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朝起きると頭が痛い原因は?考えられる病気や対処法、受診の目安を医師が解説

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2026年09月04日

 ・朝起きた瞬間から頭が痛い

 ・毎朝のように頭痛がある

このような症状には、睡眠不足や肩こりのほか、他の病気が隠れているケースもあります。

この記事では、朝起きたときに頭痛が起こる主な原因と対処法、そして病院を受診すべき目安について詳しく解説していきます。

1. 朝起きると頭が痛い主な原因


朝起きたときの頭痛は、睡眠中の体の変化や生活習慣、病気など、さまざまな要因によって引き起こされます。

1-1. 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に呼吸が何度も止まったり浅くなったりする病気です。この病気になると睡眠の質が大きく低下するため、朝起きたときに頭痛が現れることがあります。

睡眠時無呼吸症候群による起床時の頭痛は、睡眠中の酸素不足や二酸化炭素の増加、睡眠が何度も中断されることなどが関係していると考えられています。

睡眠時無呼吸症候群では、頭痛以外にも次のような症状がみられることがあります。

 ・激しいいびき

 ・睡眠中に呼吸が止まる

 ・日中の強い眠気

 ・起床時の口の渇き

「毎朝のように頭痛がする」「家族からいびきや無呼吸を指摘されたことがある」という方は、睡眠時無呼吸症候群が隠れている可能性があります。

放置すると、高血圧や心血管疾患などのリスクが高まることが知られているため、早めに呼吸器内科や睡眠外来を受診することをおすすめします。

◆「睡眠時無呼吸症候群」についてもっとくわしく>>

1-2. 緊張型頭痛

緊張型頭痛は、日本で最も多い頭痛のタイプです。

首や肩、頭の筋肉への負担などによって起こると考えられており、頭全体が締め付けられるような痛みが特徴です。

寝ている間に無理な姿勢が続いたり、自分に合わない枕を使用したりすると、首や肩の筋肉に負担がかかり、朝起きたときに頭痛が現れることがあります。

また、長時間のスマートフォン操作やデスクワークによる首・肩への負担に加え、精神的ストレスも緊張型頭痛の発症や悪化に関与すると考えられています。

【参考情報】『Tension headache』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/tension-headache/symptoms-causes/syc-20353977

1-3. 片頭痛

片頭痛は、脈を打つようなズキズキとした痛みが特徴の頭痛です。

発作は睡眠中から早朝にかけて起こることがあり、朝起きたときにはすでに頭痛が始まっている場合があります。

また、睡眠不足だけでなく、休日の寝過ぎやストレスから解放されたタイミングなどが誘因となることもあります。

痛みは頭の片側に現れることが多いものの、両側が痛むこともあります。さらに、吐き気や嘔吐を伴ったり、光や音に敏感になったりすることが特徴です。

人によっては、においに敏感になることもあります。

【参考情報】『Migraine』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/migraine-headache/symptoms-causes/syc-20360201

1-4. 歯ぎしり・食いしばり

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、朝の頭痛の一因となることがあります。

無意識のうちに強い力で歯を噛みしめることで、あごやこめかみの筋肉に負担がかかり、起床時に頭痛を感じることがあります。

朝起きたときにあごがだるい、口が開けにくい、歯科で歯のすり減りを指摘されたことがあるといった場合は、歯ぎしりや食いしばりが関係している可能性があります。

【参考情報】『Teeth grinding (bruxism)』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/bruxism/symptoms-causes/syc-20356095

◆「いびきと歯ぎしりの関係」をチェック>>

1-5. 飲酒

前日にお酒を飲み過ぎると、翌朝に頭痛が起こることがあります。

アルコールには利尿作用があるため、体内の水分が失われて脱水状態になりやすくなります。また、睡眠が浅くなり、睡眠の質が低下することも翌朝の頭痛に関係していると考えられています。

さらに、アルコールは喉や舌など上気道の筋肉をゆるめるため、いびきや睡眠時無呼吸症候群を悪化させることがあります。その結果、起床時の頭痛につながることもあります。

1-6. 睡眠不足・睡眠の質の低下

睡眠時間が不足したり、睡眠の質が低下したりすると、朝起きたときに頭痛を感じることがあります。

夜更かしや不規則な生活、ストレス、寝室環境の悪さなどは、十分な睡眠を妨げる原因になります。

睡眠不足が続くと、頭痛が起こりやすくなるだけでなく、日中の眠気や集中力の低下、疲労感などが現れることもあります。

1-7. カフェイン離脱

毎日コーヒーやエナジードリンクなどを飲んでいる人では、睡眠中にカフェインを摂取しない時間が長く続くことで、起床時に頭痛が起こることがあります。

これは「カフェイン離脱」と呼ばれる状態で、カフェインを摂取すると頭痛が改善することが特徴です。

カフェインを急にやめたり、大幅に摂取量を減らしたりすると頭痛が起こることがあるため、減らす場合は少しずつ量を調整するとよいでしょう。

【参考情報】『Caffeine Withdrawal』National Library of Medicine
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK430790/

1-8. その他の原因

朝の頭痛は、次のような原因によって起こることもあります。

<脱水>
睡眠中に失われた水分を十分に補えないと、軽い脱水によって頭痛が起こることがあります。

<副鼻腔炎>
副鼻腔に炎症があると、額や頬、目の周囲に痛みや圧迫感を感じることがあります。症状は起床時に強く感じられることもあります。

◆「副鼻腔炎とはどんな病気?」>>

<高血圧>
一般的な高血圧だけで慢性的な頭痛が起こることは多くありませんが、血圧が著しく高い場合には頭痛が現れることがあります。

◆「高血圧の原因・症状・治療法と自分でできる対策」>>

<薬剤の影響>
頭痛薬を頻繁に服用している人では、薬物乱用頭痛によって起床時から頭痛がみられることがあります。また、一部の薬の副作用で頭痛が起こることもあります。

【参考情報】『薬剤の使用過多による頭痛』日本頭痛学会
https://www.jhsnet.net/ippan_zutu_kaisetu_05.html

2. 朝の頭痛で危険な病気が隠れていることもある


朝起きたときの頭痛の中には、緊急性の高い病気が隠れていることもあります。

2-1. すぐに救急受診が必要な症状

次のような症状がある場合は、救急外来を受診するか、119番へ連絡してください。

 ・突然、「今まで経験したことがないほど激しい頭痛」が起こった

 ・手足のしびれや麻痺がある

 ・ろれつが回らない、言葉が出にくい

 ・意識がもうろうとしている、呼びかけへの反応が鈍い

 ・高熱があり、首に強い痛みや硬さがある

このような症状は、くも膜下出血や脳出血、脳梗塞、髄膜炎などの重篤な病気が原因となっている可能性があります。

これらの病気では、治療開始が遅れると命に関わったり、重い後遺症が残ったりするおそれがあります。

【参考情報】『消防救急無線・119番緊急通報』総務省消防庁
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/kyukyumusen_kinkyutuhou/119.html

2-2. 早めに医療機関を受診したほうがよい症状

救急受診が必要な状態ではなくても、次のような場合は早めに医療機関を受診しましょう。

 ・毎朝のように頭痛が続いている

 ・頭痛が以前より徐々に強くなっている、または頻度が増えている

 ・市販の鎮痛薬を飲んでも改善しない、または服用する機会が増えている

 ・朝だけでなく日中まで頭痛が続く

特に症状が長引く場合や日常生活に支障が出ている場合は、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けましょう。

3. 朝起きると頭が痛いときのセルフチェック


朝の頭痛の原因はさまざまですが、痛みの特徴や一緒に現れる症状を確認することで、原因の見当をつけられる場合があります。

次の表を参考に、ご自身の症状に当てはまるものがないか確認してみましょう。ただし、あくまで目安であり、正確な診断は医療機関で行われます。

チェック項目考えられる原因
激しいいびきをかく、睡眠中の呼吸停止を指摘されたことがある睡眠時無呼吸症候群
日中に強い眠気がある、十分寝ても眠い睡眠時無呼吸症候群
首や肩のこりが強く、頭全体が締め付けられるように痛む緊張型頭痛
ズキズキと脈打つような痛みがあり、吐き気や光・音がつらい片頭痛
朝起きるとあごがだるい、歯ぎしりを指摘されたことがある歯ぎしり・食いしばり
前日に飲酒した、飲酒量が多かったアルコールによる頭痛
水分摂取が少ない、起床時に口の渇きを感じる脱水
鼻づまりや黄色い鼻水、頬や額の痛みがある副鼻腔炎

4. 朝起きると頭が痛いときの対処法


朝の頭痛は、症状が軽かったり一時的な場合は、日々の生活習慣を少し見直すことで改善できる場合があります。

4-1. 水分補給をする

睡眠中は汗や呼吸によって水分が失われるため、起床時には軽い脱水状態になっていることがあります。

朝起きたらコップ1杯程度の水を飲み、水分を補給しましょう。特に前日に飲酒した場合や、暑い時期は脱水になりやすいため、こまめな水分補給を心がけることが大切です。

4-2. 十分な睡眠をとる

睡眠不足や睡眠の質の低下は、朝の頭痛の原因になります。毎日できるだけ同じ時間に就寝・起床する習慣をつけ、十分な睡眠時間を確保しましょう。

また、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室の温度や照明を整えることも睡眠の質の改善につながります。

4-3. 枕や寝姿勢を見直す

自分に合わない枕や無理な寝姿勢は、首や肩の筋肉に負担をかけ、緊張型頭痛の原因になることがあります。

枕の高さや硬さを見直し、首が自然な角度になるよう調整しましょう。また、長時間同じ姿勢で寝続けないよう、寝具が体に合っているか確認することも大切です。

4-4. 飲酒を控える

アルコールは脱水を招くだけでなく、睡眠の質を低下させ、いびきや睡眠時無呼吸症候群を悪化させることがあります。

◆「お酒でいびきがひどくなるのはなぜ?」>>

朝の頭痛が飲酒後によく起こる場合は、飲酒量を減らしたり、就寝直前の飲酒を避けたりすることで改善が期待できます。飲酒時は水分も十分に補給するようにしましょう。

5. 何科を受診すればよい?


朝起きたときの頭痛は原因によって受診すべき診療科が異なります。

「どこを受診すればよいかわからない」と迷う方も多いですが、頭痛の特徴や一緒に現れる症状を参考にすると、適切な診療科を選びやすくなります。

症状おすすめの診療科
激しいいびき、睡眠中の呼吸停止、日中の強い眠気がある呼吸器内科・睡眠外来
ズキズキと脈打つような頭痛、吐き気や光・音への過敏がある脳神経内科・脳神経外科
首や肩のこりが強く、締め付けられるような頭痛がある内科
鼻づまり、黄色い鼻水、頬や額の痛みがある耳鼻咽喉科
突然の激しい頭痛、手足の麻痺、ろれつが回らない、意識障害がある救急外来

受診先に迷う場合は、まず内科を受診し、必要に応じて専門の診療科を紹介してもらう方法もあります。

ただし、いびきや日中の眠気を伴う朝の頭痛では、初めから呼吸器内科や睡眠外来を受診すると、原因の特定や治療がスムーズに進みやすいでしょう。

◆「呼吸器内科で睡眠時無呼吸症候群の検査と治療ができます」>>

6. おわりに

朝起きたときの頭痛は、睡眠不足や脱水などによる一時的なものから、睡眠時無呼吸症候群など治療が必要な病気まで、さまざまな原因で起こります。

特に、「毎朝のように頭痛がある」「激しいいびきを繰り返す」「日中に強い眠気がある」といった症状がみられる場合は、睡眠時無呼吸症候群が原因となっている可能性があります。

朝の頭痛が繰り返し起こる場合は、「寝不足だから」「疲れているだけ」と自己判断せず、症状に応じた医療機関を受診し、原因を明らかにすることが大切です。

原因に合った治療を受けることで、頭痛だけでなく睡眠の質や日中の活動性の改善にもつながります。

◆当院の睡眠時無呼吸症候群治療について>>

以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします

  • 家族にいびきや呼吸の止まりを指摘されたことがある
  • 日中に強い眠気を感じる
  • 朝起きたときに頭痛や口の渇きがある
  • 十分寝ているのに疲れがとれない
  • 夜中に何度も目が覚める

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