糖尿病になりやすい人の特徴と予防法

糖尿病患者は、予備軍を含めると6人に1人の割合となります。日本人は糖尿病になりやすい体質だといわれ、やせている人でも糖尿病になることがあるので注意が必要です。
この記事では、糖尿病になりやすい生活習慣のチェックリストと予防法を紹介します。あなたや家族のリスクを確かめ、健康な毎日を送るためにぜひ役立ててください。
目次
1.糖尿病とはどんな病気か
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。血糖値は、食事で摂取した糖をエネルギーとして利用する過程で調整されていますが、この調整がうまく働かなくなることで発症します。
血糖を細胞に取り込むためには、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンが必要です。糖尿病では、インスリンが十分に分泌されない、あるいは分泌されていても体がうまく反応しないため、血糖が細胞に取り込まれず、血液中に余った状態が続きます。
【参考情報】『Insulin』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/body/22601-insulin
血糖値が高い状態が続いても、初期には自覚症状がほとんどないことも多いのですが、進行すると喉が渇きやすくなる、多尿、体重減少、疲れやすさなどの症状が現れることがあります。
さらに、長期間にわたり高血糖が続くと、血管や神経が障害され、目(網膜症)、腎臓(腎症)、神経(神経障害)などに合併症を引き起こす原因となります。
2.糖尿病になりやすい人の特徴
糖尿病には、免疫の異常が原因の1型と、食事や生活習慣の影響が大きい2型があり、日本人の糖尿病患者の95%以上は2型といわれています。
1型糖尿病を予防することはできませんが、2型糖尿病は毎日の生活を見直し、食事や習慣を改善することで予防できます。
以下の項目にあてはまる点が多い人ほど、2型糖尿病になりやすい危険が高くなるので、チェックしてみてください。
□ お菓子やジュースなど甘いものが好き
□ 脂っこいものが好き
□ 野菜はあまり食べない
□ 太っている
□ お酒をたくさん飲む
□ タバコがやめられない
□ 運動不足
□ 睡眠不足
□ ストレスを抱えている
□ 親や兄弟姉妹に糖尿病の人がいる
【参考情報】『Diabetes』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/diabetes/symptoms-causes/syc-20371444
3.糖尿病を予防する毎日の習慣
血糖値の値は「何を」「いつ」「どのくらい」「どのように」食べるかによって変わってきます。また、運動や飲酒などの習慣にも影響を受けます。
3-1.食事~食材選びと摂り方のコツ
糖尿病が心配な人が食べてはいけないものはありませんが、積極的に摂りたいものと、控えた方がいいものはあります。
意識して摂りたいのは、野菜や海藻、キノコ類など食物繊維の豊富な食材です。逆に、甘いものや主食などの糖質、揚げ物など脂肪の多い高カロリーの食品はほどほどにしましょう。
食事時間が不規則だったり、食事を抜いたりすると、血糖値をコントロールするホルモンであるインスリンの働きが悪くなります。1日3食、なるべく規則正しい食事を心がけ、朝食は必ず食べましょう。
また、体にいいとされるものでも食べ過ぎないことが大切です。健康な食事の基本は、自分にとって必要なエネルギーを摂ることと、糖質・たんぱく質・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素をバランスよく摂ることです。
食べる順番も大切です。最初に野菜を食べ、後から主食を食べると、野菜に含まれる食物繊維の作用で、主食に含まれる糖質がゆっくりと吸収されます。また、よく噛んで食べることで、食べ過ぎを防ぐことができます。
【参考記事】『Simple Steps to Preventing Diabetes』Harvard T.H. Chan School of Public Health
https://www.hsph.harvard.edu/nutritionsource/disease-prevention/diabetes-prevention/preventing-diabetes-full-story/
3-2.運動~食後のウォーキングがおすすめ
運動すると、体内のエネルギーを消費して肥満を防ぐことができますし、インスリンの働きが良くなるので、血糖値が下がりやすくなります。
とはいえ、運動の習慣がない人が、いきなり激しいトレーニングをする必要はありません。大切なのは、なるべく毎日コツコツ続けることです。
そのためには、ウォーキングのような「いつでも」「簡単に」できる運動がおすすめです。食後に軽いウォーキングを10~30分、少なくとも週3日を目標に続けてみましょう。
余裕があれば、ウォーキングにスクワットのような軽い筋トレをプラスするのもいいです。
【参考記事】『レジスタンス運動』健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/dictionary/exercise/ys-058
運動する時間がとれない人は、エスカレーターのかわりに階段を使うなど、日常生活の中で体を動かす時間を増やす習慣を身につけましょう。
特に、デスクワークなどで座っている時間が長い人は、時々立ち上がってストレッチをするなど、意識して体を動かしてください。
ただし、既に糖尿病と診断された人は、運動によって低血糖を起こす危険があるため、医師に相談してから運動を始めてください。
3-3.ストレス~血糖値が上がる意外な原因
ストレスがかかると、コルチゾールやアドレナリンなど血糖値を上げる作用のあるホルモンが分泌されます。また、ストレス解消のため、食べ過ぎ・飲み過ぎになってしまうと、さらに血糖値が上がる恐れがあります。
心身の疲れを感じたら、疲れがひどくならないうちに休養をとり、回復に努めましょう。適度な運動や好きな趣味を楽しみ、リラックスするのもいいでしょう。
ストレスをゼロにすることは難しいと思いますが、自分に合った方法でやわらげ、なるべくストレスを貯めないようにすることが大切です。
3-4.睡眠不足
睡眠不足も、血糖値を上げやすくする要因の一つです。十分な睡眠が取れていない状態では、体の代謝やホルモンバランスが乱れ、血糖の調整がうまく働きにくくなります。
睡眠時間が短いと、血糖を下げる働きをもつインスリンに体が反応しにくくなり、同じ量のインスリンが分泌されていても血糖値が下がりにくくなります。
また、睡眠不足はストレス状態と似た反応を引き起こし、血糖値を上げる作用のあるコルチゾールなどのホルモンが増えることも知られています。
さらに、睡眠が不足すると食欲を調整するホルモンのバランスが崩れ、甘いものや高カロリー食品が食べたくなるので、食事量や間食が増え、血糖値が上昇しやすくなることもあります。
3-5.飲酒~太りにくいおつまみを選ぶ
アルコールそのものは、血糖値を直接上げる作用は強くありませんが、飲み方や体の反応によって血糖値が上昇しやすくなることがあります。
ビールや日本酒、ワイン、カクテルなど多くの酒類には糖質が含まれており、飲酒によって糖質を摂取すると血糖値が上がります。特に甘いカクテルや果実酒は、短時間で血糖値を上昇させやすい傾向があります。
また、お酒を飲むと食欲が刺激されるので、つまみや食事の量が増えやすくなります。特に、揚げ物や炭水化物を多く含む料理と一緒に摂ることで、血糖値が上がりやすくなります。
さらに、慢性的な飲酒は肝臓の働きに影響を与え、血糖の調整機能を乱すことがあります。肝臓は血糖値を一定に保つ重要な役割を担っていますが、アルコールの代謝が優先されると、血糖のコントロールが不安定になることがあります。
お酒を飲むときは、飲み過ぎないようにして、枝豆や焼き鳥のような高タンパク質・低カロリーのおつまみを選びましょう。
【参考情報】『アルコールと糖尿病』健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/alcohol/a-01-013
3-6.喫煙~禁煙が最良の選択
喫煙により2型糖尿病を発症するリスクが高くなることは、研究の結果わかっています。
【参考情報】『喫煙と糖尿病』健康日本21アクション支援システム(厚生労働省)
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/tobacco/t-03-004
タバコを吸うと、ニコチンが交感神経を刺激して、血糖値を上げる作用のあるホルモンが分泌されます。また、タバコに含まれる有害物質の影響で、インスリンの働きが悪くなります。
タバコは糖尿病のリスクを高めるだけではなく、肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心臓や血管の病気など、さまざまな健康被害をもたらします。喫煙の習慣があるなら、できるだけ早く禁煙することをおすすめします。
当院では禁煙外来を設けています。禁煙にチャレンジしてみたい方は、お気軽にお問い合わせください。
4.おわりに
糖尿病になりにくい体をつくるポイントは以下となります。
・主食を減らして、食物繊維の豊富な野菜や海藻、キノコ類を増やす
・食後のウォーキングや軽い筋トレを続ける
・ストレスはなるべく貯めずに、自分に合った方法でやわらげる
・お酒は飲み過ぎず、高タンパク質・低カロリーのおつまみを選ぶ
・タバコを吸っている人は禁煙する
若いうちから血糖値が上がりにくい生活習慣を身につけ、年をとっても健やかな毎日を送りましょう。










