花粉症治療に用いる抗アレルギー薬「アレジオン」の特徴と効果、副作用

アレジオンは、花粉症や喘息などのアレルギー性疾患の治療に用いる薬です。
飲み薬のほか、点眼液(目薬)、目の周りに塗る眼瞼(がんけん)クリームの3つのタイプがあります。
この記事では、アレジオンの使い方や注意点についてくわしく解説します。
すでに使用している人も、これから使用する予定の人も、ぜひ参考にしてください。
1.アレジオンとはどのような薬か
アレジオンは、有効成分としてエピナスチンを含む抗アレルギー薬です。
アレルギーの原因となるヒスタミンの放出を抑えるほか、ヒスタミンが作用する受容体(H1受容体)をブロックすることでアレルギー症状を和らげます。
アレジオンは、従来の抗ヒスタミン薬と比較して眠気の副作用が少ないことがメリットです。
また、飲み薬の場合は1日1回の服用で効果が持続するという特徴もあります。
抗ヒスタミン薬には「第一世代」と「第二世代」があり、アレジオンは第二世代に分類されます。
第二世代は脳へ移行しにくいため、集中力の低下や強い眠気が出にくいとされています。
仕事や運転を日常的に行う方にとって重要なポイントです。
【参考情報】『一般用医薬品部会・議事録』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000159681.html
アレジオンには、錠剤、点眼液、眼瞼クリームの3種類があります。
また、子ども用ドライシロップもありますが、販売中止となりました。
それぞれの効能効果は、以下の通りです。
<錠剤>
・喘息
・アレルギー性鼻炎(花粉症含む)
・じんましんや湿疹などの皮膚症状
<点眼液、眼瞼クリーム>
・アレルギー性結膜炎
アレジオンには市販の飲み薬もありますが、市販薬はアレルギー性鼻炎にのみ使用できます。
【参考情報】『Epinastine Ophthalmic』MedlinePlus
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a604011.html
花粉症治療では、症状が出る前から薬を開始する「初期療法」が有効とされています。
日本アレルギー学会の診療ガイドラインでは、花粉飛散開始の1~2週間前から抗ヒスタミン薬を開始することで、症状の重症化を抑えられる可能性があると示されています。
【参考情報】『的確な花粉症の治療のために(第2版)』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000077514.pdf
また、花粉症は「くしゃみ・鼻水型」「鼻づまり型」「充全型」に分類されます。
鼻づまりが強い場合は点鼻ステロイド薬の併用が推奨されることもあり、症状タイプに応じた治療選択が重要です。
【参考情報】『アレルギー性鼻炎の特徴について』日本アレルギー学会
https://allergyportal.jp/knowledge/allergic-rhinitis/
2.アレジオンの使い方
アレジオンの服用方法は、効能や効果によって異なります。
また、使用量は年齢や症状に応じて決まるため、必ず医師の指示に従って服用してください。
2-1.錠剤
アレジオン錠10、アレジオン錠20は、水かぬるま湯で服用してください。
服用する時間帯は特に決まっていませんが、毎日同じ時間に服用することで効果が安定します。
飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分のみ服用し、2回分をまとめて飲まないようにしてください。
<アレルギー性鼻炎>
15歳以上の成人が使用できます。
エピナスチンとして10〜20mgを、1日1回服用します。
<喘息およびじんましんなどの皮膚症状>
15歳以上の成人が使用できます。
エピナスチンとして20mgを、1日1回服用します。
アルコールとの併用は、眠気や注意力低下を強める可能性があります。
服用中は飲酒を控えるか、少量にとどめるようにしましょう。
【参考情報】『薬とアルコールの相互作用』北海道薬剤師会
https://www.doyaku.or.jp/guidance/data/H21-1.pdf
2-2.点眼液
点眼液には、濃度が2倍のアレジオンLXもあります。
<アレジオン点眼液0.05%>
片目につき1回1滴を、1日4回(朝・昼・夕・寝る前)に点眼します。
<アレジオンLX点眼液0.1%>
片目につき1回1滴を、1日2回(朝・夕)に点眼します。
点眼前は必ず手を洗い、容器の先端がまぶたやまつ毛に触れないよう注意してください。
汚染を防ぐことで感染リスクを減らせます。
2-3.眼瞼クリーム
片目につき適量(チューブから出して1.3cm程度)を、1日1回、目のまわりに塗ります。
皮膚から成分が吸収されて、目のかゆみに効果を現します。
使用後は手を洗い、目の中に直接入らないよう注意してください。
3.アレジオンの副作用
アレジオンを服用すると、以下の副作用が出る可能性があります。
・発疹
・だるさ、眠気
・胃の不快感
・口の渇き
・頭痛
・動悸
アレジオンは、他の抗ヒスタミン薬と比べて眠気の副作用が出にくいとされていますが、まったく出ないわけではありません。
眠気を自覚しなくても、集中力が低下している場合があります(インペアード・パフォーマンス)。
特に運転や高所作業を行う方は注意が必要です。
まれに重篤な副作用として肝機能障害、黄疸、血小板減少が報告されています。
【参考情報】『アレジオン錠の効能・効果及び用法・用量の設定根拠に関する資料』医療品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/drugs/2005/P200500001/53035300_21700AMZ00009_Z100_1.pdf
アレジオン服用後に以下のような症状が出たら、すみやかに医師に相談してください。
・強い倦怠感
・皮膚粘膜が黄色になる
・鼻血
・歯茎の出血
上記は飲み薬で起こる副作用です。
点眼液や眼瞼クリームでは、目やまぶたの刺激感が現れることがあります。
4.アレジオンの使用上の注意点
アレジオンの飲み薬は、妊娠中や授乳中には使用を控えることが一般的です。
使用する際は、必ず医師に相談してください。
また、点眼液や眼瞼クリームは、妊娠中や12歳未満の子どもには使用しないことが多いため、やはり注意が必要です。
アレジオンには併用が禁止されている薬や、絶対に使用を避けるべき人(禁忌)はありません。
ただし、症状や体調によっては他の薬の方が適している場合があるので、現在服用中の薬がある方や持病がある方は、必ず医師に相談してください。
【参考資料】『アレルギー治療薬エピナスチン塩酸塩』日本医薬情報センター
https://pins.japic.or.jp/pdf/medical_interview/IF00007552.pdf
他の抗ヒスタミン薬や総合感冒薬などと併用すると、眠気や口の渇きなどの副作用が強く出る可能性があります。
自己判断で市販薬を追加せず、必ず医師や薬剤師に確認しましょう。
特に高齢の方や肝機能に異常がある方では、副作用が出やすい場合があります。
体調の変化を感じた場合は早めに受診してください。
服用中の飲酒は、眠気や注意力の低下を強める可能性があるため、できるだけ控えることが望ましいとされています。
飲み忘れた場合は、気づいた時点で1回分のみ服用してください。
次の服用時間が近い場合は、忘れた分は服用せず、2回分をまとめて飲まないようにしましょう。
【参考情報】『アレジオン錠20』くすりの適正使用協議会
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=10159#:~:text=%E3%81%93%E3%81%AE%E8%96%AC%E3%81%AE%E4%BD%9C%E7%94%A8%E3%81%A8,%E6%B2%BB%E7%99%82%E3%81%AB%E7%94%A8%E3%81%84%E3%82%89%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99%E3%80%82
アレジオンの点眼液を他の点眼液と併用する場合は、5分以上の間隔を空けて使用してください。
ソフトコンタクトレンズの使用中でも点眼可能ですが、カラーコンタクトレンズは変質する可能性があります。
カラーコンタクトレンズを装着する場合は、5〜10分前までに点眼を終えておきましょう。
眼瞼クリームは、顔を洗った後に使用するのがおすすめです。
寝る前などのタイミングで使うとよいでしょう。
また、他の点眼液や保湿剤を使用する場合は、それらをすべて終えた後に、最後に眼瞼クリームを塗るようにしてください。
保管方法としては、直射日光や高温多湿を避け、室温で保管します。
点眼液は開封後1か月以内を目安に使用し、子どもの手の届かない場所に保管してください。
5.アレジオンの薬価
アレジオンの価格(2026年2月調べ)は以下となります。
<錠剤>
・アレジオン錠10 17.1円/錠
・アレジオン錠20 22.3円/錠
<点眼薬>
・アレジオン点眼液0.05% 200.2円/mL
・アレジオンLX点眼液0.1% 493円/mL
<眼瞼クリーム>
・アレジオン眼瞼クリーム0.5% 1686.7円/g
アレジオンには、エピナスチン塩酸塩というジェネリック医薬品があります。
また、アレジオン錠20の代わりに使用できる市販薬も発売されています。
ジェネリック医薬品は、有効成分が同じで効果や安全性が同等とされており、薬剤費を抑えたい方の選択肢になります。
希望がある場合は医師や薬剤師に相談してみましょう。
ただし、市販薬の効能効果は「花粉やハウスダストなどによる鼻のアレルギー症状の緩和」のみとなるため、湿疹やじんましん、喘息の方は使用できません。
症状が強い場合や長引く場合は、市販薬で様子を見るのではなく、医療機関で相談することが大切です。
【参考情報】『Allergies』MedlinePlus Medical Encyclopedia
https://medlineplus.gov/ency/article/000812.htm
6.おわりに
アレジオンは、即効性よりも症状を徐々に改善し、予防するタイプの抗アレルギー薬です。
1日1回の服用で、眠気の副作用を抑えたい方に適しています。
アレジオンの錠剤が合わないと感じた場合、同じように眠気が少ない抗アレルギー薬として、アレグラ(成分名:フェキソフェナジン)やビラノア(成分名:ビラスチン)などが使えることがあります。
花粉症対策としてアレジオンを服用したい場合、花粉が多く飛散する前から飲み始めるのが効果的です。
毎年花粉に悩んでいる方は、早めに医師に相談しましょう。












