喘息とアルコールの関係

著者: 三島 渉(医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医/内科学会認定医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

アルコールは喘息の発作を誘発すると言われています。
実際に、お酒を飲んで発作が起こった経験のある方も多いのではないでしょうか?

 

なぜ、アルコールは喘息の発作を誘発するのでしょうか?

その理由は、「ALDH2(アルデヒド分解酵素2) 不活性型」という体質にあります。

日本人は、この分解酵素が完全に欠損している人が約20%、不完全に欠損している人が約40%いると言われています。これはわかりやすく言うと「アルコールを速やかに分解できない体質」ということです。

体内に吸収されたアルコールは、肝臓で無害な酢酸に分解されますが、その過程で有害な「アセトアルデヒド」が生成されます。

その「アセトアルデヒド」を分解するための酵素(アルデヒド分解酵素)の2種類のうち、片方が足りないのが「ALDH2(アルデヒド分解酵素2) 不活性型」です。

分解が追い付かず蓄積したアセトアルデヒドが、肥満細胞などのアレルギー細胞からヒスタミンを遊離させ、そのヒスタミンが気管支平滑筋のヒスタミンH1- 受容体を刺激することでぜん息発作を起こします。

喘息の人はお酒を飲まないのがベストですが、「好きでやめられない」という方は、まずは適量を守ること、アルコール度数の低いお酒を選ぶことを心がけましょう。

著者プロフィール

三島 渉 (医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/内科学会認定医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

平成9年横浜市立大学医学部卒業。呼吸器内科専門医として活躍する一方、現代医学の限界を痛感。医学研究による解決を目指し、横浜市立大学大学院入学。分子細胞生物学を専門として、がん転移に関連する細胞機能の研究を行い、平成17年医学博士取得。

その後再び臨床の現場に戻るも、症状がひどくなってからでないと来院してもらえない医療の世界の構造的な問題を認識。

「症状がまだ軽いうちに気軽にかかってもらえるクリニックをつくろう」と決意し、平成19年横浜市南区に呼吸器内科専門の「上六ツ川内科クリニック」を開院。病気が進行すると改善が難しい呼吸疾患の早期発見・早期治療の重要性を伝えている。

現在、毎月500人以上の喘息患者と100名以上のCOPD患者を診療。禁煙治療にも力を注ぎ、呼吸器疾患で苦しむ人のいない社会の実現を目指している。年間約100名の禁煙指導を行い、84.6%の禁煙成功率を達成している。

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