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喘息治療薬「エナジア」の特徴と効果、副作用

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2023年01月24日

エナジアは喘息の治療に用いる薬で、「ブリーズヘラー」とよばれるデバイス(吸入用器具)を使って吸入します。

この記事では、エナジアの使い方や効果、副作用などについて解説します。初めて使う方も、使い続けている方も、ぜひ読んでください。

1.エナジアとはどのような薬か

エナジアは、吸入ステロイド薬のモメタゾン、長時間作用性β2受容体刺激薬のインダカテロール、抗コリン薬の一種でムスカリン受容体拮抗薬のグリコピロニウムの3成分を配合した吸入薬です。

【参考情報】
・『医療用医薬品 : エナジア 』KEGG MEDICUS
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00068874

・『モメタゾン』KEGG DGROUP
https://www.kegg.jp/entry/dg_ja:DG00419

・『インダカテロール 』KEGG DRUG
https://www.kegg.jp/entry/D09318+-ja

・『グリコピロニウム』KEGG DGROUP
https://www.kegg.jp/entry/dg_ja:DG02467

吸入ステロイド薬は気道の炎症を抑えて発作を予防する成分、β2刺激薬は気管支を拡げて息苦しさを和らげる成分、ムスカリン受容体拮抗薬は、気管支を収縮させる副交感神経の働きを高める神経伝達物質・アセチルコリンの働きを抑えることで、気管支を拡張させる成分です。

【参考情報】『エナジア添付文書』
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2290807G1026_1_05/?view=frame&style=XML&lang=ja

エナジアはカプセル状の薬で、中用量と高用量の2種類があります。患者さんの症状や状態に応じて、医師が最適な用量を判断します。

◆「呼吸器内科とはどんなところ?何をするのかを解説します」>>

2.エナジアの使い方


エナジアはカプセル「ブリーズヘラー」と呼ばれるデバイス(吸入用機器)を使い、「1日1回・1カプセル」を服用します。

吸入前に、エナジアのカプセルが「中用量」と「高用量」のどちらかを確認し、ご自身の吸入するカプセルが正しいものかどうかを確認しましょう。

①吸入準備
キャップを上に外します。本体に矢印が記載されているため、その矢印が記載されている面を手前に向け、吸入口を斜めに倒します。

②カプセルを取り出す
薬剤が入ったシートから、カプセルをひとつ取り出します。

③カプセルを入れる
カプセルを装填部に入れ、吸入口を閉じます。
※吸入口から直接カプセルを入れないようにご注意下さい。

④薬剤をセットする(カプセルに穴をあける)
吸入器を上に向けて持ち、本体両側のボタンをカチッと音がするまで1 回押します。
※カプセル破損の原因になるため、何度も押してはいけません。

⑤息を吐き出す
姿勢を正し、無理のない程度で、しっかり息を吐き切ります。

⑥薬剤を吸い込む
マウスピース(吸入口)を深くくわえて口をすぼめ、「強く」「早く」「一気に」スーッと息を吸い込んでください。

カプセルが震えるような「カラカラ」という音が聞こえる程度の速さで吸入してください。

⑦息を止める
薬剤を吸い込んだら、マウスピースから口を離して3~5秒ほど息を止め、その後ゆっくりと息を吐いて呼吸を再開します。

⑧カプセルを捨てる

⑨うがいをする
口の中に残った薬剤を洗い流します。

ブリーズヘラー(吸入器)は、30日を目安に交換していただくのがおすすめです。水などで洗わないようにご注意ください。

【参考情報】『はじめてのエナジア』ノバルティスファーマ
https://www.novartis.com/jp-ja/sites/novartis_jp/files/hajimete-enerzair_201020.pdf

3.エナジアの副作用


エナジアの主な副作用として、口の渇き、声がかすれる「嗄声(させい)」、口腔内に白いコケのようなものが出現する「口腔カンジダ症」があります。

【参考情報】『口腔カンジダ症』日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_koku/#c05

嗄声や口腔カンジダ症は、吸入ステロイド薬全般に現れる副作用ですが、吸入後にしっかりとうがいをすることで予防できます。

うがいをする際には、喉を水で洗う「ガラガラ」うがいと、口の中をゆすぐ「ブクブク」うがいを行い、薬剤を洗い流しましょう。

また、エナジアに含まれるβ2刺激剤(インダカテロール)の影響で、動悸、頻脈、不整脈などが出現する可能性もあります。

多くは一時的なものですが、症状が強かったり不安に感じた時は、医師に相談してください。

【参考情報】『エナジア吸入用カプセル高用量』くすりのしおり
https://www.rad-ar.or.jp/siori/search/result?n=48322

4.使用上の注意点


エナジアはカプセル状の薬ですが、内服薬ではありません。間違ってカプセルを飲み込まないように注意してください。

エナジアをアルミシートから取り出す際にはカプセルを押し出さず、アルミシートを剥がして取り出して下さい。

エナジアには、中用量と高用量の2種類のタイプがあり、見た目が非常に似通っています。途中で用量が変更になった方は、間違えないように注意してください。

妊娠中やその可能性のある方、授乳中の方は医師に相談してください。

◆「喘息の女性が気になる妊娠中の不安や疑問に答えます」>>

【参考情報】『Pregnancy and Asthma』American College of Allergy Asthma and Immunology
https://acaai.org/asthma/asthma-101/who-gets-asthma/pregnancy-and-asthma/

5.エナジアの薬価


エナジアの薬価は、以下となります。

・エナジア吸入用カプセル中用量  290.3円
・エナジア吸入用カプセル高用量  331.5円

エナジアの代わりとなるジェネリック医薬品はありません。

6.おわりに

エナジアは、1日1回の吸入で、3つの成分を一度に服用できるため、毎日の吸入の手間を大きく減らすことができます。

それまで、2,3種類の薬を別々に服用していた方も、エナジアのような配合剤の登場により薬の服用がラクになりました。その結果、毎日の服薬が続けやすくなり、治療効果も高まることが期待されています。

しかし、小さなカプセルを取り扱う必要があるため、指先が不自由な方や、視力が低下している方などには、吸入が難しいという面もあります。

吸入薬にはさまざまなタイプがあり、使用方法も異なります。エナジアの取り扱いが難しく感じる方は、喘息治療の経験豊富な医師にご相談ください。

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