花粉症治療薬シダキュアとは?効果や副作用、使い方を解説

シダキュアは、スギ花粉症に対して行う「舌下免疫療法」に使われる薬です。
一般的な抗アレルギー薬が症状を抑える治療なのに対し、この薬はスギ花粉エキスを少量ずつ体に取り入れ、アレルギー反応を起こしにくくする治療法です。
シダキュアは、スギ花粉症の体質改善を目指す治療薬とされていますが、継続した服用や定期的な通院が必要になります。
この記事では、シダキュアの特徴や効果、使い方、副作用についてわかりやすく解説します。
目次
1.シダキュアとはどのような薬か
シダキュアは、標準化スギ花粉エキスを主成分とした錠剤です。
スギ花粉症の減感作療法(舌下免疫療法)という治療に用いられています。
減感作療法は、アレルゲン免疫療法とも呼ばれ、アレルギーの原因となる物質を投与して体を慣れさせ、アレルギー症状を抑える治療法です。
アレルギーは、本来は体に害のない花粉などの物質に対して免疫が過剰に反応することで起こる病気です。
減感作療法では、原因となるアレルゲンを少量ずつ体に取り入れることで、免疫の過剰な反応を起こしにくくすることを目指します。
シダキュアは、その中でも舌の下に薬を置いて服用する「舌下免疫療法」に使用される薬です。
毎日服用を続けることで、体がスギ花粉に徐々に慣れ、花粉に対するアレルギー反応を起こしにくくすることが期待されています。
【参考情報】『花粉症』日本アレルギー学会
https://allergyportal.jp/knowledge/hay-fever/
花粉症治療によく使われるアレグラやアレロックなどの抗アレルギー薬は、一時的に症状を抑えるだけですが、シダキュアは根本的な治療に近い効果が期待でき、治療終了後も数年間効果が持続するとされています。
なお、シダキュアは現在5歳以上の方を対象として処方される薬です。
また、シダキュアはすべてのスギ花粉症の方に効果が出るわけではありません。
治療が成功する場合でも、通常3〜5年と長期にわたる通院が必要です。
治療の効果には個人差があり、症状の改善の程度や効果が現れるまでの期間は人によって異なります。
そのため、医師と相談しながら継続的に治療を行うことが大切です。
2.シダキュアの使い方
シダキュアは、舌下免疫療法として毎日継続して服用することで効果が期待できる薬です。
安全に治療を続けるためには、服用方法や開始できる時期などを正しく理解しておくことが大切です。
2-1. シダキュアを始められる年齢と開始時期
シダキュアは、5歳以上のスギ花粉症の方が使用できます。
ただし、スギ花粉が飛散している時期には服用を開始できないため、服用を始める時期については、事前に医師に相談しましょう。
一般的には、スギ花粉の飛散が少ない6月頃から12月頃までに治療を開始します。
花粉が飛散している時期に治療を開始すると、アレルギー反応が強く出る可能性があります。
そのため、翌年の花粉シーズンに備えて、花粉が飛散していない時期から治療を始めることが大切です。
なお、すでにシダキュアによる治療を継続している場合は、花粉が飛散している時期でも服用を続けることができます。
2-2. シダキュアの服用方法
初回の服用は副作用の有無を確認するため医療機関で行います。
問題がなければ、2回目以降は自宅で毎日服用を続けます。
・服用開始〜7日間
「シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU」を、1日1回、1錠服用します。
錠剤を舌下(舌の裏側)に1分間保持し、その後飲み込みます。
・8日目以降
錠剤の種類が「シダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAU」に変わります。
これまでと同じように、1日1回、1錠を舌下(舌の裏側)に1分間保持し、その後飲み込みます。
シダキュアは舌下に置くとすぐに溶けますが、1分間は飲み込まずに我慢してください。
さらに、服用後は5分間、うがいや飲食を控えてください。
また、服用前後2時間程度は激しい運動や入浴を避けることが望ましいとされています。
これは、体温が上昇するとアレルギー反応が強く出る可能性があるためです。
2-3. 服用時の注意点と通院
シダキュアを服用する際は、少なくとも月に1回の通院が必要です。
通院が難しい場合は、事前に医師に相談しましょう。
また、シダキュアによる舌下免疫療法は通常3〜5年ほど継続して行う治療とされています。
治療を続けることで花粉症の症状の軽減や、花粉症の薬の使用量の減少が期待できる場合があります。
治療の効果には個人差があり、すべての方に同じ程度の効果が現れるわけではありません。
そのため、医師と相談しながら定期的に経過を確認し、治療を継続することが大切です。
【参考情報】『Allergen Immunotherapy』American College of Allergy, Asthma & Immunology
https://acaai.org/allergies/management-treatment/allergy-immunotherapy/
3.シダキュアの効果
シダキュアによる舌下免疫療法は、スギ花粉症の症状を長期的に改善することが期待される治療法です。
一般的な抗アレルギー薬が症状を一時的に抑える対症療法であるのに対し、舌下免疫療法はアレルギー反応そのものを起こしにくい体質へ変えていく治療とされています。
舌下免疫療法では、スギ花粉の成分を少量ずつ体に取り入れることで、免疫の過剰な反応を徐々に抑えていきます。
その結果、花粉に触れたときのアレルギー反応が弱まり、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどの症状の軽減が期待できます。
花粉症は医学的には「季節性アレルギー性鼻炎」と呼ばれる病気の一種で、アレルゲン免疫療法はアレルギー性鼻炎の治療法の一つとして行われています。
舌下免疫療法を行った患者さんの約70〜80%で花粉症症状の改善や、薬の使用量の減少がみられたと報告されています。
ただし、シダキュアの効果は服用を始めてすぐに現れるわけではありません。
早い方では数か月ほどで症状の改善を感じることがありますが、多くの場合は1〜2年ほど継続することで効果が実感しやすくなるとされています。
また、舌下免疫療法は一定期間治療を続けることで効果が期待できる治療です。
治療を数年間継続した場合、花粉症の症状が軽くなるだけでなく、治療終了後も数年間にわたり効果が持続する可能性があるとされています。
ただし、治療の効果には個人差があり、すべての方に同じ程度の改善がみられるわけではありません。
症状の改善の程度や効果が現れるまでの期間は人によって異なります。
【参考情報】『アレルギー性鼻炎の治療』国立成育医療研究センター
https://www.ncchd.go.jp/hospital/sickness/children/allergy/allergic_rhinitis.html
4.シダキュアの副作用
シダキュアの副作用には、以下のようなものがあります。
これらは比較的よくみられる副作用で、服用開始直後に現れることがありますが、多くの場合は軽度で治療を続けるうちに軽くなることが多いとされています。
・口の中やくちびるの腫れ、かゆみ
・のどの刺激感、不快感
・耳のかゆみ
これらの症状はアレルゲン免疫療法の特性上、口の中やのどなど薬が触れる部分に起こることが多い副作用です。
さらに、重篤な副作用としてアナフィラキシーショックがあります。
この場合、以下の症状が30分以内に現れることが多いです。
・血圧低下
・呼吸困難
・全身のじんましん
・顔のむくみ
【参考情報】『Anaphylaxis』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/anaphylaxis/symptoms-causes/syc-20351468
そのため、初めて服用する際には服用後30分間に副作用が起きないかどうか確かめるため、医師の観察が必要です。
シダキュアを初めて服用する時は、時間に余裕を持って病院を受診しましょう。
アナフィラキシーショックは、簡単に言うとアレルギー症状が重篤化した状態です。
シダキュアは、アレルゲンであるスギ花粉のエキスが含まれているため、以下の注意事項を守らないとアナフィラキシーショックを引き起こす可能性が高くなります。
副作用を防ぐため、シダキュア服用前後2時間は以下の行動を避けてください。
・激しい運動
・アルコール摂取
・入浴など体を温める動作
これらの行動で体が温まると、シダキュアの吸収が促進され副作用が起こりやすくなる可能性があります。
また、発熱しているときや体調がすぐれないとき、口の中に傷や炎症があるときは、服用を控えることが望ましい場合があります。
気になる症状がある場合は、自己判断で続けず医師に相談しましょう。
【参考情報】『シダキュア スギ花粉舌下錠 2,000JAU/シダキュア スギ花粉舌下錠 5,000JAU』医薬品医療機器総合機構
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/480306_4490035F1027_1_08
5.使用上の注意点
<服用を続けるためのポイント>
シダキュアは、毎日服用する必要がある薬です。
服用を忘れると効果が得られない可能性があるため、毎日決まった時間に服用することを心がけましょう。
舌下免疫療法は長期間継続することで効果が期待できる治療のため、できるだけ服用を忘れないことが大切です。
<治療できない場合や注意が必要な方>
妊娠中や授乳中は、新たにシダキュア治療を開始することは推奨されていません。
すでに治療を継続している場合でも、妊娠が分かった時点で医師に相談するようにしましょう。
前述のとおり、5歳未満の子どもは使用できません。
また、高齢の方は安全性や有効性が十分に確認されていない場合があるため、使用できないことがあります。
その他、薬や病気によって免疫機能が落ちている方や他の病気を治療中の方、口の中に傷がある方もシダキュアが服用できない場合があります。
特に、重症喘息の方はシダキュアを使用できないため、必ず医師に相談してください。
また、発熱しているときや体調がすぐれないとき、歯科治療の直後などは副作用が起こりやすくなる可能性があるため、服用を控えることがあります。
体調に変化がある場合は、自己判断で服用を続けず医師に相談してください。
<薬の取り扱いと処方できる医療機関>
シダキュアは湿気に弱いため、服用する直前に乾いた手で取り出しましょう。
また、他の錠剤よりも柔らかいため、取り出すときは指で押し潰さないように気をつけてください。
シダキュアはすべての医療機関で処方できるわけではなく、アレルゲン免疫療法(減感作療法)に関する講習を受けた医師のみが処方することができます。
シダキュアを処方できる医療機関は、シダキュア販売元の鳥居薬品のサイトで確認できます。
【参考情報】『スギ花粉症に対する舌下免疫療法相談施設検索』鳥居薬品
https://www.torii-alg.jp/mapsearch/cryptomeria.html
6.シダキュアの薬価
シダキュアの1錠あたりの薬価(2026年3月調べ)は次のとおりです。
・シダキュアスギ花粉舌下錠2,000JAU 58.5円/錠
・シダキュアスギ花粉舌下錠5,000JAU 146.1円/錠
健康保険が適用されるため、自己負担が3割の場合、実際の薬代はこの金額の約3割が目安となります。
例えば維持量である5,000JAUを1日1錠服用する場合、薬代は1日あたりおよそ40〜50円程度(3割負担の場合)となります。
ただし、実際の医療費には診察料や処方料などが加わるため、受診時の費用は医療機関によって異なる場合があります。
2026年3月現在、シダキュアの代わりとなるジェネリック医薬品はありません。
また、スギ花粉エキスを配合した市販薬も存在しません。
そのため、シダキュアによる舌下免疫療法は医療機関で処方を受けて行う必要があります。
7.おわりに
シダキュアはスギ花粉症の原因となるアレルギー反応を起こしにくくすることを目的とした舌下免疫療法の治療薬です。
抗アレルギー薬だけでは症状が十分に改善しない場合には、治療の選択肢の一つとして検討されることがあります。
ただし、シダキュアはスギ花粉症の治療薬であり、ヒノキやブタクサなどスギ以外の花粉でアレルギーの症状が出る人には使えません。
また、治療を始める前には、スギ花粉が原因であることを確認するための検査が必要になります。
花粉症のような症状があるけれど、スギ花粉が原因かどうかわからない場合は、まずは病院でアレルギーの検査を受けることをおすすめします。












