COPDの治療薬「オンブレス」とは?効果と注意点を解説

オンブレスは、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療に用いる吸入薬です。
気管支を広げて、COPDの症状である咳や息苦しさを改善します。
COPDは、肺に炎症が起こって硬くなる病気ですが、進行すると肺だけではなく、全身に悪影響を与えるため、早めに治療を始めることが重要です。
また、治療を継続することで、呼吸のしづらさなどの症状を和らげることができます。
この記事では、オンブレスの効果や副作用、服用方法などを解説します。
これからオンブレスを使う方も、使っているうちに疑問点が出てきた方も、ぜひ参考にしてください。
1.オンブレスとはどのような薬か
オンブレスは、インダカテロールという成分を配合したCOPDの治療薬です。
1日1回の吸入で、24時間効果が持続します。
【参考情報】『Indacaterol (Inhalation Route)』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/drugs-supplements/indacaterol-inhalation-route/description/drg-20075006
オンブレスに含まれるインダカテロールは、長時間作用型のβ2(ベータツー)刺激薬です。
この成分は、気管支にあるβ2受容体というスイッチのようなものを刺激することで、交感神経を活性化して気管支を拡げ、咳や息苦しさを和らげます。
【参考情報】『Beta-agonist』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/treatments/24851-beta-agonist
オンブレスは、COPDの症状を和らげるほか、継続的に吸入することで、COPDの悪化を予防する可能性もあります。
さらに吸入後5分程度で効果が現れる「即効性」と、24時間持続する「長時間作用性」の両方をあわせ持つ点が特徴です。
このため、日中の動作時だけでなく、夜間や早朝の息苦しさの軽減にも役立つと報告されています。
2.オンブレスの使い方
オンブレスは、毎日決まった時間に吸入します。
基本的に成人のみが服用し、1日1回、1カプセル分を、「ブリーズヘラー」という専用の器具を使って吸入します。
<使用方法>
① ブリーズヘラーのキャップを外し、吸入口を斜めに倒す
② アルミシートからカプセルを1つ取り出す
③ 吸入口を開けた中にカプセルを入れ、吸入口を「カチッ」と音が鳴るまで閉じる
④ 持ち手部分の両側にある青いボタンをしっかり最後まで押す
⑤ ゆっくりと息を吐き出す
⑥ ブリーズヘラーを床と平行に持ち、吸入口をくわえて一気に息を吸い込む
⑦ 吸入後は口を閉じて、5秒程度息を止める
⑧ 喉を洗うように、ガラガラとうがいをする
⑨ 吸入口を開け、空になったカプセルを捨てる
オンブレスの粉には乳糖が配合されているため、吸入後には甘みを感じるでしょう。
吸入中に、カプセル内の薬の粉がちゃんと吸えているか不安になるかもしれません。
そんな時は、以下の2点ができていればしっかりと吸えているのでご確認ください。
<ポイント>
・容器の吸入口をくわえて一気に息を吸い込んだときに、薬の入ったカプセルが震えて「カラカラ」と音がする
・吸入後、薬の入ったカプセルが空になっている(カプセルは透明なので確認しやすいです)
オンブレスは「症状が出たときに使う薬」ではなく、「毎日続けて使うことで呼吸を楽に保つ薬」です。
症状が軽い日でも自己判断で中止せず、医師の指示どおり継続することが大切です。
3.オンブレスの副作用
オンブレスの副作用には、次のようなものがあります。
・咳
・頻脈や動悸
・手のふるえ
・頭痛
・吐き気や嘔吐
β2刺激薬は、気管支だけでなく心臓や筋肉にも作用するため、動悸や手のふるえが出ることがあります。
これらは多くの場合軽度ですが、症状が続く場合は早めに医師へ相談してください。
また、めったにありませんが、血清カリウム値が低下することもあります。
手足のだるさや脱力感、筋力の低下、息苦しさを感じた場合には、すみやかに医師に相談しましょう。
ここで紹介した副作用は、オンブレスを多く吸入してしまうことで起こりやすくなります。
「効果が感じられない」「早くよくなりたい」からといって、何度も吸入することはせず、必ず指示された服用回数を守ってください。
【参考情報】『重篤副作用疾患別対応マニュアル|低カリウム血症 p5』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000209227.pdf
4.使用上の注意点
妊娠している可能性がある方や、妊娠・授乳中の方は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
治療上の有益性が危険性を上回る場合に、オンブレスを使用する場合があります。
【参考情報】『妊婦の薬物服用』日本産婦人科医会
https://www.jaog.or.jp/sep2012/JAPANESE/jigyo/SENTEN/kouhou/kusuri.htm
オンブレスは、他の薬と併用することで副作用が起こりやすくなる可能性があります。
現在、治療中の疾患や服用中の薬がある人は、医師に相談しましょう。
オンブレスはカプセル状になっていますが、飲み薬ではありません。
子どもや他の人が誤って飲んでしまうことがないよう、保管場所に気をつけてください。
吸入器具のブリーズヘラーは水で洗わないでください。
汚れが気になるようならティッシュや乾いた布で拭き取り、30日間を目安に交換することをおすすめします。
5.オンブレスの薬価
オンブレスの薬価(2026年1月時点)は以下となります。
・1カプセルあたり 125.4円
オンブレスのジェネリック医薬品や、代わりに使える市販薬はありません。
COPD治療では、薬の種類だけでなく「吸入を正しく続けられるか」も治療効果に大きく影響します。
治療中の方は、通院を中断しないようにして、医師から適した薬の処方を受けてください。
また費用や使いづらさを感じた場合も、自己判断で中止せず、医師に相談することが重要です。
6.よくある質問(FAQ)
Q1.オンブレスはいつまで使い続ける薬ですか?
A.COPDは慢性的に進行する病気のため、オンブレスは症状を安定させる目的で長期間使用することが一般的です。症状が落ち着いていても、自己判断で中止せず、医師と相談しながら治療を続けることが大切です。
Q2.オンブレスは息苦しいときに使う薬ですか?
A.いいえ。オンブレスは毎日続けて吸入することで効果を発揮する薬です。急な息苦しさが出たときに使う薬ではありませんので、医師の指示どおり定期的に使用しましょう。
Q3.オンブレスを吸い忘れた場合はどうすればいいですか?
A. オンブレスの吸入を忘れてしまった場合は、その日はそのまま吸入はお休みしてください。オンブレスは効果が長時間続くため、短い間隔で吸入してしまうと副作用が出やすくなります。次の日から通常通りに吸入を再開しましょう。
Q4.オンブレスを使うと癖になったり、やめられなくなりますか?
A.オンブレスに依存性はありません。長く使い続ける必要があるのは、薬の問題ではなく、COPDという病気の性質によるものです。不安がある場合は、医師に相談してください。
Q5.オンブレスは喘息にも使えますか?
A. いいえ。オンブレスはCOPDの治療薬であり、喘息の治療薬ではありません。喘息のある方が自己判断で使用すると症状が悪化するおそれがあるため、必ず医師の診断を受けてください。
7.おわりに
オンブレスは、COPDによる息苦しさを和らげるために使われる吸入薬です。
1日1回の吸入で効果が長く続くため、毎日決まった時間に使用することがポイントです。
COPDの症状を和らげながら快適に生活していくには、治療を無理なく続けていくことが重要です。
使い方や副作用に不安を感じたときや、効果を実感しにくい場合は、我慢せず医師や薬剤師に相談しながら体調を管理していきましょう。











