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コロナの基本知識とは?2026年最新!症状・感染経路・後遺症を解説

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2026年04月08日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について、2024年4月からの医療体制移行やオミクロン株の特性、後遺症の実態など、最新のコロナの基本知識を詳しく解説します。

1.新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の基本知識


まずは、知っておくべきコロナの基本知識として、このウイルスの正体と感染の仕組みについて解説します。

そもそも「コロナウイルス」というのは、風邪の原因となるウイルスとして以前から知られていた、ごくありふれたウイルスです。

しかし、2019年末に確認された「新型コロナウイルス(正式名称:SARS-CoV-2)」は、従来の風邪のウイルスとは異なる性質を持っています。
このウイルスによって引き起こされるのが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)です。

【参考情報】『Coronavirus disease (COVID-19)』WHO
https://www.who.int/health-topics/coronavirus#tab=tab_1

<主な感染経路>

  • ・飛沫感染:ウイルスを含んだ飛沫が、会話やくしゃみなどを通じて口・鼻・目などの粘膜に付着することで感染
  • ・接触感染:感染した人の手についたウイルスが手すりやドアノブなどに付着し、そこに触れた手で自分の顔(目・鼻・口)に触れることで感染
  • エアロゾル感染:咳やくしゃみだけでなく、会話や呼吸により空中に広がった微細な飛沫(エアロゾル)が数分から数時間にわたり浮遊し、それを吸い込むことで感染

◆「新型コロナに感染しない・させない予防法」>>

<変異株の現状(オミクロン株など)>
新型コロナウイルスは、流行を繰り返す中で次々と変異を繰り返しています。現在はオミクロン株の系統が主流となり、以前の株に比べて重症化リスクは低下したものの、感染力は非常に強いのが特徴です。
そのため、「重症化しにくいから」と油断せず、基本的な感染対策を継続することが重要です。

<動物由来のコロナウイルスと過去の流行>
過去にはSARS(2002年)やMERS(2012年)のように、動物からヒトへ感染し重症化するコロナウイルスもありましたが、今回のCOVID-19もコウモリ由来のウイルスが起源と推測されています。

◆新型コロナウイルス感染症に関する用語集>>

2.新型コロナウイルス感染症の症状


流行初期には著名人の訃報もあり社会に衝撃を与えましたが、現在はワクチンの普及や治療薬の登場により状況は変化しています。感染者の約8割は軽症・無症状ですが、正しいコロナの基本知識として、症状の経過を知っておくことは重要です。

2-1.どんな症状が出るのか


軽症の場合の主な症状は、発熱や咳、全身の倦怠感などで、一般的な風邪とほとんど変わりません。

◆「新型コロナウイルス感染症の咳の特徴」>>

嗅覚障害や味覚障害を訴える患者さんもいますが、これらは風邪や鼻炎など他の病気でも現れることがある症状です。特定の症状だけで自己判断せず、客観的な視点を持つことが大切です。

軽症なら多くは安静により1週間程度で軽快しますが、約2割は5〜7日目から肺炎や呼吸困難へ悪化するリスクに注意が必要です。

たとえ一時的に悪化したとしても、現在は適切な治療によって多くの方が回復されています。例えば、一時は集中治療室で治療を受けていたイギリスのボリス・ジョンソン元首相が無事に回復・退院されたのは、その象徴的なエピソードと言えるでしょう。

2-2.どんな人が重症化しやすいのか


これまでのデータから、以下に該当する方は重症化のリスクが高いと考えられています。

  • ・基礎疾患がある方:糖尿病、高血圧、心臓病、慢性腎臓病(透析含む)、COPD(慢性閉塞性肺疾患)などの呼吸器疾患
    ◆「糖尿病とコロナの関係 | 重症化や感染のリスク」>>
  • ・喫煙習慣のある方:タバコは肺機能を低下させ、重篤なリスクを高めます
  • ・免疫抑制状態にある方:免疫抑制剤や抗がん剤を使用している方
  • ・特定の条件に当てはまる方:高齢者、BMI30以上の肥満、妊娠後期の方

 

子どもは重症化しにくく、高齢者は重症化しやすい傾向がありますが、妊娠後期の方は早産のリスクや重症化の可能性があるため、特に注意が必要です。

【参考情報】『新型コロナウイルスに関するQ&A(妊婦が新型コロナウイルスに感染した場合、重症化しやすいですか。)』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00001.html#Q6-1

3.感染が疑わしい時はどうすればいいのか

「もしかして、新型コロナウイルスに感染したのでは?」と疑いを持った時は、国が承認した抗原検査キットを用いて検査をしてみましょう。

【参考情報】『新型コロナウイルス感染症の一般用抗原検査キット(OTC)の承認情報』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_27779.html

結果が「陽性」だった場合、症状が軽ければ自宅で療養しながら様子を見ます。
ただし、前述した「重症化リスクが高い方」(高齢者、基礎疾患のある方、妊婦など)や、症状が重い方は、かかりつけ医や近隣の医療機関に事前に連絡し、受診の相談をしましょう。

新型コロナウイルス感染症治療の支援策は2024年3月で終了し、4月から通常の医療体制に移行しました。それに伴い、国や自治体が設けていた相談センターの多くは終了しています。

< 早急に受診・連絡が必要なサイン >
以下の症状がある場合は、早急に受診が必要です。

  • ・息苦しさ、強いだるさ、高熱
  • ・顔色が明らかに悪い、唇が紫色
  • ・意識がもうろうとしている、胸の痛みで横になれない
  • 特に上記のリスク項目に該当する方や、不安が強い方は、症状が比較的軽い段階でも早めにかかりつけ医へ相談しましょう。2024年4月より通常の医療体制に移行したため、まずは近隣の医療機関へ電話相談するのが基本です。

    【参考情報】『新型コロナウイルス感染症について』厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html

    4.新型コロナウイルス感染症の検査と治療


    病院で検査を受けたい場合は、まずは電話で相談しましょう。

    4-1.新型コロナウイルス感染症の検査


    当院では、患者さんに唾液を専用の容器に出してもらい、その中にウイルスが存在するかどうかを調べています。

    鼻の奥に長い綿棒を入れて粘液を拭い取り、検体を採取する方法もありますが、唾液を採取する方が患者さんの体への負担も軽く、より安全に検査を行うことが可能です。

    PCR検査の結果が陽性なら陽性(感染あり)、陰性なら感染なしと判断されますが、検査の結果が100%正しいわけではありません。
    インフルエンザの検査も同じですが、検査のタイミングなどによっては十分な数のウイルスを採取することができず、本当は感染していても陰性という結果が出ることがあるからです。
    医師の判断によっては、PCR検査のほか、CT検査などの画像検査が行われることもあります。

    検査の結果、新型コロナウイルスに感染していると判断された場合、軽症なら自宅で療養するようにしましょう。
    法律による外出規制はありませんが、特に発症から5日間は他人への感染リスクが高いため、発症した日を0日目として数え、5日間は外出を控えることが勧められています。また、発症から10日間はウイルスが残っている可能性があるため、マスクの着用など他人へうつさないように注意しましょう。

    重症化リスクが高い人など、医師が必要だと判断した場合は、入院して治療を受けることがあります。

    【参考情報】『新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について』厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html

    4-2.新型コロナウイルス感染症の治療


    軽症の場合は、熱が高ければ解熱剤、咳がひどければ咳止めの薬など、つらい症状を和らげる「対症療法」が中心となります。
    一方で、重症化リスクが高いと判断された場合や重症化した場合には、ウイルスそのものに作用する薬や、炎症を抑える薬が検討されます。

    <主な治療薬>
    厚生労働省により使用が認められている新型コロナウイルス治療薬には、主に以下のようなものがあります。

    • ・経口薬(飲み薬)ラゲブリオパキロビッドゾコーバ
    • ・点滴・注射薬(中和抗体薬・免疫抑制薬等):ロナプリーブ、ゼビュディ、エバシェルド、ベクルリー(レムデシビル)など

     

    ※重症化リスクや持病との飲み合わせを考慮し、医師が処方を判断します。2024年4月以降、薬剤費は通常の保険診療(窓口負担あり)の対象です。

    重症の場合で呼吸不全がある場合は、入院のうえ、人工呼吸器やECMO(エクモ)と呼ばれる体外式の人工心肺装置を使用して、肺に酸素を送り込む高度な治療が行われることもあります。

    5.罹患後症状(後遺症)について

    コロナに感染した後も続く「罹患後症状(後遺症)」も知っておくべき重要な知識の一つです。

    5-1.罹患後症状(後遺症)の症状とデータ

    急性期の症状が落ち着いた後も続く症状は、一般に「後遺症(罹患後症状)」と呼ばれています。

    WHOの定義では、「コロナ発症から3か月経っても、2か月以上続き、他の病気では説明がつかない症状」のことです。

    WHOの研究では感染者の約6%、東京都の調査(令和6年2月時点)では約23.4%の方に後遺症の疑いがあるとのデータも示されています。
    後遺症は、重症度や年代を問わず起こりうるのが特徴です。

    <後遺症の主な症状>

    • ・全身・呼吸器:倦怠感、息切れ、咳
    • ・感覚器:嗅覚・味覚障害
    • ・精神・神経:集中力低下、睡眠障害、抑うつ、頭痛
    • ・その他:脱毛、関節痛

     

    【参考情報】『新型コロナ後遺症ポータル データでみる後遺症』東京都
    https://www.corona-kouisyou.metro.tokyo.lg.jp/about/data/

    5-2. 罹患後症状が続くときはどうすればいい?

    現時点では、罹患後症状に対して確立された治療法はありませんが、多くの場合は時間の経過とともに改善していくことが報告されています。

    症状が気になる方は、まずはかかりつけ医や地域の医療機関にご相談ください。咳や倦怠感であれば内科、においや味の異常であれば耳鼻科、気分の落ち込みや睡眠の問題であれば心療内科など、症状に合った診療科を受診することが勧められます。

     

    【参考情報】『新型コロナウイルス感染症の罹患後症状(いわゆる後遺症)に関するQ&A』厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kouisyou_qa.html

    5-3.5類になっても油断は禁物

    2023年5月、新型コロナウイルス感染症は感染症法上「5類感染症」に位置づけられ、インフルエンザと同じ扱いになりました。しかし、感染のリスクがなくなったわけではありません。

    厚生労働省の人口動態統計によると、5類移行後の2023年5月から2024年4月の1年間で、新型コロナウイルスによる死者数は約3万2,576人に上りました。同期間のインフルエンザによる死者数と比べると、依然として大きな差があります。特に、2024年1月から4月のデータでは、コロナによる死亡者の97%が65歳以上であり、高齢者にとっては今も注意が必要な感染症です。

     

    【参考情報】『人口動態統計』厚生労働省
    https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei24/index.html

    6.おわりに


    コロナの流行は落ち着いたと感じるかもしれません。しかし、感染して激しいのどの痛みやしつこい咳に苦しめられた人は「やはりただの風邪とは違う」と思ったのではないでしょうか。

    自身や身近な人がつらい思いをしないために、そして、重症化リスクの高い人を感染から守るためにも、手洗いやワクチン接種などの基本的な対策は、これからも続けていきましょう。
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