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新型コロナウイルスに感染しない・させない予防法

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2023年05月09日
感染防止

新型コロナウイルスに感染しない・させないためには、一人一人が正しい知識を持って対策を行うことが重要です。

この記事では、基本的な予防策を紹介しますので、ぜひ役立ててください。

1.新型コロナウイルス感染を予防するには

みなさん、手洗いやマスク着用が大事であることは既に知っていると思いますが、正しい方法を知らずに自己流で済ませている人もまだまだ多いのではないでしょうか。

1-1.正しい方法でこまめに手洗い

手洗い
ドアノブや電車のつり革、階段の手すりなど、不特定多数の人が触れるものにはウイルスが付着している可能性があります。帰宅時やトイレの後、調理の前後、食事前などに、こまめに手を洗いましょう。

自分ではきちんと洗っているつもりでも、細かい部分に意外と洗い残しがあるものです。指と指の間や手首も忘れずに、30秒ほどかけて手を洗ってください。手洗い後は、ペーパータオルなどでしっかり水分を拭き取りましょう。

【参考情報】厚生労働省 手洗い
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000593494.pdf#search=’%E6%96%B0%E5%9E%8B%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E3%82%A6%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%82%B9+%E4%BA%88%E9%98%B2%E6%96%B9%E6%B3%95+%E6%89%8B%E6%B4%97%E3%81%84′

アルコール消毒液を使って手指を消毒する時は、1プッシュ分を乾くまで両手にしっかりすり込んでください。

◆「新型コロナの基本知識」について>>

1-2.マスク着用についての考え方

マスク着用
新型コロナウイルスは、咳やくしゃみ、会話などの際に発生する飛沫(小さな水滴)から感染します。マスクだけでは感染を防ぐには不十分ですが、飛沫を防ぐ一定の効果があると考えられています。

2023年3月13日より、マスクの着用は個人の判断で行うこととなりました。

ただし、重症化リスクの高い人(高齢者や妊婦、基礎疾患のある人)や、そのような人たちが集まる場所(病院や高齢者施設)に行くときは、感染しない・させないためにマスクの着用をおすすめします。

【参考情報】『マスクの着用について』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html

マスクは、フィルター性能が優れている不織布マスクかサージカルマスクを使い捨てで使用しましょう。布マスクやウレタンマスクでは、感染を防ぐ効果はあまり期待できません。

マスクを外す際はゴムだけをつまみ、マスクの表面には触れずに外してください。使用済みのマスクは、小さい袋に入れて口をしっかりしばってからごみ箱に捨てましょう。外した後は手洗いも忘れずに。

◆「マスクの付け方・選び方」について>>

1-3.よく触れる金属・プラスチックを中心に除菌

新型コロナウイルスは、金属やプラスチックの表面についた場合、2~3日の間は感染力を持っていることが報告されています。

【参考資料】Aerosol and Surface Stability of SARS-CoV-2 as Compared with SARS-CoV-1
https://www.nejm.org/doi/10.1056/NEJMc2004973

ドアノブやトイレの便座、水道のレバーなど手指がよく触れる場所は、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤の主成分)を希釈したもの、または消毒用アルコールで拭いて消毒しましょう。

【参考資料】新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

スマホの表面にも、ウイルスがついている可能性があります。汚れた手指で操作したり、電話で話す際につばが飛んだりすることで雑菌やウイルスに汚染されてしまうので、1日1回はアルコール除菌シートで拭いておくといいでしょう。
 ※注:スマホの機種によっては除菌シートを避けた方がよいものもあります。

1-4.換気をして部屋の空気を入れ換える

換気
家庭やオフィスが、「3密」の条件の一つである「換気の悪い密閉空間」とならないためにも、換気をして部屋の空気を外の新鮮な空気と入れ換えましょう。

厚生労働省では、1時間に2回以上(30分に1回以上)、数分間、窓を全開して換気をする方法を示しています。

【参考資料】厚生労働省「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気の方法
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000618969.pdf

複数の窓があれば、二つの方向の壁の窓を開けると空気の流れができてより効果的です。窓が一つしかない場合は、窓と、入り口のドアを開けてください。

◆「コロナが呼吸器に及ぼす影響」について>>

1-5.「顔を触らない」習慣を身につける

「鼻をこする」「頬杖をつく」「コンタクトレンズをつける」「化粧を直す」など、人は一日に何度も無意識のうちに自分の顔に触れています。そのたびに顔に手指が触れ、手指についたウイルスが目や口、鼻を通って侵入するリスクが高まります。

長年の間に身についたクセや習慣を直すのは難しいかもしれませんが、「必要ない時に顔を触らない」という意識を持つだけでも感染症の予防に役立ちます。マスクを外す時も、なるべく顔を触らないように注意してください。

1-6.流行している時期は外出を控える

2023年5月8日より、コロナはインフルエンザと同じ「5類」に移行しました。

それに伴い、感染者や濃厚接触者への外出自粛要請はなくなりましたが、今後も新たな変異株が登場し、再びコロナが流行する可能性は否定できません。

インフルエンザも同じですが、流行している時期はなるべく外出を控え、人との接触を避けることが大切です。

◆「新型コロナウイルス感染症と咳」について>>

2.おわりに

新型コロナウイルス感染症に限らず、すべての病気の予防に大切なのは、普段からの健康管理です。「必要な栄養が不足している」「十分な睡眠をとれていない」「体を動かす時間が少ない」など気にかかることがあれば、ぜひこの機会に見直して、よい生活習慣を身につけましょう。

もし体内にウイルスが侵入しても、体の免疫システムが十分に働けば、ウイルスを排除することができます。手洗いを始めとした予防策をしっかり行いながら、健康管理の知識を身につけ、毎日の生活の中に取りいれてください。

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