喘息治療に用いるステロイド薬「プレドニゾロン」の特徴と効果、副作用
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プレドニゾロン錠は、吸入薬だけでは症状を十分にコントロールできない場合に用いられる経口ステロイド薬です。
気道の炎症を強力に抑える効果がある一方で、服用方法や副作用について不安を感じる方も少なくありません。
この記事では、プレドニゾロン錠がどのような薬なのか、喘息ではどのような場面で使用されるのかをはじめ、正しい飲み方や副作用、使用時の注意点についてわかりやすく解説します。
1. プレドニゾロン錠とはどのような薬か
まずは、プレドニゾロン錠の特徴についてわかりやすく解説します。
1-1. プレドニゾロン錠の特徴
プレドニゾロン錠は、有効成分「プレドニゾロン」を含む経口ステロイド薬です。
体内で起こる炎症やアレルギー反応を強力に抑える作用があり、喘息をはじめ、関節リウマチや膠原病、アレルギー疾患など、さまざまな病気の治療に用いられています。
喘息では、発作が起こったときや、吸入薬だけでは症状を十分にコントロールできない重症喘息で使用されることがあります。
1-2. 吸入ステロイド薬との違い
プレドニゾロン錠と吸入ステロイド薬は、どちらもステロイド薬ですが、作用する場所や副作用の起こりやすさが異なります。
吸入ステロイド薬は、薬を直接気道に届けることで炎症を抑える薬です。全身への吸収は少ないため、副作用のリスクを抑えながら長期間使用できます。
そのため、喘息治療では毎日の基本治療として広く用いられています。
一方、プレドニゾロン錠は、服用すると血液を通じて全身に運ばれるため、気道だけでなく全身に作用します。
強い炎症を抑える効果がある反面、長期間服用すると副作用が現れることがあります。
このため、プレドニゾロン錠は吸入ステロイド薬の代わりに使う薬ではなく、喘息発作時や重症喘息など、必要な場面で補助的に使用する薬と考えるとよいでしょう。
【参考情報】『Prednisolone (Oral Route)』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/drugs-supplements/prednisolone-oral-route/description/drg-20075189
2. プレドニゾロン錠の飲み方
プレドニゾロン錠は、高い効果を発揮する一方で、決められた方法で服用することが重要な薬です。
2-1. プレドニゾロン錠の用法・用量
プレドニゾロン錠の用法・用量は、病気の種類や症状の程度、年齢などによって異なります。
成人では、一般的に1日5~60mgを服用しますが、喘息では発作の重症度や治療目的に応じて、医師が服用量や服用期間を決定します。喘息発作では、数日間の短期間だけ服用することが一般的です。
プレドニゾロン錠には1mg、2.5mg、5mgの規格があり、患者さんの状態に合わせて適切な用量が処方されます。
2-2. 朝に服用することが多い理由
プレドニゾロン錠は、朝食後に服用するよう指示されることが多い薬です。
朝に服用する理由は、体内で分泌される副腎皮質ホルモン(コルチゾール)の自然な分泌リズムに合わせることで、副腎機能への影響をできるだけ抑えるためです。
また、夜に服用すると、人によっては不眠などの副作用が現れやすくなることがあります。
さらに、食後に服用することで、胃への刺激を和らげる効果も期待できます。
ただし、病気や治療内容によっては服用時間が異なる場合があります。自己判断で服用時間を変更せず、医師や薬剤師の指示に従って服用しましょう。
2-3. 飲み忘れたときの対応
プレドニゾロン錠を飲み忘れたことに気付いた場合は、気付いた時点でできるだけ早く1回分を服用してください。
ただし、次の服用時間が近い場合は、飲み忘れた分は服用せず、次の時間に通常どおり1回分だけ服用します。
2回分をまとめて服用してはいけません。医師が指示した服用方法とは異なり、副作用のリスクが高まる可能性があります。
飲み忘れが続くと十分な治療効果が得られず、喘息の症状が改善しにくくなることがあります。
毎日決まった時間に服用する習慣をつけ、服用方法について不安がある場合は、自己判断せず医師や薬剤師に相談しましょう。
【参考情報】『お薬を飲み忘れた場合はどうすればいいですか?』兵庫県薬剤師会
https://www.hps.or.jp/faq/detail/?id=7
3. プレドニゾロン錠の副作用
プレドニゾロン錠は、気道の炎症を強力に抑える効果がある一方で、全身に作用するため、さまざまな副作用が現れることがあります。
3-1. 短期間でも起こることがある副作用
プレドニゾロン錠を短期間服用した場合、次のような副作用が現れることがあります。
<食欲増加>
ステロイド薬の影響で食欲が増し、普段より食事量が増えることがあります。短期間の服用で大きな体重増加につながることは多くありませんが、食べ過ぎには注意しましょう。
<胃の不快感>
胃の不快感や胃痛、胸やけなどの症状が現れることがあります。胃潰瘍のリスクが高い方や、鎮痛薬(NSAIDs)を併用している方では、胃薬が処方されることもあります。
<不眠>
ステロイド薬の影響により、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりすることがあります。そのため、朝に服用するよう指示されることが一般的です。
<気分の変化>
気分が高揚したり、落ち着かなくなったり、反対に気分が落ち込んだりすることがあります。このような症状が強い場合は、早めに医師へ相談しましょう。
<血糖値の上昇>
プレドニゾロン錠は血糖値を上昇させることがあります。特に、糖尿病のある方では血糖コントロールが悪化することがあるため、必要に応じて血糖値を確認しながら治療を行います。
3-2. 長期間の服用で注意したい副作用
プレドニゾロン錠を長期間服用すると、副作用が現れるリスクが高くなります。そのため、医師は必要最小限の用量・期間で使用し、定期的に体の状態を確認しながら治療を進めます。
<骨粗しょう症>
ステロイド薬は骨がもろくなる原因となることがあります。長期間服用する場合は、骨密度検査を行ったり、必要に応じて骨粗しょう症の予防薬を使用したりすることがあります。
<高血圧・糖尿病・脂質異常症>
長期間の服用では、血圧や血糖値が上昇したり、コレステロールや中性脂肪などの脂質が高くなったりすることがあります。
そのため、定期的な血液検査や血圧測定を行いながら治療を続けます。
<胃潰瘍>
長期間服用すると、胃潰瘍や十二指腸潰瘍を起こすことがあります。
特に、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)を併用している場合は、リスクが高くなるため注意が必要です。
<感染症>
プレドニゾロン錠には免疫の働きを抑える作用があるため、細菌やウイルス、真菌などによる感染症にかかりやすくなることがあります。
発熱や強いのどの痛み、長引く咳などの症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
<白内障・緑内障>
長期間服用すると、白内障や緑内障を発症することがあります。目のかすみや見えにくさ、目の痛みなどが続く場合は、眼科を受診してください。
<ムーンフェイス(満月様顔貌)>
顔が丸くふくらんだように見える「ムーンフェイス」が現れることがあります。これはステロイド薬の代表的な副作用の一つですが、多くは薬の減量や中止に伴って徐々に改善します。
【参考情報】『ステロイド剤はこわい?』全日本民医連
https://www.min-iren.gr.jp/?p=26742
4. 使用するときの注意点
プレドニゾロン錠を安全に使用するためには、服用方法だけでなく、日常生活や他の薬との関係についても理解しておくことが大切です。
4-1. 自己判断で急に中止しない
プレドニゾロン錠を一定期間以上、あるいは比較的高用量で服用すると、体内で副腎皮質ホルモンを作る働きが一時的に低下することがあります。
この状態で自己判断により急に服用を中止すると、体内のホルモンが不足し、副腎不全を起こすおそれがあります。
また、発熱や倦怠感、食欲不振、筋肉痛、関節痛などの離脱症状が現れることもあります。
そのため、プレドニゾロン錠を中止する際は、医師の指示に従って少しずつ服用量を減らしていくことが重要です。
症状が改善したと感じても、自己判断で減量や中止をせず、必ず医師の指示に従いましょう。
4-2. 感染症に注意する
プレドニゾロン錠には免疫の働きを抑える作用があるため、細菌やウイルス、真菌(カビ)などによる感染症にかかりやすくなることがあります。
服用中に発熱や強いのどの痛み、長引く咳などの症状が現れた場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
また、水痘(水ぼうそう)や麻疹(はしか)にかかったことがなく、予防接種も受けていない方は、重症化するおそれがあるため、事前に医師へ伝えておくことが大切です。
万が一、これらの感染症にかかった人と接触した可能性がある場合も、速やかに医師へ相談してください。
感染症が流行している時期は、手洗いや手指消毒、人混みでのマスク着用など、基本的な感染対策を心掛けましょう。
4-3. ワクチン接種について
プレドニゾロン錠を服用している間は、ワクチン接種に注意が必要です。
特に、高用量のプレドニゾロンを服用している場合は、生ワクチンを接種できないことがあります。生ワクチンには、麻疹・風疹(MR)ワクチンや水痘ワクチンなどがあります。
一方、不活化ワクチンは一般的に接種できますが、病状や服用量によっては接種時期を調整したり、期待される効果が十分に得られなかったりすることがあります。
ワクチン接種を予定している場合は、自己判断せず、事前に主治医へ相談してください。
【参考情報】『生ワクチンと不活化ワクチン』ワクチン.net(田辺ファーマ)
https://www.wakuchin.net/about/type.html
4-4. 他の薬との飲み合わせ
プレドニゾロン錠は、他の薬と飲み合わせに注意が必要な場合があります。
例えば、ロキソプロフェンやイブプロフェンなどのNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)と併用すると、胃潰瘍や消化管出血のリスクが高くなることがあります。
また、プレドニゾロン錠は血糖値を上昇させることがあるため、糖尿病のある方では血糖コントロールが変化し、糖尿病治療薬の量を調整する必要が生じることもあります。
このほかにも、プレドニゾロン錠はさまざまな薬と相互作用を起こす可能性があります。市販薬やサプリメントを含め、新たに薬を使用する際は、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
4-5. 妊娠・授乳中の使用
プレドニゾロンは、妊娠中でも治療上の必要性が高いと判断された場合には使用されることがあります。
一方で、自己判断で服用を中止すると喘息のコントロールが悪化し、母体だけでなく胎児にも悪影響を及ぼすおそれがあります。
また、プレドニゾロンは授乳中にも使用されることがありますが、服用量や病状によって対応が異なるため、必ず医師の指示に従って使用しましょう。
妊娠中や授乳中であっても、喘息を良好にコントロールすることは母体と赤ちゃんの健康のために重要です。
治療を続けるかどうかは、喘息の状態や妊娠週数、服用量などを考慮して医師が判断するため、不安がある場合は早めに相談しましょう。
【参考情報】
『Asthma During Pregnancy』Asthma and Allergy Foundation of America
https://www.aafa.org/asthma-during-pregnancy/
5. プレドニゾロン錠の薬価
プレドニゾロン錠の薬価(2026年7月調べ)は、以下のとおりです。
・プレドニゾロン錠1mg:8.30円/錠
・プレドニゾロン錠2.5mg:9.80円/錠
・プレドニゾロン錠5mg:9.80円/錠
※薬価は診療報酬改定などにより変更されることがあります。
プレドニゾロン錠には、先発医薬品であるプレドニン錠のほか、複数の製薬会社からジェネリック医薬品(後発医薬品)が販売されています。
ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同じ有効成分を含み、有効性や安全性が同等であることが確認された薬です。
また、プレドニゾロン錠の代わりとなる市販薬はありません。プレドニゾロンは医師の診察と処方が必要な医療用医薬品であり、自己判断で購入することはできません。
喘息の症状が悪化した場合でも、市販薬で代用するのではなく、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが大切です。
6.おわりに
ステロイドの飲み薬は、プレドニゾロン錠以外に、メドロール錠やリンデロン錠などがあります。
経口ステロイド薬は、効果と副作用のバランスを取りながら、厳密に量を調節していく必要があります。使用の際には、喘息治療の実績が豊富な専門医の判断に従いましょう。







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