ブログカテゴリ
外来

喘息や咳喘息にベストな病院選び

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2020年07月27日
呼吸器内科

喘息は良く聞く身近な病気ではありますが、「一歩間違えば命を落とすこともある」ということをご存知でしょうか。

現在、日本国民の3人に1人はなんらかのアレルギー疾患を持っており、その中でも喘息の患者数は子どもから大人まで含めて400万人を超えると言われています。
 
厚生労働省の人口動態統計によると、2017年には1794人の方が喘息で亡くなっています。

※平成 29 年(2017) 人口動態統計(確定数)の概況
第7表 死因簡単分類別にみた性別死亡数・死亡率(人口10万対)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei17/dl/11_h7.pdf

さらに、そのうち約3割の方が、発作が起きてからわずか1~3時間で亡くなっているのです。

※厚生労働省 喘息死ゼロ作戦評価委員会 
 喘息死ゼロ作戦の実行に関する指針
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jititai05.pdf#search=’%E5%96%98%E6%81%AF++%E7%99%BA%E4%BD%9C+%EF%BC%91%EF%BD%9E%EF%BC%93%E6%99%82%E9%96%93%E3%81%A7%E6%AD%BB%E4%BA%A1′

もし、「どうせただの風邪だろう」と勘違いして、喘息に気づくのが遅れたり、「たかが喘息だから」と軽く考え、放っておいている方がいるとしたら、それはとても危険です。

喘息は、気道に炎症が生じることによって狭くなるために、呼吸が苦しくなる病気です。そして残念ながら、今の医学では完治が難しい病気でもあります。

しかし、定期的な通院と適切な治療を続けていけば、喘息になっても健康な人と変わらない生活を送ることができるのです。

まずは、あなたや身近な人が、咳が続いている時にどうすればいいのか、その具体的な方法をチェックしてみましょう。

1.咳が2週間以上続いたら、喘息を疑いましょう

カレンダー
咳が長く続いている時は、喘息やほかの病気が隠れている場合があります。そんな時は、放っておいても問題ない咳なのか、それとも治療が必要な咳なのか、しっかり見極める必要があります。

咳の原因で一番多いのが、風邪やインフルエンザなどのウイルス感染によるものです。そのほか、肺炎球菌やインフルエンザ菌(※インフルエンザウイルスとは別の細菌)などの細菌感染、そして、マイコプラズマやウイルス以外の微生物の感染によっても咳が出ます。

これら感染症によって起こる咳は、2週間以内に治まることがほとんどです。しかし、それ以上咳が続いている場合は、喘息をはじめとした呼吸器系の病気である可能性が高くなってきます。

それ以外にも、次の症状にあてはまるものがないかどうか、チェックしてみてください。

・粘り気のある痰が多く、なかなかとれない
・寝ている状態よりも、体を起こした方が呼吸しやすい
・軽めの運動でも、すぐに息苦しくなる
・夜中に息苦しくて目が覚めることがある
・息をするたびに「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という音がする

このうち1つでもあてはまるなら、病院を受診して咳の原因を調べてください。

咳が2週間以上続く原因には、喘息・咳喘息のほか、COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺炎、肺がん、結核などいろいろな病気があります。
 
◆「喘息と間違いやすい病気」について>>

2.喘息の疑いがある時は、呼吸器内科を受診しましょう

診察
喘息や咳喘息の疑いがある時は、呼吸器内科を受診するのがベストです。

呼吸器内科も、病院や医師によってそれぞれ得意分野は違います。病院を選ぶ際は、ホームページなどで次の項目をチェックすることをおすすめします。

・咳に対する診療経験が豊富な医師が診察しているか
・喘息や咳の患者さんの診療実績(治療実績)がどれくらいなのか
・咳の原因を調べるために必要な検査設備がそろっているか

咳が続いたとき、自宅や職場近くにある一般内科のクリニックを受診する人も多いのですが、一般内科は咳以外の症状で受診する人も多く、医師が喘息や咳喘息の患者さんを診る機会は少なくなりがちです。

喘息の治療にはさまざまな薬があり、患者さんの症状にあった治療薬の選択にはかなりの経験を要します。そのため、診療経験豊富な専門医のいる病院を受診することを、強くおすすめします。

大学病院をはじめとする規模の大きな病院は、肺がんをはじめとする入院して行うような検査や治療が必要な病気を中心に診療していることがほとんどです。また、受診にはかかりつけ医の紹介状が必要となるので、まずは喘息の診療経験が豊富な呼吸器内科を探して受診しましょう。

日本呼吸器学会 専門医一覧
https://www.jrs.or.jp/modules/senmoni/

3.喘息と咳喘息の違いとは

患者さんから「私は喘息ですか? それとも咳喘息ですか?」と聞かれることは多いのですが、喘息と咳喘息は同じ病気だと考えてください。

◆喘息とは>>

喘息が進行すると息が苦しくなって、呼吸をするたびに「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という音がします。しかし、初期のうちはこの音が出ません。

この、「ヒューヒュー」「ゼイゼイ」という音はしないけれど、咳がなかなか止まらない状態の患者さんを咳喘息といいます。つまり、咳喘息とは軽症の喘息なのです。

咳喘息の治療には、喘息と同じように、気道を広げる吸入ステロイド薬や気管支拡張薬を使います。治療を続ければ1~2ヶ月程度で治りますが、放っておくと咳が慢性化して気道が狭くなり、そのうち3~4割は本格的な喘息へと移行します。

咳喘息は、風邪を引いた後に起こることが多いため、風邪が長引いていると勘違いしやすいため注意が必要です。

4.おわりに

健康な人でも、汚れた空気を吸った時や、食べ物をのどに詰まらせたときなどに咳は出ます。咳は体を守る防御反応のひとつで、体内に入ってきた異物を排除するために出ます。

そのため、咳が続いても「たいしたことない」「よくあること」と思われがちですが、健康な人が2週間以上咳が続くことは、まずありません。

喘息・咳喘息は、早期診断・早期治療が大切です。咳が2週間以上続いたらただの風邪と考えず、喘息治療の経験豊富な呼吸器内科専門医のいるクリニックを早めに受診してください。

症状が軽いうちに適切な治療を受けることができれば、様子をみながら通院間隔を減らしていくことも可能です。

電話番号のご案内 電話番号のご案内
当院の診察は完全予約制です
当院の診察は完全予約制です
アクセス
予防接種予約
WEB予約
よくある質問集
求人募集
治験に関するお問い合わせはこちら
糖尿病教室
当院の診察は完全予約制です
アクセス
横浜市南区六ツ川1-81 FHCビル2階