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新型コロナウイルス感染症に関する7の用語集

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2023年05月09日
コロナウイルス用語集

新型コロナウイルス感染症のニュースが日々報道されていますが、専門用語や聞き慣れない言葉が多く使われているので、少々わかりにくいと感じることもあると思います。

この記事では、報道でよく使われる基本的な専門用語をわかりやすく説明します。情報を正しく理解するために、ぜひ役立ててください。

1.これだけは知っておきたい7つのキーワード

新型コロナウイルスの報道でよく使われる用語の中で、特に目立つものを選んで解説します。

1-1.パンデミック

「パンデミック」とは、感染症や伝染病が世界的に大流行する状態を指します。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)については、2020年3月、世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長がパンデミックとみなすと表明しました。

1-2.クラスター

小規模な感染者の集団を「クラスター」と呼びます。

クルーズ船やナイトクラブなどで発生した例が報道されましたが、狭い空間に大勢の人が集まって長く過ごしていると、その中にウイルスに感染している人がいた場合、他の人にも感染させ、クラスターが発生しやすくなります。

1-3.濃厚接触者

新型コロナウイルスに感染した患者に、「発症2日前から」「1メートル程度の距離で」「マスクをせずに」接触し、「15分以上の会話をした」人を指します。

以前は濃厚接触者と判断されると、感染拡大防止のため、保健所から自宅待機を求められていました。

しかし、2023年5月8日より、コロナがインフルエンザと同じ「5類」に移行したため、外出自粛は求められなくなりました。

【参考情報】『新型コロナウイルス感染症の5類感染症移行後の対応について』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/corona5rui.html

◆「新型コロナウイルスに感染しない・させない予防法」>>

1-4.PCR検査

PCR

(写真)富士レビオ株式会社 エスプライン® SARS-CoV-2
https://www.fujirebio.co.jp/

体液の中にあるウイルスの遺伝子を検知する検査です。新型コロナウイルスの検査では、鼻の奥に長い綿棒を入れて粘液を採取します。

検査の結果が陽性なら感染、陰性なら感染していないと判断されますが、検査のタイミングによっては十分な数のウイルスを採取できず、正確に判断できないこともあります。

1-5.3密

新型コロナウイルス感染症が発生しやすい条件、つまり「密閉」「密集」「密接」な3つの場面を指します。

「密閉」はカラオケボックスなど換気の悪い場所、「密集」はテーマパークなど大勢の人が集まって混んでいる場所、「密接」は立ち話や合唱など間近での会話や発声が当てはまります。

【参考資料】『「密」を避けましょう!』首相官邸
https://www.kantei.go.jp/jp/content/000061868.pdf

1-6.ソーシャル・ディスタンス

ソーシャルディスタンス
感染症の拡大を防ぐため、人と人との物理的距離を保つことを指します。

例えば「スーパーのレジに並ぶときは、前の人との間隔を空ける」「レジやカウンターに透明の仕切りを設置する」などの対策が実施されています。

◆「コロナと呼吸器の病気」の関係>>

1-7.集団免疫

ある感染症に対して、地域の人口のうち大部分の人が免疫を獲得すれば、その地域での流行は広がらず、感染症の拡大が収まっていくという考え方です。

【参考資料】『Herd immunity and COVID-19: What you need to know』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/coronavirus/in-depth/herd-immunity-and-coronavirus/art-20486808

集団免疫を獲得するには、自然に感染する人が増えた結果そうなるのと、ワクチンを打つことで免疫を獲得した人を増やす方法があります。

スウェーデンでは、外出禁止などの厳しい制限を設けずに、緩やかに集団免疫を獲得しようという独自の対策がとられていました。

◆「新型コロナウイルス感染症の咳の特徴」>>

2.おわりに

新型コロナウイルス感染症の研究が進むにつれ、今後もさらに新しい言葉や考え方が生まれてくるかもしれません。また、新しい薬や治療法が開発される可能性もあります。

◆新型コロナウイルス感染症治療薬「パキロビッド」の特徴と効果、副作用>>

基本的な用語を押さえておくと、最新のニュースも理解しやすくなります。この記事をベースに、ぜひ今後も有益な情報をキャッチしてください。

◆横浜市で呼吸器内科をお探しなら>>

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