喘息・COPD・気管支炎治療薬「サルタノールインヘラー」の特徴と効果、副作用
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サルタノールインヘラーは喘息の治療に用いる薬で、COPD・気管支炎・肺結核の治療にも使用されます。
この記事では、サルタノールインヘラーの使い方や効果、副作用などについて解説します。
初めて使う方も、使っているうちに疑問点が出てきた方も、ぜひ読んで確認してください。
1.サルタノールインヘラーとはどのような薬か
サルタノールは、短時間作用性β2(ベータツー)刺激薬(SABA)のサルブタモール硫酸塩が配合された薬です。「インヘラー」とは吸入薬の意味です。
気管支の筋肉に働きかけてすぐにゆるめることで狭くなった気道を広げ、喘息発作のときの咳や息苦しさを和らげます。また、運動誘発性喘息に対しても使用されることがあります。
吸入後は作用発現が早く、通常は約5分以内に効果が現れ始めます。効果の持続時間は、およそ3〜6時間とされています。
喘息の治療薬には、毎日服用することで発作を予防する「コントローラー(長期管理薬)」と、発作時にすぐに症状を抑える「リリーバー(発作治療薬)」があります。
サルタノールインヘラーは、「リリーバー」にあたる薬です。効き目が早いのが特徴ですが、その効果は一時的なもので、病気自体を治す薬ではありません。
2.サルタノールインヘラーの使い方
サルタノールインヘラーは、容器にボンベが装着された定量噴霧式吸入薬(pMDI)です。ボンベを押し込むことで薬剤がミスト状に噴霧され、それを吸入します。
通常の使用量は、成人では1〜2吸入、小児では1吸入から使用されることが多く、症状や医師の指示に応じて調整されます。
吸入時には、「同調(噴霧と吸入のタイミングをあわせる)」と呼ばれる動作が重要なので、吸入方法を正しく理解しておくことが重要です。
<サルタノールインヘラーの使用方法>
①キャップを外す
アダプターのキャップを外し、押しボタンが上になるように容器を持ちます。
②吸入器をよく振る
ボンベの中の薬剤を混ぜ合わせます
③息を吐き出す
姿勢を正し、無理のない程度で、しっかり息を吐き切ります。
④薬剤を吸い込む
マウスピース(吸入口)を口に加え、しっかりと唇で覆います。息を吸い込み始めると同時に、ボンベの底を強く1回押し込み、薬を「ゆっくり」「深く」吸い込みます。
⑤息を止める
薬剤を吸い込んだら、マウスピースから口を離して3~5秒ほど息を止め、その後ゆっくりと息を吐いて呼吸を再開します。
⑥キャップをつける
⑦うがいをする
サルタノールインヘラーにはステロイドは含まれていないため、うがいは必須ではありません。ただし口の中に違和感が残る場合などにうがいを行っても問題はありません。
【参考情報】『サルタノールインヘラーの吸入方法』GSK
https://kusurigsk.jp/howto/sul_kyunyu.pdf?i=sul
3.サルタノールインヘラーの副作用
サルタノールの主な副作用には、以下のようなものがあります。
・動悸
・脈拍増加
・頭痛
・吐き気
・気道への刺激(喉の刺激感や咳など)
サルタノールは気管支を広げる効果に優れた薬ですが、薬の作用が心臓や血管にも一部及ぶため、動悸や脈拍の増加が起こることがあります。
これらの症状は吸入後に一時的に現れることがありますが、多くは時間の経過とともに自然におさまります。
また、吸入時に喉や気道が刺激され、軽い咳や喉の違和感を感じることがあります。
これらも一時的なことがほとんどですが、症状が続く場合や悪化する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
動悸や脈拍の増加が強い場合や、胸の痛み、息苦しさ、めまいなどを伴う場合は、できるだけ早く病院を受診してください。特に心疾患や不整脈のある方は、症状の変化に注意が必要です。
また、重篤な副作用として、低カリウム血症が報告されています。通常どおりの吸入ではめったにありませんが、短時間に何度も吸入した場合などに起こりやすくなります。
低カリウム血症になると、手足のだるさや脱力感、筋肉のけいれん、しびれなどの症状が現れることがあります。
重症化すると不整脈を引き起こすこともあるため、このような症状がみられた場合は、速やかに医師へ相談してください。
【参考情報】『低カリウム血症』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11121000-Iyakushokuhinkyoku-Soumuka/0000209227.pdf
4.使用上の注意点
サルタノールを使用しても症状が改善しない場合や、以前より使用する回数が増えている場合は、喘息のコントロールが不十分になっている可能性があります。
そのようなときは自己判断で使い続けるのではなく、早めに医師の診察を受けましょう。
小児にも使用できますが、吸入薬は薬剤が噴霧されるタイミングと息を吸うタイミングを合わせる必要があります。
小さなお子さんではうまく吸入できないこともあるため、保護者が吸入をサポートし、必要に応じてスペーサー(吸入補助器具)を使用することがあります。
【参考情報】『スペーサーの種類とメンテナンス』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/control/inhalers/feature02.html
妊娠中または妊娠している可能性がある方、授乳中の方は、使用前に医師へ相談してください。喘息の治療を自己判断で中止すると、母体や赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、医師の指示に従って治療を続けることが重要です。
【参考情報】『Pregnancy and Asthma』American College of Allergy Asthma and Immunology
https://acaai.org/asthma/asthma-101/who-gets-asthma/pregnancy-and-asthma/
サルタノールインヘラーは、喘息だけでなく、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療にも使用されます。
また、気管支炎や肺結核などで気道が狭くなり、息苦しさや喘鳴などの症状がみられる場合に処方されることもあります。
病気によって使用方法や使用回数は異なるため、必ず医師の指示に従って使用してください。
保管するときは、高温になる場所や直射日光を避け、子どもの手の届かない場所で保管してください。
また、ボンベ部分は水に濡らさないよう注意が必要です。アダプターを洗浄する際は、必ずボンベとキャップを取り外してから水洗いし、十分に乾燥させてから組み立てて使用してください。
さらに、吸入口にほこりや異物が入ると薬剤を正しく吸入できなくなることがあります。キャップは使用後にしっかり閉め、定期的に吸入口の状態を確認するようにしましょう。
5.サルタノールインヘラーの薬価
サルタノールの薬価(2026年6月調べ)は、以下となります。
・サルタノールインヘラー100μg 437.9円/瓶
サルタノールの代わりとなるジェネリック医薬品や市販薬はありません。
6.サルタノールインヘラーに関するよくある質問
Q. サルタノールインヘラーの使用期限はどのくらいですか?
A. 未開封の場合は外箱や本体に記載された使用期限まで使用できます。ただし、開封後は高温多湿や直射日光を避けて保管し、変形や破損がないか定期的に確認しましょう。
薬剤が残っていても、使用期限を過ぎたものは十分な効果が得られない可能性があるため使用せず、新しいものに交換してください。
Q. サルタノールインヘラーは風邪による咳にも使えますか?
A.サルタノールインヘラーは咳止めではなく、気管支を広げる薬なので、一般的な風邪による咳に対して自己判断で使用することはおすすめできません。
風邪による咳の原因はさまざまであり、必ずしも効果があるとは限らないため、咳が止まらなくて心配な場合は病院を受診しましょう。
Q. サルタノールインヘラーを吸入した後に運動しても大丈夫ですか?
A. 医師から運動前の使用を指示されている場合は、吸入後に運動しても問題ありません。サルタノールは運動によって誘発される喘息症状の予防目的で処方されることもあります。
ただし、吸入後も息苦しさや咳が続く場合は無理に運動を続けず、中止して医師へ相談してください。
Q. サルタノールインヘラーを吸っても薬が出ているか分からないのですが、大丈夫でしょうか?
A. サルタノールインヘラーはミストが細かいため、薬が見えにくいことがあります。しかし、ボンベを押した感触があり、正しい方法で吸入できていれば薬剤を吸入できている場合がほとんどです。
薬が出ているか不安な場合は、医師や薬剤師に吸入方法を確認してもらいましょう。また、長期間使用している場合は薬剤がなくなっている可能性もあるため、残量についても確認してください。
Q5. サルタノールインヘラーは飛行機に持ち込めますか?
A. はい、多くの場合は機内への持ち込みが可能です。喘息発作はいつ起こるか分からないため、預け荷物ではなく手荷物として携帯することが推奨されます。
【参考情報】『【国内・国際線】喘息(ぜんそく)ですが搭乗に際し注意することはありますか。』ANA
https://ana-support.my.site.com/jajp/s/article/answers618ja
海外へ渡航する場合は、処方箋の写しや薬剤情報提供書を持参すると、空港での確認や旅行先で受診が必要になった際にも役立ちます。
7.おわりに
サルタノールインヘラーと同じような、喘息発作時の呼吸困難を改善する薬剤には、以下のものがあります。
発作時に使うリリーバーは、とっさの時に上手に吸入できるよう、健康な状態のときに使い方を練習しておくと安心です。
サルタノールインヘラーを吸入しても症状が治まらない場合、どのタイミングで救急受診をするのか、どのような状況で救急車を呼ぶのかなど、主治医に確認しておきましょう。













