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呼吸器内科の再検査とは?健康診断で肺の異常を指摘されたときの受診目安

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2026年09月18日

健康診断や人間ドックでの胸部X線検査の結果、「要再検査」「要精密検査」と指摘されることがあります。

しかし、突然そう言われても、具体的にどうしたらいいのかわからず、不安になる方も少なくないはずです。

この記事では、健診結果をもとに、呼吸器内科で行われる検査の内容と、受診の目安について解説します。

1. 健診で呼吸器の異常を指摘されたら?

健康診断や人間ドックで呼吸器の異常を指摘された場合は、再検査や精密検査が必要になることがあります。

1-1.こんな場合は呼吸器内科を受診しましょう

健康診断は、病気の予防や早期発見のために、身体の状態を確認する検査です。問診や血液検査、血圧測定、胸部X線検査などを行い、病気の兆候や健康状態に問題がないかを確認します。

【参考情報】『健康診断』神奈川予防医学協会
https://www.yobouigaku-kanagawa.or.jp/jushin/menu/checkup/

人間ドックでは、病気の早期発見や健康状態の確認を目的に、健康診断よりも多くの検査を組み合わせて、全身を詳しく調べることができます。

健康診断や人間ドックで肺や気管支など呼吸器の異常を指摘されたら、呼吸器内科を受診しましょう。

特に胸部X線(レントゲン)検査で異常が見つかったり、「要再検査」「要精密検査」と判定されたりした場合は、健診結果を持参して医師に相談することが大切です。

また、「肺に影がある」「結節(しこりのようなもの)がある」「異常陰影がみられる」といった指摘を受けた場合も、呼吸器内科で詳しく調べてもらうことができます。

咳や痰が長引いている場合や、以前の検査で経過観察となり、一定期間後の再検査を勧められている場合も、指定された時期に受診しましょう。

1-2.再検査と精密検査の違い

健康診断の結果に「要再検査」「要精密検査」と書かれていると、両者の違いが気になる方もいるでしょう。

一般的に「再検査」は、健診でみられた検査値や所見について、もう一度検査を行い、異常が続いているかどうかなどを確認することを指します。

一方、「精密検査」は、健診で異常が疑われた場合に、より詳しい検査を行い、指摘された異常について詳しく調べることを指します。

ただし、「再検査」「精密検査」という言葉の使い方や判定基準は、健診機関や検査項目によって異なります。そのため、「要再検査だから軽い」「要精密検査だから重い」と一概に判断することはできません。

健診結果に記載された指示を確認し、指定された時期や方法に従って受診することが大切です。

2. 呼吸器内科ではどんな検査をする?


呼吸器内科では健診結果や症状、これまでの検査結果、既往歴などを確認したうえで、必要な検査を行います。

すべての検査を一度に行うわけではなく、胸部X線で指摘された内容や症状などから、必要な検査を選択します。


<問診・診察>
まず、健診結果を確認し、どのような異常を指摘されたのかを確認します。あわせて、咳、痰、息苦しさ、胸痛、発熱などの症状があるか、いつから症状が続いているかなどを確認します。

また、喫煙歴、これまでにかかった病気、現在服用している薬などについても問診を行います。そのうえで、胸部の聴診などの診察を行い、必要な検査を判断します。

<胸部X線検査>
健診で異常を指摘された場合には、改めて胸部X線検査を行い、現在異常がもみられるか確認することがあります。

◆「胸部X線(レントゲン)検査」についてくわしく>>

<胸部CT検査>
胸部X線で「影」「結節」「異常陰影」などを指摘された場合や、X線だけでは異常の原因を判断できない場合などに行われます。

<血液検査>
血液検査では、白血球やCRPなどの項目から炎症の有無を確認するほか、検査の目的に応じてさまざまな項目を調べます。

<喀痰検査>
喀痰検査では、痰を採取して、細菌などの病原体や細胞などを調べます。咳や痰が続いている場合など、症状や疑われる病気に応じて行われます。

【参考情報】『喀痰検査』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/taiki/yougo/kw54.html

<肺機能検査>
息苦しさや長引く咳などがある場合には、肺機能検査を行うことがあります。喘息やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)などが疑われる場合にも行われる検査です。

◆「呼吸器内科で行われる専門的な検査について」>>


検査の結果、より専門的な検査や治療が必要と判断された場合には、専門医療機関を紹介されることがあります。

たとえば、画像検査で詳しい評価が必要な病変が見つかった場合や、気管支鏡検査など、一般の病院では対応できない検査が必要になった場合などです。

【参考情報】『気管支鏡検査とはどのような検査ですか?』日本呼吸器学会
https://www.jrs.or.jp/citizen/faq/q31.html

3. 胸部X線で異常を指摘されても、肺の病気とは限らない


健康診断の胸部X線検査で「影がある」「異常陰影がある」などと指摘されると、肺がんではないかと心配になるかもしれません。

しかし、胸部X線で異常がみられたからといって、必ずしも病気があるとは限りません。

3-1.胸部X線で異常がみられる原因はさまざま

胸部X線検査で「影がある」「陰影がある」と指摘されても、必ずしも肺に重大な病気があるとは限りません。

胸部X線検査では、肺や心臓など胸部のさまざまな構造が重なって写るため、実際の肺の状態だけでなく、周囲の構造物や撮影条件などの影響を受けることがあります。

たとえば、肺の血管や肋骨、乳房などが肺野に重なって写ることで、肺に影があるように見えることがあります。

また、心臓や縦隔などの陰影に肺の一部が重なっているため、肺の異常との区別が難しくなることもあります。

さらに、撮影時の姿勢や、息を十分に吸えているかどうかによっても、画像の見え方は変わります。吸気が不十分な場合には、肺が十分に広がっていないように見えるなど、画像の評価に影響することがあります。

【参考情報】『A Systematic Approach to Chest Radiographic Analysis』National Library of Medicine
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/books/NBK553874/

3-2.「肺に影がある=肺がん」ではない

胸部X線検査で「影」や「結節」を指摘されても、それだけで肺がんと診断されるわけではありません。

影や結節の原因には、以下のようなものがあります。

<肺の炎症>
肺炎などの感染症では、肺の組織に炎症が起こることで、胸部X線に「影」として写ることがあります。

<瘢痕(はんこん)>
過去の肺炎や結核などによる炎症・感染のあとに、肺にかさぶたのような跡が残ることがあります。

<石灰化した結節>
過去の炎症などをきっかけに肺の結節にカルシウムが沈着し、石灰化しているものが、胸部X線に写ることがあります。

<良性腫瘍>
過誤腫(かごしゅ)などの良性腫瘍が、丸い影や結節として見つかることがあります。

【参考情報】『Hamartoma』Cleveland Clinic
https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/24652-hamartoma

4. 再検査はいつまでに受ければいい?


健診で呼吸器の異常を指摘された場合は、健診結果の指示を確認し、症状の有無に応じて適切なタイミングで受診することが大切です。

4-1.健診結果と症状、それぞれに応じた受診を

健診結果に「○か月以内に受診してください」「○か月後に再検査を受けてください」など、時期が記載されている場合は、その指示に従いましょう。

「症状がないから」と先延ばしにしたりせず、まずは健診結果に記載された内容をよく確認することが大切です。

特に「要精密検査」と記載されている場合は、たとえ症状がなくても自己判断で放置せず、必ず病院を受診してください。

なお、健診結果の内容にかかわらず、発熱、血痰、息苦しさ、胸痛などの症状がある場合は、記載された再検査の時期を待たずに、早めに呼吸器内科を受診しましょう。

症状の種類や程度によっては、健診とは別に診察や検査が必要になることがあります。

4-2.呼吸器内科を受診するときに持参したいもの

健康診断や人間ドックで呼吸器の異常を指摘され、呼吸器内科を受診する場合は、健診結果を持参すると診察がスムーズです。

健診で撮影した胸部X線の画像やCDなどが渡されている場合は、そちらも持参しましょう。

現在服用している薬がある場合は、お薬手帳も持参しましょう。薬の種類によっては、咳などの呼吸器症状との関連を確認する必要があるためです。

【参考情報】『eお薬手帳3.0 | スマホで安心!おくすり管理』日本薬剤師会
https://www.nichiyaku.or.jp/e-okusuri3/

5. こんな場合は早めに受診しましょう


健康診断で異常を指摘された場合だけでなく、呼吸器に気になる症状が続いている場合も、早めに呼吸器内科を受診しましょう。

<咳が長引いている>
風邪が治った後も咳が続いている場合や、原因が分からない咳が長期間続いている場合は、呼吸器の病気が隠れている可能性があります。

◆「2週間以上続く咳」について>>

<血痰が出る>
痰に血が混じる場合は、気管支や肺などから出血している可能性があります。

◆「血痰」の情報をチェック>>

<息苦しさや胸痛がある>
息苦しさが続いている、以前より呼吸がしづらくなった、胸に痛みを感じるといった場合も、呼吸器内科への受診を検討してください。

◆「息苦しいのは病気?――原因の見分け方と受診の目安」>>

<発熱が続いている>
微熱でも発熱が長引いている場合は、肺炎などの感染症が原因となっていることがあります。

<体重減少>
食事や運動などに心当たりがないにもかかわらず体重が減っている場合など、普段と違う変化が続いているときも、医師に相談しましょう。

6. おわりに

健康診断や人間ドックで「要再検査」「要精密検査」と指摘された場合、症状がないからといって自己判断で放置しないことが大切です。

特に胸部X線で肺の影や結節などを指摘された場合は、呼吸器内科を受診し、必要な検査を受けましょう。

受診の際は、健康診断の結果や過去の検査結果、胸部X線などの画像があれば持参してください。検査結果や症状に応じて、再検査や精密検査の内容を医師が判断します。

また、咳が長引く、血痰が出る、息苦しさや胸痛がある、発熱が続くなどの症状がある場合も、早めに呼吸器内科へ相談しましょう。

◆横浜市で呼吸器内科をお探しなら>>

以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします

  • 咳が2週間以上続いている
  • 息切れや息苦しさを感じることがある
  • 痰がからんで気になる
  • 健康診断で肺や呼吸の異常を指摘された
  • 市販薬を飲んでも症状が改善しない

当てはまる項目がある方は、呼吸器専門医に相談してみませんか?

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