喘息治療に用いる薬「ドメナン」の特徴と効果、副作用

ドメナンは、喘息治療に用いる錠剤で、成人に処方される薬です。
喘息の治療では、吸入薬の服用が中心になりますが、患者さんの体調や状態によっては、ドメナン錠のような内服薬(飲み薬)を併用していくこともあります。
この記事では、ドメナン錠の使い方や効果、副作用などについて解説します。初めて使う方も、使っているうちに疑問点が出てきた方も、ぜひ最後までお読み下さい。
1.ドメナンとはどのような薬か
ドメナンは、「オザグレル塩酸塩水和物」を有効成分とするトロンボキサン合成酵素阻害剤です。
トロンボキサンは、体内で作られる生理活性物質の一つです。そのうちトロンボキサンA2(TXA2)は、気管支の収縮などに関与し、喘息における気道の反応にも関係しています。
ドメナンは、トロンボキサンA2の産生にかかわる酵素を阻害し、TXA2の産生を抑えることで、気道が収縮する反応や気道の過敏性を抑え、喘息の症状を改善する薬です。
【参考情報】『The role of thromboxane in allergen-induced asthmatic responses』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1889493/
ただし、ドメナンは、すでに起こっている喘息発作をすぐに抑える薬ではありません。急な発作が起こった場合は、医師から処方されている発作治療薬などを使用します。
2.ドメナンの使い方
ドメナン錠は、通常、1日2回・朝食後と就寝前にそれぞれ2錠、水かぬるま湯で飲みます。
服用量は患者さんの状態や症状により変わってくるので、必ず指示された服用方法に従ってください。
飲み忘れた際は、すぐに気づいた場合は1回分を飲んでください。遅くに気づいた場合は、忘れた分を抜き、次回から指示通りに飲んでください。
飲み忘れたからといって、一度に2回分を飲むことは、絶対にしないでください。
【参考情報】『お薬を飲み忘れた場合はどうすればいいですか?』兵庫県薬剤師会
https://www.hps.or.jp/faq/detail/?id=7
3.ドメナンの副作用
ドメナン錠では、吐き気や胃・腹部の不快感などの消化器症状のほか、頭痛や眠気、めまいなどの症状がみられることがあります。
3-1. 消化器症状
ドメナン錠の副作用として、吐き気、胃や腹部の不快感、嘔吐、腹痛、食欲不振、便秘などが報告されています。下痢や腹部の張りがみられることもあります。
症状が続く場合や、日常生活に支障がある場合は、医師や薬剤師に相談してください。
3-2. 眠気、頭痛、めまいなど
精神神経系の副作用として、頭痛、眠気、しびれ感などがみられることがあります。また、めまいや手足の震えが起こることもあります。
服用後に眠気やめまいがみられた場合は、車の運転など危険を伴う作業には注意が必要です。症状が気になる場合は、自己判断で服用を中止せず、医師や薬剤師に相談しましょう。
3-3. 肝機能異常
ドメナン錠を服用すると、血液検査でASTやALT、アルカリフォスファターゼなどの肝機能を示す数値が上昇することがあります。
肝機能の異常は自覚症状がないまま、血液検査で見つかることもあります。そのため、医師から血液検査を指示されている場合は、定期的に検査を受けることが大切です。
3-4. 出血傾向、血小板減少
ドメナン錠は血小板が固まりにくくなる作用を持つため、副作用として出血傾向や血小板減少が報告されています。
あざができやすくなった、鼻血や歯ぐきからの出血が増えた、出血がなかなか止まらないなど、普段と違う出血がみられた場合は、医師や薬剤師に相談してください。
また、ワルファリンなどの抗凝固薬や、ほかの抗血小板薬などを使用している場合は、出血しやすくなる可能性があるため、服用中の薬を医師や薬剤師に伝えてください。
4.ドメナンを使用するときの注意点
ドメナンを使用する際に、知っておきたいポイントを確認しましょう。
4-1. 喘息発作時の薬ではない
ドメナン錠は、すでに起こっている喘息発作を速やかに抑える薬ではありません。
服用中に大きな発作が起こった場合には、気管支を広げる薬やステロイド薬など、発作治療薬を使用しましょう。
4-2. 効果が感じられない場合
ドメナン錠を使用しても効果がみられない場合は、そのまま漫然と長期間使用しないことが大切です。
症状が改善しない場合は、治療内容の見直しが必要になることがあるため、医師に相談してください。
4-3. 妊娠・授乳時の注意点
妊娠中、または妊娠している可能性がある場合は、ドメナン錠を使用する前に医師へ相談してください。
妊婦では、治療によるメリットがリスクを上回ると判断された場合にのみ使用することとされています。
授乳中の場合も、治療上のメリットと授乳を続けるメリットを考慮して、授乳を続けるかどうかを検討します。自己判断で服用を始めたり中止したりせず、医師に相談してください。
【参考情報】『Asthma During Pregnancy』Asthma and Allergy Foundation of America
https://aafa.org/asthma/living-with-asthma/asthma-during-pregnancy/
4-4. 小児には使用しない
ドメナンは、小児気管支喘息患者を対象とした臨床試験において、副作用として関節痛が報告されています。そのため、小児に使用することはできません。
大人に処方された薬をお子さんに飲ませたり、お子さんが間違って飲むことがないように注意してください。
4-5. 長期ステロイド使用との関連
長期間ステロイド薬を使用している患者さんでは、ドメナン錠の使用によってステロイドの維持量を減らすことができる場合があります。
ただし、ステロイド薬を自己判断で急に減らしたり中止したりすることは避けてください。ステロイドの減量を行う場合は、医師の管理のもとで、状態を確認しながら徐々に減らします。
また、ドメナン錠によってステロイドの維持量を減らせた場合でも、ドメナン錠を中止すると原疾患が再発する可能性があるため、自己判断で中止しないことが大切です。
5.ドメナン錠の薬価
ドメナン錠の薬価(2026年9月調べ)は、以下となります。
・ドメナン錠100mg 25円
・ドメナン錠200mg 40.80円
ドメナンの代わりとなるジェネリック医薬品は「オザグレル錠」です。
ジェネリック医薬品は、ドメナンと同じ有効成分を含みますが、製品によって薬価や添加物、色、形状などが異なる場合があります。
ジェネリック医薬品を希望する場合は、医師や薬剤師に相談しましょう。
【参考情報】『ジェネリック医薬品とは』日本ジェネリック製薬協会
https://www.jga.gr.jp/general/about.html
6.ドメナンに関して当院でよくある質問
Q.ドメナンはどのくらいの期間、飲み続ける薬ですか?
ドメナンは、服用期間が一律に決められている薬ではありません。症状や治療経過をみながら、医師が継続するかどうかを判断します。
効果がみられない場合には、漫然と長期間使用しないよう注意されています。自己判断で服用期間を決めたり、症状が落ち着いたからといって中止したりせず、医師の指示に従いましょう。
Q.ドメナンを飲んでいる間に、市販薬を飲んでも大丈夫ですか?
市販薬でも、成分によってはドメナンと併用する際に注意が必要な場合があります。特に、血液を固まりにくくする作用を持つ薬を使用している場合は、出血しやすくなる可能性があります。
市販の風邪薬や鎮痛薬などを使用する場合も、ドメナンを服用していることを医師や薬剤師に伝え、併用して問題ないか確認しましょう。
Q.ドメナンを飲んでいて喘息の症状がなくなったら、薬をやめてもいいですか?
症状が落ち着いていても、自己判断でドメナンの服用を中止することは避けましょう。
特に、ドメナンによって長期間使用していたステロイド薬を減量できた場合、ドメナンを中止すると原疾患が再発する可能性があります。服用を続けるか中止するかは、症状や治療内容を踏まえて医師と相談して決めることが大切です。
Q.ドメナンを飲み始めたら、喘息の症状はすぐに良くなりますか?
ドメナンは、すでに起こっている喘息発作を速やかに抑える薬ではありません。また、効果の現れ方には個人差があります。飲み始めても症状が改善しない場合や、症状が悪化している場合は、自己判断で服用を続けるのではなく、医師に相談してください。
Q.ドメナンを飲んだ後にお酒を飲んでも大丈夫ですか?
ドメナンを服用しているときの飲酒については、自己判断で判断せず、医師や薬剤師に確認することをおすすめします。特に、ほかの薬も服用している場合は、薬との組み合わせによって注意が必要になることがあります。
7.おわりに
喘息の人の気道は、治療によって症状がおさまってきても、炎症そのものはまだ続いています。
体調がよくなったからといって、自己判断で薬を止めたり量を減らすと、病状が悪化することがあります。必ず専門医の指示に従い、しっかりと服用を続けてください。薬を減らしたい・変えたいと思ったときは、主治医に相談してみましょう。
服薬を続けるとともに、食事・睡眠・運動といった基本的な生活習慣を整えたり、発作の原因となるダニなどのアレルゲンを避けたり、風邪などの呼吸器感染症を予防することも忘れないでください。
気道の炎症を上手にコントロールして、症状の悪化を防ぎ、健康な人と変わらない生活を送っていきましょう。
以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします
- 咳が2週間以上続いている
- 息切れや息苦しさを感じることがある
- 痰がからんで気になる
- 健康診断で肺や呼吸の異常を指摘された
- 市販薬を飲んでも症状が改善しない
当てはまる項目がある方は、呼吸器専門医に相談してみませんか?












