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外来

喘息と間違いやすい病気

執筆者: 三島 渉(医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2019年09月25日

喘息の他にも、咳(せき)が出たり、呼吸が苦しくなる病気はたくさんあります。この記事では、喘息に似た症状がある10の病気を紹介します。

1.咳喘息

咳喘息とは、咳はなかなか止まらないものの、喘息特有のヒューヒュー、ゼイゼイといった音や息苦しさはない状態です。1ヶ月以上しつこい空咳が続き、数ヶ月から数年に渡って続くこともあります。

咳喘息の治療には、喘息と同じように、気道を広げる吸入ステロイド薬や気管支拡張薬を使います。治療を続ければ1~2ヶ月程度で治りますが、放っておくと、咳が慢性化して気道が狭くなり、そのうち3~4割は本格的な喘息へと移行します。風邪(かぜ)の後に起こることが多いため、風邪が長引いていると考えてしまいやすいので注意が必要です。

2.COPD(慢性閉塞性肺疾患)


COPDとは、肺が炎症を起こして働きが悪くなり、呼吸がしにくくなる病気です。主な原因はタバコの煙で、COPD患者の90%以上が今現在もタバコを吸っている人、または過去にタバコを吸っていたことがある人です。

特徴的な症状は「息切れ」です。階段を昇るとすぐに息切れしてしまったり、歩くだけでも苦しくて、スピードが遅くなりがちです。さらに、息苦しくなるのが嫌で動かなくなるため筋肉が委縮したり、肺の中に空気が残るようになることで、胸部が前後に膨らんでビール樽のような体型になることがあります。(→詳しくはCOPD記事へ)
※ https://www.kamimutsukawa.com/blog2/copd/001/ にリンク

3.アトピー咳嗽(がいそう)

アトピー咳嗽は、咳喘息と同じように喘息の発作はないものの、いつまでも咳が続く病気です。気道にアトピー(アレルギー反応)が起こるために起こる病気で、アトピー体質のある方に多く見られます。

咳喘息では、喘息の治療に用いる気管支拡張剤による効果が期待できますが、アトピー咳嗽では効果がありませんし、喘息に移行することもありません。治療には、アレルギー反応によって分泌されるヒスタミンを抑えるため、抗ヒスタミン薬を使います。

4.肺がん

肺がんでも、喘息と同じように咳や痰が出ますが、痰に血が混じっていることがあります。また、食道が圧迫されることで食べ物が飲みこみにくくなったり、喉頭や声帯の神経を圧迫されることで、声がかすれることがあります。

肺がんは喫煙との関連が非常に大きい病気ですが、職業上、アスベストやヒ素などの有害物質にさらされている人や、有害物質に汚染された大気を吸い込むことでリスクが高まります。主な治療方法は外科治療(手術)、化学療法(抗がん剤、分子標的薬)、放射線療法です。

5.肺結核

肺結核は、結核菌に感染することによって発症する肺の感染症です。乾いた咳と痰の絡んだ咳の両方が出て、2週間以上続きます。発熱や全身倦怠感、のどの痛みなど、風邪に似た症状が見られ、重症になると血痰が出ます。

治療には抗結核薬を用います。期間は6ヶ月間と長いのですが、途中で薬を飲むのを止めたり、勝手に減らしてしまうと、薬剤耐性結核となり、薬が効かなくなってしまいます。 結核菌が痰から大量に出ている場合は、専門施設で入院して治療をします。

6.急性細気管支炎


風邪などのウイルスが細い気道に感染して起こる病気で、2歳未満のお子さんにみられることが多いです。気道が狭くなり、咳や痰のほか、喘息の時と同じようなヒューヒュー、ゼイゼイという呼吸音がします。

治療薬はないので、痰が出やすくなる薬などを使って、つらい症状を和らげます。水分補給をしながら安静にしていると、1週間ほどで症状が改善することが多いのですが、症状が重い時は治療のため入院することがあります。

7.百日咳

百日咳菌(Bordetella pertussis)に感染することで起こる病気で、その名の通り、激しい咳が長期間続きます。コンコン、ヒーという乾いた音のする空咳に加え、頭痛や全身倦怠感、筋肉痛など、風邪に似た症状があります。

治療には抗生物質が使用されます。重症化すると呼吸困難になることもあり、入院も考えられますが、ワクチンによる予防が効果的なので、対象年齢のお子さんは必ず予防接種を受けるようにしましょう。

8.細菌性肺炎

細菌性肺炎は、肺炎球菌、インフルエンザ菌、黄色ブドウ球菌などの細菌によって起こる肺炎です。激しい咳のほか、発熱や胸の痛み、全身倦怠感、呼吸困難などの症状があります。風邪などで弱っている気管支や肺の粘膜に、細菌が付着して起こることが多く、もともと病気で免疫力が低下しているところで発症すると、なかなか治りません。

治療には、抗生物質を使用します。呼吸障害が強い場合には、入院して治療を行うこともあります。

9.マイコプラズマ肺炎

マイコプラズマ肺炎とは、肺炎マイコプラズマという微生物によって引き起こされる呼吸器の感染症です。発熱や全身のだるさのほか、乾いた激しい咳がしつこく長く続くのが特徴です。

マイコプラズマに感染しても、多くの場合は気管支炎などの軽い症状で済みますが、時には重症化して肺炎になることもあります。その場合は、抗生物質を使用して治療します。

10.感染後咳嗽

風邪をひいた後などに、咳だけが長く続くものの異常は見られず、自然に治っていくものを指します。胸部X線写真で肺炎などの病気が隠れていないか確かめてから診断します。

11.おわりに

記事の内容は、あくまで判断の目安となるものです。咳が2週間以上続いていたら、最終的には近くの病院できちんと検査をして、必ず医師の診断を受けましょう。

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