管理栄養士が教える!糖尿病の方でも血糖値に影響が出にくい間食、8つのルール

監修: 三島 渉(医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医/内科学会認定医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

糖尿病の方、または血糖値の気になる皆さん、ついつい間食をしていませんか??

間食すると、血糖値に影響すると分かっていても、なかなか好きな物ってやめられないですよね。

当院では管理栄養士による栄養カウンセリングを行っていますが、患者さんによくこんな質問をされます。
例えばこんな風に思われている方・・・

「間食は食べたいけど糖尿病だし、間食は絶対ダメですよね?」
「どのタイミングで摂ったらいいの?」
「やっぱり洋菓子よりも和菓子がいいの?」
「カロリーより糖質を気にした方がいいの?」
「どんな内容が良いのか、ついつい毎日食べてしまうけど大丈夫?」

などなど。

テレビやネットでは、今話題の糖質制限をはじめとする様々な健康情報や、ダイエット方法等いろんな情報があふれていて迷ってしまわれる方も多いのではないのでしょうか。

そこで今回は、糖尿病の方の間食にオススメの食品食べるタイミングなど、間食をする時にこれだけは気を付けていただきたいというポイントをお伝えします。

ぜひ最後まで目を通していただき、血糖値上昇への不安を少なく出来るような間食の摂り方をこの機会に一緒に学んでいきましょう!

1.糖尿病でも間食はしていいの?

(1)糖尿病ってどんな病気?

糖尿病は、インスリン(食後血液中に増えたブドウ糖を筋肉や肝臓などへの取り込んで血糖を下げる働きを持つ唯一のホルモン)の効き目が十分でないため、ブドウ糖がきちんと使われずに血糖値が高くなったままになってしまう病気です。

糖尿病には種類があります。

①Ⅰ型糖尿病
インスリンを作る膵臓の細胞が何らかの原因でこわされることで、インスリンが作られなくなり、糖尿病になります。子どもや若年者に多くみられます。

②Ⅱ型糖尿病
食べ過ぎや肥満によって、インスリンの分泌が少なくなったり、働きが悪くなるために起こります。

おもに中高年以降にみられますが、最近は若年者の発症も増加しています。

日本の糖尿病患者の約90%がこのⅡ型糖尿病といわれています。

平成28年の厚生労働省の国民健康栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人は約1,000万人を超え、過去最多となっています。

また、病気の可能性を否定できない「糖尿病予備群」も1,000万人を超え、両方合わせると約2,000万人。なんと、日本国民の5人に1人は糖尿病の気があるのです!

糖尿病についてもうちょっと知りたい方は、コチラ!

(2)糖尿病だと間食はNG?血糖値にどんな影響が出る?

血糖値の変化に大きく影響が出るのが、「炭水化物(糖質)」です。

炭水化物は甘いものをはじめ、ごはん・パン・麺類等、いろんなものに含まれています。

食事や間食の種類によって食後の血糖値の変化は異なり、糖質の多い食品を食べるほど血糖値が上がります。

食べてから時間が経つにしたがって血糖値は徐々に下がっていきますが、間食を摂る時間によっては血糖値が十分に下がりきらない状態で次の食事を摂る事になったり、血糖値が高いまま就寝し、朝まで高血糖の状態が続いたりすることになります。

「食べる内容・カロリー」はもちろん大切ですが、「食べる時間」も非常に大切なのです。

食事と食事の間がものすごく空いてしまうような時を除いて、間食がなければ血糖値が安定することは確かですので、食べる必要が無い方は無理に食べなくても大丈夫です。

したがって、間食は糖尿病の方には基本的におすすめしません

しかし、当院の栄養カウンセリングにいらっしゃる糖尿病患者さんの約半数が、ほぼ毎日何らかの間食をされていることも事実です。

本来は間食を摂らないに越したことはないのですが、どうしても食べたい!我慢できない!という方のために、間食をする時に心がけていただきたいポイントについて、これからお話します。

2.糖尿病の方でもOKな間食!8つのポイント

(1)間食に丁度いい量ってどのくらい?

①「朝・昼・夕の食事+200kcalまでの間食」がルール。
間食したいからといって、1食抜いてその分のカロリーを減らせばいいという訳ではありません。

・ごはんなどの主食
・肉や魚などのタンパク質のおかず
・ミネラルや繊維が豊富な野菜

1回の食事でこの3つをきちんと食べた上で、間食はあくまでも「オマケ」として考えましょう。

1日あたりの間食は80~160kcalが理想ですが、最大でも200kcal以内に収める事が大切です。

病院などで指示エネルギー量が決められているという方は、間食を食べた分を間食を主食量などで調節して指示量以内に収まるようにしましょう。

②「じゃあ、菓子パンやケーキなどの200kcal以上あるおやつは絶対に食べちゃダメなの?」と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません!

要するに、一度にまるまる1個食べなければ良いのです。

ただし、菓子パンなどを200kcal分なら毎日食べてもOK!というわけではありません。

どうしても食べたくなった時だけ、1日に食べる量を半分~3分の1くらいにして2日に分けて食べるなど、一度に全部食べないように工夫することが大切です。

お楽しみは「たまに」食べることで、より一層楽しめるというものです!

ちなみに、先ほど当院で栄養カウンセリングを受けている方の約半数が間食をされていると言いましたが、その多くは菓子パン、マドレーヌなどの焼き菓子、おまんじゅうなどの和菓子、おせんべい、チョコレート(特に今話題のハイカカオ系)などです。

当院では「間食は1日に最大200kcalまでにしましょう」とお伝えしていますが、1日の目標カロリーがよくわからない、飲み会や食事会などのイベントがあって食べ過ぎてしまいそうなときはどうしたらいい?など、わからないことがあれば当院の管理栄養士にぜひご相談ください

(2)間食では「たんぱく質」を摂ろう!

同じように糖質を採るのでも、たんぱく質と一緒に食べれば血糖値の上がり下がりが穏やかになるってご存知でしたか?

例えば、

・サラダせんべいより、ごま・チーズおかきや豆が入っている物を選ぶ!

・菓子パンではなく、いっそたまごが入ったサンドイッチにしてしまう!

ということです。

たんぱく質を摂る事によって、血糖値へのメリットとともに、腹持ちもよくなるのでおすすめです。

特にたまごは、たんぱく質だけでなくビタミン・ミネラル・カルシウム・鉄・亜鉛などの必須アミノ酸が全て入っている理想の食品です。

1個あたり80kcal程度なので、ゆでたまごを間食に取り入れるのもおすすめです。

とは言え、たんぱく質だったら「肉」や「チーズ」でも良いのよね…と、ソーセージの入ったホットドックやチーズたっぷりのピザ、ポテトコロッケ等は糖質も脂質もたっぷりで高カロリーなので、おすすめできません。ご注意ください!

(3)ナッツ・フルーツ・乳製品を選ぼう

この3種類をおすすめする理由は、食事で足りない栄養素を補うものとして考えることができるからです。

①ナッツ類(アーモンド・カシューナッツ等)

ナッツ類にはマグネシウムなど普段不足しがちな栄養素もあり、良質な油で噛みごたえもあるのでおすすめです。

ただし、カロリーが高いので20粒程度に抑えましょう。

また、塩味付きのものだと塩分の摂り過ぎになってしまうので、無塩タイプが良いでしょう。

②フルーツ

特におすすめなのが、ビタミン・食物繊維が豊富なキウイです。

ビタミンCは水に溶けやすいため、ゆで野菜ではゆで汁に流れ出てしまいますが、フルーツを生でいただけばしっかりとビタミンCを取り込むことが出来ます。

「果物は甘いけど大丈夫なの?」と心配される方もいらっしゃるかもしれませんが、果物に含まれる糖質は血糖値をほとんど上昇させないので、適量であれば食後高血糖にはなりにくいのです。

もちろん、食べ過ぎると中性脂肪に変わってしまいますから、なるべく80kcal以内くらいの適量を守りましょう。

<80kcalの目安>
・キウイ1個半
・グレープフルーツ半分
・いちご5・6粒
・りんご半分
・みかん2個

③乳製品
チーズ・ヨーグルト・牛乳などの乳製品はカルシウムが豊富です。

ヨーグルトの場合は、なるべくプレーンタイプを選び、はちみつや、ラカント等の甘味料を使って自分で甘味を調節すると良いでしょう。

出典:サラヤ株式会社ホームページ
http://www.lakanto.jp/products/lakanto/

(4)間食にもゴールデンタイムがあります!

間食は、いつでも好きな時間に摂っていいというわけではありません。

最も良くないのは、「夜寝る前」です。

食べ終わった直後のまだ血糖値が高い状態のまま眠りについてしまうと、就寝中や翌朝の血糖値に影響を及ぼすだけでなく、就寝中はエネルギー消費量が少ないため、肥満の原因にもつながるからです。

当院にいらっしゃる糖尿病患者さんの中には、

「午後のおやつタイムに、付き合いで食べてしまう」

「寝る前になんとなくお腹が空いて、ついつい食べちゃう」

という方が多くいらっしゃるのですが、間食を摂るタイミングは、できれば午前中、もしくは活動量が多い昼間、特に、運動や活動を始める前に食べるようにすれば、ある程度のエネルギー消費が期待できるため、血糖値が上がったままにはなりません。

また、食事と次の食事の間ではなく、食事のすぐ後に、デザート的な流れで食べるという方法もあります。

これは、1日の血糖上昇の山を、朝・昼・夕の3つと考えて、その3食以外の時間帯に血糖値を下げることができるというメリットがあります。

要するに、「間食」という言葉にならって食事と食事の間でおやつを食べてしまうと、昼食後しばらくしてせっかく血糖値が下がり始めたところ(もしくはまだ上がったまま)で15時頃におやつを食べてグンと上がり、それが下がりきらないうちに夕食を食べてまたさらに上がるという、「ホップ・ステップ・ジャンプ現象」が起きてしまいかねません。

このように一日中だらだらと血糖値の高い状態が続いてしまうのが一番よくないのです。

出典:糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/oyatsu-meijin/

まとめると、間食のゴールデンタイムとは

・午前中
・日中の運動もしくは活動の前
・食後すぐ

ということになります。

(5)食べ過ぎない秘訣は最初に量を決めること!

間食は、食べる前にあらかじめ取り分けておきましょう。

最後に残せばいいやと決めたつもりでも、目の前にあるとつい「あとちょっとだけ・・・」と、どうしても余計に食べてしまうのが人情というもの。

「今日はこのくらいで楽しもう♪」とお皿に取り分けて、ゆっくりとよく味わって食べることで満足感につなげましょう。

適量の目安は、両手の人差し指と親指で作った輪に収まるくらいです。同じくらいのサイズの小皿を、おやつ専用に用意しておくといいかもしれませんね。

また、近くにあるとつい食べちゃう!という方は、おやつを買い置きすることも、やめておいた方がいいですね。

(6)カロリーだけでなく「糖質の量」もチェックしましょう。

当院の栄養カウンセリングに通われている患者さんに、

「洋菓子よりも和菓子の方がカロリー低いから、カラダに良いんでしょ?」

ということをよく質問されます。

カロリーを気にする事ももちろん大切ですが、血糖値を上げる原因である「糖質(=炭水化物)」が少ない方が、血糖値の上がり下がりに影響しない良い間食だと言えます。

例えば「糖質」という観点からおもなお菓子の原材料をみてみると、

<どら焼き>
 ・皮…小麦粉と砂糖
 ・あんこ…小豆と大量の砂糖
<大福>
 ・皮…もち米と砂糖
 ・あんこ…小豆と大量の砂糖
<おせんべい>
 ・うるち米 
<クッキー・マドレーヌ>
 ・小麦粉と砂糖
<ポテトチップス>
 ・じゃがいも

これらの原材料はすべて血糖値上昇の原因となる糖質で出来ています。

カロリー表示だけでなく、「これは何で出来ているのかな?」という視点を持つことも大切です。

①「低GI食品」を選ぼう
「GI」とはグリセミック・インデックスの略で、その食品が体内で糖に変わり血糖値が上昇するまでの速さを計った値です

糖質の量や消化のスピードで決まります。

つまり、GI値が低ければ低い食品ほど、糖に変わるスピードが遅く、体内にゆっくり吸収されるため、血糖値の上昇がゆるやかで腹持ちがいい食品だといえます。

間食を摂る際には下記の表を参考に、GI値の低い種類のものから選んでみましょう♪

出典:大塚製薬HP
https://www.otsuka.co.jp/index.php

出典:糖尿病ネットワーク
http://www.dm-net.co.jp/calendar/2008/006887.php

②今話題の「ロカボ」って?

ロカボとは、低糖質(Low carbo hydrate)の略語です。

ロカボは、お米や麺類を一切食べないというような極端な糖質制限をするのではなく、ゆるやかな糖質制限でバランスの良い食事にしよう、という考えのことです。

ロカボでは、1日に食事から摂る糖質量を130g以内にします。

朝・昼・夕の食事でそれぞれ20~40gずつ、そして間食で10gまでの糖質ならOK。

糖質を完全にカットするわけではなく、普段の生活に必要な糖分はきちんととるというやり方です。

糖質に量に気をつけさえすれば…直接血糖値を上げないタンパク質や脂質は適度に食べても大丈夫。

間食をどうしても食べたい人でも続けやすいのが利点です。

③グルテンフリーについて
最近健康志向な方の間で話題の「グルテンフリー」をご存じですか?

最近では、セルビアの男子プロテニスプレイヤーである、ノバク・ジョコビッチ選手がグルテンフリーの食事法を実践し、飛躍的に成績が上がったことを書いた本を出版したことから、話題の健康法として注目を集めています。

グルテンとは、小麦粉に含まれる粘り気のあるたんぱく質のことです。

小麦粉はこのグルテンを含む量によって、種類が区別され、使われる料理が違います。

グルテン量が多いのが強力粉、少ないものが薄力粉、その間が中力粉です。

グルテンには腸内の悪玉菌を増やす作用があり、消化不良や栄養の吸収阻害、便秘、下痢、むくみなどの不調につながるといわれています。

また、グルテンアレルギーやセリアック病など、グルテンの分解酵素を持っていないタイプの方は、吐き気や腹痛、湿疹などのアレルギー反応を引き起こすこともあります。

また、グルテンを多く含む小麦には「アミロペクチンA」という血糖値を上昇させる成分が含まれているため、小麦を多く摂取していると糖尿病になりやすいといわれています。

さらにグルテンには中毒性があるため、食欲が抑えづらくなるという作用もあります。

最近よく耳にする「グルテンフリー」とは、グルテンを含む食品(パン、パスタ、うどん、ラーメン等)をとらない食事療法のことです。

グルテンアレルギーやセリアック病の方には効果的で、カルシウムなどミネラルの吸収がよくなったり、免疫力のアップ、大腸がんの予防などが期待できるといわれています。

また、美容と健康を意識する方には、腸内環境を整える、美肌、ダイエットのサポートにもなるともいわれ人気が高いようです。

グルテンフリーは、グルテン不耐性の人だけでなく糖尿病患者や糖尿病予備群の方にもお勧めの食事法でもあります。

パンが大好き!という糖尿病患者さんも、何回かに1度はグルテンの入っていない「米粉パン」などを選んでみてはいかがでしょうか?

もちろん食べる順番は、野菜やたんぱく質から食べること、忘れないでくださいね!

(7)甘いものは組み合わせを考えよう

これまでお話ししましたように、お菓子類は糖質が多く、カロリーも高く、ついつい食べ過ぎてしまうのが問題です。

でも、先ほど2章の(2)で述べた「+たんぱく質」を意識した場合、

・クッキーが食べたい時は、2~3枚のところを1枚に減らして代わりにチーズやたまごを足す。

・豆乳・カフェラテと一緒に食べる。

などの工夫をすれば、血糖値の上昇を緩やかにし、満足感と栄養どちらも取れることになります。

単品で200kcalを目指すのではなく、「栄養を摂っているんだな」と思えるようなものを1品足して組み合わせてみましょう。

(くれぐれもクッキー2・3枚食べたうえでさらに足すことのないように!)

☆プラス1品におすすめの間食
・4個入りのヨーグルト
・チーズ
・ミニトマト
・フルーツ
・ビターチョコレート
・あたりめ

など

(8)ながら食べしていませんか?満足の秘訣は「集中食べ」!

間食を食べる時は、テレビを見ながら・何かをしながらの「ながら食べ」ではなく、食べる以外のことはしないようにしましょう。

なぜなら、目の前の食べ物に集中するほど、満足感を得やすくなるからです。

また、間食を食べる時は、

「これは私が今本当に食べたいものなのかな?」

と、胸に手を当てていったん考えてみましょう。

そこにあるから食べていないか。習慣だから食べていないかどうか…。

食べ過ぎ防止策としては、間食前に温かいお茶やコーヒーをゆっくり1杯飲むのも効果的です。

おいしいお茶をゆっくり飲む時間をとれば、ダラダラと食べ続けるよりも少しだけ自分を大切にしてあげている感じがしませんか?

3.間食を食べ過ぎると、こんな病気になる可能性も・・・

「間食」と聞いて思いつくのはどんな食べ物でしょうか?

チョコレートやクッキー、ケーキ、和菓子やスナック菓子などなど…

これらのものは、ご存じのとおり砂糖や脂質をたっぷりと含んでいて高カロリーです。

甘さを感じる糖質は体内に入って、最終的に小腸で吸収されます。そして、肝臓から血液中に流れ身体を動かすエネルギーとなります。

この時使われなかった糖質はグリコーゲンとして内臓や筋肉に蓄えられるのですが、この蓄積量が過剰になる事で肥満へと繋がってしまうのです。

また、血液中のブドウ糖濃度を表す血糖値が急激に上昇すると、血糖値を下げようとインスリンが大量に分泌されます。

インスリンは脂肪を溜め込む性質があり、肥満の元になる事があります

肥満はなぜよくないか。それは見た目だけでなく、肥満から以下のような様々な病気に繋がってしまう可能性があるからなのです。

①脂質異常症
脂質異常症とは、血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質が、一定の基準よりも多い状態のことをいいます。

血液中に余分な脂質が多くなると動脈硬化を起こしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなります。

血管に強い圧力がかかっている高血圧の人が脂質異常症をともなうと、血管壁が傷つきやすいため動脈硬化がさらに進行するリスクがあります。

また、インスリンが不足すると中性脂肪が体内で利用されにくくなり、血中に中性脂肪が増えてしまいます。

そのため糖尿病の人は脂質異常症を伴いやすく、動脈硬化を進行させるリスクが高まります。

②脂肪肝
脂肪肝とは、中性脂肪が肝臓に蓄積する病気です。(俗にいう「フォアグラ」状態です)

食事で摂った糖質や脂質は、分解されて小腸から吸収された後、肝臓で中性脂肪に変化します。

摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスが取れていればよいのですが、脂質や糖質を摂り過ぎていてさらに運動不足の場合には、使いきれなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪として肝臓に蓄えられます

お酒の飲み過ぎが肝臓に悪いことは一般的に知られていますが、実は日本人の脂肪肝の原因で多いのは飲み過ぎではなく、「食べ過ぎ」によるものです。

これを非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)と呼びます。

NAFLDには、症状が軽く改善しやすい単純性脂肪肝(NAFL)と重症タイプの非アルコール性脂肪肝炎(NASH)の2種類があります。

NASHは放置すると肝硬変、肝細胞がんへと進行することが知られています。

また、NAFLもNASHに進行することがあります。

脂肪肝の人が全て重症化するわけではありませんが、早期に発見して、原因となる生活習慣や肥満を改善することが重要です。

4.糖尿病の方の間食、素朴なギモン

(1)チョコレートは体にいいって本当?

最近、テレビなどでもチョコレートが健康に良いと話題ですよね。

当院の栄養カウンセリングにお越しいただいている患者さんも、みなさん良く召し上がっています!

健康に良いとされるハイカカオチョコレートはどのように良いのかお話します。

ハイカカオチョコレートとは、カカオの含有量70%以上のチョコレートのことです。

「ポリフェノール」という成分を聞いたことがある人も多いかと思いますが、赤ワインやカカオに多く含まれていて強い抗酸化作用があり、老化や生活習慣病の原因と言われる活性酸素を取り除いてくれる働きがあります。

このポリフェノールの一種である「フラボノイド」が、動脈硬化などの糖尿病合併症の予防につながるとされているのです。

ただし、ハイカカオだから大丈夫!とチョコレートを食べすぎるのは問題ですので、食べる量は3かけ程度の適量にしましょう。

最近は糖類ゼロのチョコレートも出ていますのでぜひ探してみてくださいね。

しかしながら、「ハイカカオは苦手だからミルクチョコレートで・・・」となると話は変わってきます。ミルクチョコレートのパッケージの裏側を見てみると、原材料名の一番初めに「砂糖」と書いてあります。

原材料名は含まれている量が多い順に書かれているので、実はみなさんが食べているミルクチョコレートは、「チョコレートの味をした砂糖」なのです。

チョコレートを選ぶ時は裏側を見ていただき、原材料名の一番最初が「カカオマス」など、砂糖でないものを選ぶようにしましょう!

また、チョコレートからだけでなく、抗酸化作用のあるポリフェノールはごぼう、なす、ほうれん草などのアクのある野菜にも多く含まれていますし、かぼちゃ、ニンジン、ピーマンなどの緑黄食野菜にも抗酸化作用があります。

チョコレートだけでなく、野菜もバランスよく取り入れて、動脈硬化を予防しましょう♪♪

(2)もしも食べ過ぎてしまった時の対処法は?

付き合い等で止むを得なく間食や外食を多く食べてしまったときは・・・

・前後の食事回数・間隔は変えずに、食事量を1~2割減らす。
(1食抜くなど極端に減らすことはしない)

・食べた後2~3日は間食を控える。(または果物・牛乳のみに)

・魚・豆腐・野菜中心のメニューに。(油脂控えめ)

等でなるべく早めに食事を元に戻すようにしましょう!

~食べ過ぎた時に積極的に摂りたい栄養素~

◎糖質を摂りすぎた!→ビタミンB1

糖質をエネルギーに変えるための必須ビタミンが、ビタミンB1です。

ご飯や甘い物を食べ過ぎたときに意識して摂りましょう。

ビタミンB1が不足すると、糖質が効率よく燃焼されず、疲れやすく、体脂肪を貯めやすくなります。

●ビタミンB1が多く含まれている食品
→玄米・豚肉・大豆製品・枝豆・青魚等

◎脂っこいもの食べ過ぎた!→ビタミンB2

脂っこいものを食べ過ぎた時は、ビタミンB2を摂ることによって、脂質の代謝を高めてくれます。

体内で脂質の酸化を防いで、悪玉コレステロールを増やさない働きもあります。

●ビタミンB2が多く含まれる食品
→卵・大豆製品・レバー・緑黄色野菜・魚介類(うなぎ・サバ・ぶり)

◎焼肉を食べ過ぎた!→ビタミンB6

ビタミンB6は、たんぱく質を体の構成要素へ換えるときに必要な栄養素です。

不足すると、たんぱく質がうまく機能せず、代謝が落ちる原因になります。

肝臓の働きにも必須なので、お酒の好きな方は不足しないように摂取したい栄養素です。

●ビタミンB6が多く含まれる食品
→魚介類(まぐろ・かつお・いわし・さば)、肉類(レバー・ささみ・鶏ひき肉)、にんにく、ナッツ類

(3)カロリーゼロのお菓子や飲み物なら大丈夫?

「カロリーゼロ」「ノンカロリー」
と表示されていても、実際には少量のエネルギー(100ml中5kcal未満)が含まれています。

カロリーゼロだからと言ってたくさん食べてしまうのは、あまり好ましくありません。

「糖質ゼロ」の場合は、砂糖や甘味料などすべての血糖値上昇の原因が含まれていないので、血糖値の急な上昇を防ぐことができます。

しかし、似た表示になりますが「糖類ゼロ」という商品もあります。

これは砂糖は使用されていませんが、糖質ゼロとは違って人口甘味料が含まれています

人工甘味料のなかでも体内で吸収されずに排出されるタイプと、一部が消化吸収されて血糖値を上げるタイプがあるので、いずれも摂りすぎには注意しましょう。

(4)カンタンに手作りできるおやつはありますか?

【なめらかお豆腐チョコムース】

<材料(6カップ分)>
・木綿豆腐・・・1丁
・ココアパウダー・・・大さじ3
・メープルシロップ・・・大さじ3
(他に、はちみつ・アガベシロップ・てんさい糖シロップなどの低GIの甘味料がおすすめです)

<作り方>
①木綿豆腐は、ざると重石を使ってよく水切りをしておく。
②フードプロセッサーに①とその他の材料を入れ、なめらかになるまでよく混ぜる。
③容器に入れて冷蔵庫で冷やしてできあがり!

お豆腐の臭みはあまりなく、なめらかで濃厚ですよ♪

~まとめ~

いかがでしたか?
糖尿病の方はもともと「甘いものが好き」という方が多いため、おやつを完全に辞めるのはつらいという方もいらっしゃることと思います。

そんな時は、今回ご紹介したポイントを参考にしてみてくださいね。

横浜市南区の呼吸器内科である当院では、糖尿病や生活習慣病の方を対象に、管理栄養士による栄養カウンセリングを行っています。

呼吸器内科を横浜市でお探しなら、当院へお越しください

当院の栄養カウンセリングでは「1日に間食は最大200kcalまでにしましょう」とお伝えしていますが、患者さん一人ひとりに、1日の目標カロリーに応じて間食量の割合もアドバイスしています。

・1日の目標カロリーが解らない
・イベントが続いて食べ過ぎてしまいそう。どうしたらいい?

など、わからないことがあれば、当院の管理栄養士にぜひご相談ください!

●糖尿病の方には、血糖値に影響を与える「間食」は基本的におすすめしません。
●「どうしても食べたい!」という場合は、以下の8つのポイントに気を付けましょう。

①間食に丁度いい量は80~160kcal(最大200kcal)
②間食するなら、たんぱく質を摂る
③洋菓子や和菓子より、たまご・ナッツ・フルーツを選ぶ
④間食は昼食後や運動前の、ゴールデンタイムに
⑤食べ過ぎを防ぐには、最初に量を決めること
⑥カロリーだけでなく糖質の量もチェックする
⑦甘いものは組み合わせを考える
⑧食べる時は「ながら食べ」せず、集中して食べる
●チョコレートは「ミルクチョコレート」ではなく「ハイカカオ」のものを選びましょう。
●間食を食べ過ぎると、糖尿病だけでなく脂質異常症や脂肪肝などになる恐れがあります。
●糖質を摂り過ぎた時は、ビタミンB1の豊富な食品を食べましょう。
●脂っこいものを食べ過ぎた時は、ビタミンB2の豊富な食品を食べましょう。
●焼肉を食べ過ぎた時は、ビタミンB6の豊富な食品を食べましょう。

監修者プロフィール

三島 渉 (医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/内科学会認定医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

平成9年横浜市立大学医学部卒業。呼吸器内科専門医として活躍する一方、現代医学の限界を痛感。医学研究による解決を目指し、横浜市立大学大学院入学。分子細胞生物学を専門として、がん転移に関連する細胞機能の研究を行い、平成17年医学博士取得。

その後再び臨床の現場に戻るも、症状がひどくなってからでないと来院してもらえない医療の世界の構造的な問題を認識。

「症状がまだ軽いうちに気軽にかかってもらえるクリニックをつくろう」と決意し、平成19年横浜市南区に呼吸器内科専門の「上六ツ川内科クリニック」を開院。病気が進行すると改善が難しい呼吸疾患の早期発見・早期治療の重要性を伝えている。

現在、毎月500人以上の喘息患者と100名以上のCOPD患者を診療。禁煙治療にも力を注ぎ、呼吸器疾患で苦しむ人のいない社会の実現を目指している。年間約100名の禁煙指導を行い、84.6%の禁煙成功率を達成している。

電話番号のご案内 電話番号のご案内
当院の診察は完全予約制です
当院の診察は完全予約制です
アクセス
予防接種予約
WEB予約
よくある質問集
医師募集
スタッフ募集
治験に関するお問い合わせはこちら
糖尿病教室
当院の診察は完全予約制です
アクセス

記事のカテゴリー

横浜市南区六ツ川1-81 FHCビル2階