いびきで喉が痛くなる原因とは?考えられる病気と対処法

朝起きたときに「喉が痛い」「喉がイガイガする」という経験はありませんか?
実は、いびきが原因になっていることもあります。
喉の痛みは乾燥だけでなく、さまざまな要因が関わっているのです。
ここでは、いびきと喉の痛みの関係、仕組み、注意すべきポイント、セルフケア、受診の目安までをわかりやすく解説します。
1.いびきとは
いびきは、多くの方が経験する身近な症状です。
しかし、なぜいびきが起こるのか、そのメカニズムを詳しく知っている方は少ないかもしれません。
まずは、いびきがどのようにして発生するのか、その仕組みと音について説明します。
1ー1.いびきの仕組み
いびきは、寝ている間に何らかの原因によって、空気の通り道である気道が狭くなることで生じます。
呼吸をするたびに、狭くなった気道の中を空気が勢いよく通り抜け、そのたびに喉の粘膜が振動して音が鳴ります。
【参考情報】『Snoring』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/snoring/diagnosis-treatment/drc-20377701
1ー2.いびきの音について
いびきの音の大きさや特徴は、人によって異なり、気道の狭さによって音の大きさが変わります。
気道が狭いほど、空気が通るときの抵抗が大きくなり、喉の粘膜の振動も激しくなるため、音も大きくなります。
大きないびきの場合、一緒に寝ている家族などの睡眠を妨げることもあります。
また、音が大きいということは、それだけ喉の粘膜が強く振動しているということです。
いびきの音が大きい場合、喉への振動が強くなり、朝起きたときに痛みを感じやすくなることがあります。
2.いびきの原因
いびきは生活習慣の乱れや病気など、さまざまな原因によって引き起こされます。
ここでは、いびきの原因について説明します。
2-1.疲労やストレス
体は疲労やストレスを感じると、筋肉を緩めて緊張をほぐし、回復を促そうとします。
普段は適度な緊張を保っている喉周りの筋肉も、疲れが溜まると必要以上に緩んでしまうことがあります。
すると、喉の筋肉が緩むことで気道が狭くなり、いびきが出やすくなります。
特に体が疲れている日の夜は、無意識のうちに口呼吸になりやすく、いびきがひどくなると言われています。
このように、いびきは疲労やストレスと深く関係しています。
日頃から十分な睡眠を取り、ストレスを溜め込まないよう心がけることが大切です。
適度な運動や趣味の時間を持つなど、自分なりのストレス解消法を見つけて、心身ともにリラックスできる時間を作ることが、快眠につながると言えるでしょう。
【参考情報】『快眠と生活習慣』厚生労働省
https://kennet.mhlw.go.jp/information/information/heart/k-01-004
2-2.飲酒
アルコールには、筋肉を緩める作用があります。
普段は適度な緊張を保っている喉周りの筋肉も、アルコールの影響で必要以上に緩んでしまいます。
そのため、就寝前にお酒を飲んで、アルコールが体内に残ったまま眠ってしまうと、喉の筋肉が緩んで気道が狭くなり、いびきが出ることがあります。
また、アルコールは鼻の粘膜を充血させて腫れやすくするため、鼻づまりを起こして口呼吸になりやすくなり、これもいびきを悪化させる要因となります。
普段はいびきをかかない人でも、お酒を飲んだ日に限っていびきをかくのは、このような理由からです。
2-3.喫煙
タバコに含まれる化学物質は、気道の粘膜を刺激して炎症を引き起こします。
喫煙を続けていると、この炎症が慢性化し、喉の粘膜が常に腫れた状態になってしまいます。
その結果、喉が腫れることで気道が狭くなり、いびきが引き起こされることがあります。
さらに、タバコの煙は気道の繊維毛の働きを低下させ、分泌物が溜まりやすくなるため、気道がより狭くなりやすい状態が続きます。
また、喫煙は喉の筋肉を弛緩させる作用もあるため、就寝前の喫煙は特にいびきを悪化させる要因のひとつと言えるでしょう。
2-4.鼻づまり
鼻が詰まると、鼻での呼吸がしにくくなるため、無意識のうちに口を開けて呼吸をするようになります。
通常、鼻呼吸をしているときは舌が上あごに軽く触れた状態で正しい位置に保たれていますが、口呼吸になると舌の位置が下がってしまいます。
すると、舌が重力によって喉の奥へ落ち込みやすくなり、気道を塞いでしまうのです。
舌によって気道が狭くなると、そこを通る空気の流れが速くなり、周囲の組織が振動することで、いびきをかきやすくなると言われています。
また、口呼吸では鼻呼吸のような加湿・加温機能が働かないため、喉の粘膜が乾燥しやすくなり、これもいびきを悪化させる要因となります。
2-5.アデノイドや扁桃腺の肥大
のどの奥にあるアデノイド(鼻の奥にある免疫組織)や扁桃線が大きいと、それらにふさがれて気道が狭くなるため、いびきが出やすくなります。
子どものいびきは、アデノイドの肥大が原因になっていることが多く、5〜6歳の頃に最も大きくなり、その後、徐々に小さくなっていくと言われています。
【参考情報】『Adenoid Hypertrophy』Osmosis from Elsevier
https://www.osmosis.org/answers/adenoid-hypertrophy
2-6.女性ホルモンの影響
女性ホルモンの一種であるプロゲステロンには、気道を広げる働きがあります。
プロゲステロンは閉経後に減少するため、特に更年期以降の女性は、気道が更年期前より狭くなり、いびきが生じることもあるでしょう。
3.いびきが原因で喉が痛くなる原因
いびきをかくと、喉に負担がかかり、痛みが生じることがあります。
ここでは、いびきが喉の痛みを引き起こす主な仕組みについて解説します。
3-1.喉の乾燥と炎症
いびきをかくと、寝ている間に口呼吸が起こりやすくなります。
鼻ではなく口から大量の空気が直接入り、喉の粘膜が乾燥してしまいます。
これが痛みの第一の原因と言えるでしょう。
喉が乾燥すると、喉の粘膜の防御機能が低下するので、炎症を起こしやすくヒリヒリした痛みや違和感につながります。
鼻呼吸の場合、鼻の中で空気が加湿・温められ、細菌やウイルスの侵入もある程度防がれます。
しかし、口呼吸ではこれらの機能が働かないため、のどの粘膜が乾燥しやすくなるのです。
そのため、寝室の加湿や水分補給など、日頃から喉の乾燥を防ぐ対策を心がけることが大切です。
3-2.喉の粘膜への負担
毎晩のようにいびきをかいていると、そのたびに喉の粘膜が振動します。
この振動は一晩に何千回も繰り返されるため、喉の粘膜に継続的な刺激が加わり続け、炎症を起こしやすくなってしまいます。
特に、大きないびきをかく人ほど振動も強くなるため、粘膜への負担も大きくなるでしょう。
4.いびきによる喉の痛みを防ぐためのセルフケア
喉の痛みが辛い時には、いびきの原因を探りながら、以下の方法を試してみてください。
ここでは、喉の乾燥を防ぐための具体的な対策をいくつかご紹介します。
4-1.寝室を加湿する
喉の粘膜の乾燥を防ぐため、寝室の湿度を40~60%程度に保ちましょう。
特に冬場は、乾燥した空気や暖房の影響で喉が乾燥しやすくなるので、加湿器などを利用して湿度を調整しましょう。
4-2.寝姿勢を変える
仰向けに寝ると気道が圧迫されるので狭くなり、いびきが出やすくなります。
一方、横向きに寝ると、気道が開いて空気が通りやすくなり、いびきが改善されることがあります。
4-3.テープやマスクで口を閉じる
いびきにつながる口呼吸を防ぐには、口閉じテープやマスクなどのグッズで口を閉じて眠るのも効果的です。
口呼吸が減ると、喉の潤いが保たれ、粘膜の乾燥を防ぐことができるため、朝起きたときの喉の痛みがやわらぐことがあります。
ただし、鼻づまりがあるときや鼻炎の症状があるときは、呼吸が苦しくなって危険ですので、グッズで口を閉じることは絶対にしないでください。
◆「口呼吸がいびきにつながる理由と予防のためにできること」>>
4-4.市販薬を使う
喉の痛みがひどくてつらい時は、市販薬を使用するのも良いでしょう。
製品によって成分や作用は異なりますが、喉の違和感をやわらげる目的で使われるものがあります。
・トローチ:口の中でゆっくり溶かす
・スプレー:喉に直接シュッと吹きかける
・うがい薬:喉を洗い流すように使用する
・飲み薬:体の中から痛みを抑える
ただし、市販薬はあくまで痛みを一時的に抑えるものです。
いびきや口呼吸などの原因を治すわけではないので、使用する際は、表示や添付文書を確認し、症状が続く場合は医療機関を受診しましょう。
4-5.アレルゲンの除去
花粉症やアレルギー性鼻炎などが原因で、睡眠中に鼻が詰まる方は、アレルギーを引き起こす物質(アレルゲン)を、寝室から除去することが大切です。
寝室は、布団などの繊維に付着したアレルゲンが溜まりやすい場所です。
寝室の掃除や寝具の洗濯を定期的に行い、できるだけアレルゲンを取り除きましょう。
空気清浄機を使用して、アレルゲンを除去するのもおすすめです。
4-6.肥満体型の場合は減量する
体重が標準よりも多い方は、減量することでいびきの改善が期待できます。
肥満体型になると、体全体に脂肪がつくのと同じように、喉や舌の周りにも脂肪がついてしまいます。
喉や舌に脂肪がつくと、気道が狭くなり、いびきをかきやすくなると言われています。
体の脂肪が減ると、喉や舌の脂肪も落ちて気道に空気が通りやすくなり、いびきが出にくくなることが期待できるでしょう。
4-7.口周りや舌の筋肉を鍛える
口周りの口輪筋や舌の筋肉の力が衰えると、就寝中に口が開いて口呼吸となり、いびきが出やすくなる可能性があります。
口呼吸は、口や舌を動かす体操やトレーニングで筋肉を鍛えると改善することがあります。
口の周りや舌の筋肉が衰えると、寝ているときに口が開きやすくなってしまうため、日頃から意識的に鍛えることが大切です。
また普段から、かたまり肉や根菜類など、しっかり噛む必要がある食材を選んで、よく噛んで食べることで、口の周りの筋肉の衰えを防ぐことが期待できます。
【参考情報】『オーラルフレイル対策のための口腔体操』日本歯科医師会
https://www.jda.or.jp/jda/release/detail_141.html
5.いびきが続く時に考えられる病気
上記の対策を行っても効果が感じられない場合は、病気が原因でいびきが出ている可能性があります。
この章では、いびきが続く時に考えられる病気を紹介します。
5-1.睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に呼吸が止まったり、浅くなったりすることを繰り返す病気です。
この病気には、肥満などが原因の閉塞性と、脳や神経、心臓の異常が原因の中枢性がありますが、多くの場合は閉塞性タイプだと言われています。
閉塞性タイプの方のいびきの音は大きいことが多く、周りの方から「うるさい」「眠れない」と指摘されることも少なくありません。
また、睡眠の質が下がるので熟睡できず、日中に猛烈な眠気に襲われることもあるでしょう。
睡眠時無呼吸症候群の治療には、主にCPAP(シーパップ)という医療機器を使用します。
CPAPは、眠っている間に鼻から空気を送り込み、睡眠中に呼吸が止まらないようにサポートする装置です。
これにより、睡眠中の呼吸状態が安定し、日中の眠気や疲労感が軽減することがあります。
5-2.慢性的に鼻が詰まる病気
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などの病気で鼻が詰まっている方は、寝ている間に口呼吸になってしまうことが多く、いびきが出やすくなります。
風邪で鼻が詰まっている時も、いびきが出やすくなりますが、風邪の症状は通常1週間程度で治まることが多いため、ほとんどの場合はいびきも自然に解消されるでしょう。
しかし、慢性的な病気が原因で鼻が詰まっている場合は、耳鼻咽喉科を受診し、適切な治療を受けることをおすすめします。
6.おわりに
この記事でご紹介したセルフケアを試してもいびきが良くならない場合は、医療機関を受診して原因を調べてもらいましょう。
検査によっていびきの原因が分かれば、それに合わせた治療を受けることができます。
もし睡眠時無呼吸症候群と診断された場合でも、適切な治療を受けることでいびきが改善されることもあるでしょう。
いびきが治まれば、喉への負担も減り、朝の喉の痛みが軽くなる可能性があります。
いびきや喉の痛みでお悩みの方は、一人で我慢せず、医療機関に相談してみてください。










