クラリチンは花粉症に効く?眠気・副作用・市販薬との違いを医師が解説

クラリチンは、花粉症などによるアレルギー性鼻炎や、じんましんなどの皮膚疾患に使用する抗アレルギー薬です。
この薬は1日1回の服用で効果を発揮し、水なしで飲めるタイプもあります。
そのため、忙しい日常を送る方でも飲み忘れが少なく、幅広い方にとって服用しやすいのが特徴です。
この記事ではクラリチンの特徴や服用方法、注意点を解説します。
クラリチンには市販薬もありますが、市販薬と処方薬の使い方には少し違いがあるので、しっかり確認しておきましょう。
1.クラリチンとはどのような薬か
クラリチンは、有効成分としてロラタジンを含む第2世代の抗ヒスタミン薬です。
抗ヒスタミン薬は、体の中でアレルギー反応を引き起こす物質「ヒスタミン」の働きをブロックすることでくしゃみや鼻水、かゆみなどの症状を抑える薬です。
花粉やハウスダストが原因のくしゃみ・鼻水・鼻づまり・目のかゆみといったアレルギー性鼻炎の症状やじんましん(蕁麻疹)や皮膚疾患に伴うかゆみに効能効果があります。
【参考情報】『Loratadine』MedlinePlus
https://medlineplus.gov/druginfo/meds/a697038.html
クラリチンの特徴は、従来の抗ヒスタミン薬(第1世代)と比べて眠気の副作用が比較的少ないとされている点です。
これは、有効成分ロラタジンが脳へ移行しにくい性質を持つためと考えられています。
また、1日1回の服用で約24時間効果が持続するため、服用回数が少なく、日常生活の中で使いやすい薬といえます。
ただし、眠気の感じ方には個人差がありますので、服用後の車の運転や機械操作には注意が必要です。
クラリチンには、錠剤、レディタブ錠(口腔内崩壊錠)、ドライシロップがあります。
レディタブ錠は口の中ですばやく溶け、水なしで飲むことができるタイプです。
ドライシロップは小児にも使用される製剤ですが、年齢や体重によって用量が異なるため、医師の指示に従って使用します。
2.クラリチンの使い方
クラリチンは、通常1日1回服用する薬です。
食事の影響はほとんど受けないため、食後に限らず服用できますが、毎日同じ時間帯に飲むことが大切です。
花粉症の改善を目的とする場合は、花粉の飛散ピークが始まる前から服用を開始する「初期療法」が効果的とされています。
症状が強く出る前から服用を続けることで、花粉シーズン中の症状を軽く抑えられる可能性があります。
【参考情報】『政府の花粉症対策』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/tokusyu/kafunnsyou/
ロラタジンは、服用後およそ1〜3時間で作用し始め、約24時間効果が持続します。
【参考情報】『Loratadine – StatPearls』NCBI
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK542278/
【錠剤・レディタブ錠】
<7歳以上の子ども・成人>
1回10mg(1錠)を1日1回、食後に水またはぬるま湯で服用します。
レディタブ錠は、水なしでそのまま口に含んで飲んでも構いません。
【ドライシロップ】
<3歳〜6歳の子ども>
1回0.5gを1日1回、食後に水またはぬるま湯で服用します。
<7歳以上の子ども・成人>
1回1gを1日1回、食後に水またはぬるま湯で服用します。
年齢や体重、症状によって用量が調整される場合がありますので、必ず医師の指示に従ってください。
お子さんが服用を嫌がる場合は、少量のジュースやアイスクリームなどに混ぜて服用することも可能です。
ただし、混ぜた場合は時間を置かず、すぐに飲み切るようにしましょう。
クラリチンを、朝・昼・夕、どのタイミングで服用するのかは、症状の出やすい時間帯や生活リズムを考慮して医師が判断します。
自己判断で回数を増やしたり、飲み忘れ分をまとめて服用したりしないようにしてください。
3.クラリチンの副作用と使用上の注意
<主な副作用>
クラリチンは、第2世代抗ヒスタミン薬の中でも比較的副作用が少ないとされる薬ですが、副作用がまったく起こらないわけではありません。
クラリチンを服用すると、以下のような副作用が起こる場合があります。
・眠気
・倦怠感(だるさ)
・めまい
・頭痛
・発疹
・口の渇き
クラリチンは、他の抗ヒスタミン薬(第1世代)に比べて眠気が出にくいとされていますが、まったく眠くならないわけではありません。
体質や体調によっては眠気を感じることがあります。
服用後に眠気や集中力の低下を感じた場合は、車の運転や機械操作は避けましょう。
<まれに起こる重篤な副作用>
また頻度は高くありませんが、以下のような重篤な副作用を起こす場合もあります。
・アナフィラキシー(強いアレルギー反応)
・肝機能障害
・てんかん
てんかんを持病としている方は、クラリチンの服用によって発作が起こりやすくなる可能性があります。
【参考情報】『てんかん』国立精神・神経医療研究センター
https://kokoro.ncnp.go.jp/disease.php?@uid=7tp2bnu63ESgWu5I
持病のある方や、もし服用中に体調が悪化した場合は、速やかに医師に相談してください。
服用中に発疹の悪化、強い動悸、息苦しさ、けいれんなどの症状が出た場合は、速やかに医療機関を受診してください。
<妊娠中・授乳中の服用について>
クラリチンは、妊娠中の服用については医師の判断が必要とされています。
自己判断での使用は避けましょう。
授乳中の服用は可能とされていますが、薬の成分が母乳に移行するため、心配な場合は医師や薬剤師に相談しましょう。
【参考情報】『授乳中に安全に使用できると考えられる薬 – 薬効順 -』国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist_yakkou.html#section10
<持病がある方・併用薬について>
肝臓や腎臓の機能が低下している方は薬の代謝が遅くなることがあります。
そのため、副作用が出やすくなる可能性があります。
さらに、抗生物質のエリスロマイシン(先発品:エリロシン)や胃薬のシメチジン(先発品:タガメット、カイロック)を併用すると、血中濃度が上昇し、副作用のリスクが高まる可能性がありますので注意が必要です。
現在服用している薬がある場合は、市販薬も含めて必ず医師や薬剤師に伝えましょう。
<市販薬との違いと注意点>
クラリチンの市販薬には錠剤とOD錠がありますが、使用できるのはアレルギー性鼻炎の方のみです。
処方薬のように、じんましんなどの皮膚症状には使用できません。
市販薬のパッケージに記載されていない症状で服用した場合、副作用が出ても補償を受けられる救済制度の対象にはなりません。
市販薬を服用する際は、必ずパッケージの効能・効果を確認してください。
【参考情報】『薬の副作用かな?と思ったら すぐに医師にご相談を!』政府広報オンライン
https://www.gov-online.go.jp/useful/article/201911/1.html
4.よくある質問(FAQ)
Q1. クラリチンは本当に眠くなりにくいですか?
クラリチンは第2世代抗ヒスタミン薬のため、従来の抗ヒスタミン薬と比べて眠気が比較的少ないとされています。
ただし、眠気の感じ方には個人差があります。
Q2. 花粉症シーズン中、長期間飲み続けても大丈夫ですか?
医師の管理のもとであれば、花粉シーズン中に継続して服用することは一般的です。
ただし、症状が十分に改善しない場合は治療内容の見直しが必要になることもあります。
花粉症の治療薬には
・アレグラ(成分名:フェキソフェナジン)
・デザレックス(成分名:デスロラタジン)
など、ほかにも選択肢があります。
症状や体質に合わせて薬を変更できる場合もありますので、気になる場合は医師に相談しましょう。
Q3. クラリチンが効かない場合はどうすればいいですか?
症状が強い場合は、点鼻ステロイド薬などを併用することがあります。
また、スギ花粉が原因の花粉症では、アレルゲン免疫療法(舌下免疫療法)という治療法もあります。
これは、アレルゲンを少量ずつ体に慣らしていく治療で、数年間継続することで症状の軽減が期待できます。
治療開始から効果が実感できるまでには時間がかかりますが、長期的にみると花粉症の体質改善につながる可能性があります。
Q4. お酒と一緒に飲んでも大丈夫ですか?
アルコールは眠気を強める可能性があります。
クラリチンを服用している間は、飲酒を控えるか量を減らすなど注意が必要です。
Q5. 子どもでも安全に使えますか?
クラリチンは小児にも使用される薬ですが、年齢や体重によって服用量が異なります。
必ず医師の指示に従って服用してください。
5.クラリチンの薬価
クラリチンの1錠あたり、または1gあたりの価格(2026年3月調べ)は次のとおりです。
・クラリチン錠10mg 31.7円/錠
・クラリチンレディタブ錠10mg 31.7円/錠
・クラリチンドライシロップ1% 61.7円/g
レディタブは、口の中に入れると唾液で溶ける口腔内崩壊錠なので、水がなくても服用することができます。
ミント味で清涼感があります。
クラリチンにはジェネリックや市販薬もあります。
ジェネリック医薬品であるロラタジンの薬価(2026年3月調べ)は以下のとおりです。
・ロラタジン錠10mg 14.8円/錠
・ロラタジンOD錠10mg 14.8円/錠
・ロラタジンODフィルム10mg 14.8円/錠
・ロラタジンドライシロップ1% 31.7円/g
ジェネリック医薬品のロラタジンには、錠剤とドライシロップのほかに、口の中に入れると唾液で溶けるOD錠やODフィルムがあります。
これらはクラリチンのレディタブと同じように、水なしで服用できます。
6.おわりに
クラリチンは、1日1回の服用で効果が持続し、第2世代抗ヒスタミン薬の中では眠気が比較的少ないとされる薬です。
そのため、日常生活の中でも使いやすい花粉症治療薬の一つといえます。
ただし、薬の効果や副作用の感じ方には個人差があります。
症状が十分に改善しない場合や副作用が気になる場合は、無理に服用を続けず医師に相談しましょう。
花粉症は毎年繰り返すことの多い症状ですが、薬の選択や治療法の工夫によってコントロールできる場合もあります。
気になる症状がある方は、早めに医療機関へ相談してみてください。












