある方は、診察時または受付で「栄養カウンセリングを受けたい」と、お気軽にお申し出ください。

◆「管理栄養士による栄養カウンセリング」をチェック>>

このようなことでお悩みではありませんか?

  • 食事の改善で体調を良くしたい
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  • 栄養バランスに不安がある

当院では管理栄養士による食事指導も行っています。お気軽にご相談ください。

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