喉がムズムズ・イガイガして咳が止まらないのはなぜ?

喉がイガイガ・ムズムズして、思わず咳が出ることはありませんか?
こうした喉の不快感は、空気の乾燥や冷たい空気を吸ったことなどがきっかけで、一時的に起こることがあります。
ただ、違和感がなかなか治まらず、咳も一緒に続く場合は、アレルギー性の呼吸器疾患が原因かもしれません。
この記事では、「喉の違和感」と「咳」という2つの症状に焦点を当て、考えられる病気やその対処法について解説します。
目次
1.喉がムズムズ・イガイガするのはなぜ?
喉に違和感があり、ムズムズ・イガイガした感覚に加えて咳も出る場合、喘息や咳喘息、花粉症などのアレルギー性疾患が関係している可能性があります。
1-1.アレルゲンによる喉の炎症と咳が起こる仕組み
アレルギー性疾患では、ダニや花粉、ハウスダストといったアレルギーの原因物質(アレルゲン)を吸い込むことで、喉や気道の粘膜に炎症が起こります。
そして、炎症が生じると粘膜が過敏になり、わずかな刺激でもムズムズ・イガイガといった不快感を覚えやすくなります。
また、喉や気道が刺激に敏感になることで、異物を排除しようとする防御反応として咳も出やすくなります。特に夜間や早朝、会話中、冷たい空気を吸ったときなどに症状が強く出ることがあります。
【参考情報】『Allergen-induced airway hyperresponsiveness』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/3276757/
1-2.全身反応として現れるアレルギーのサイン
ちなみに、アレルゲンが鼻の粘膜に影響すると鼻水や鼻づまり、くしゃみが起こり、目に影響するとかゆみや充血、かすみといった症状が現れます。同時に複数の部位に症状が出るケースも少なくありません。
このように、喉の違和感だけではなく、咳や鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどが同時に出る場合は、体全体でアレルギー反応が起きている可能性があります。症状が一度おさまっても、原因となる物質に触れ続けると、何度も繰り返し起こりやすいのも特徴です。
【参考情報】『アレルギー疾患の現状等』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10905100-Kenkoukyoku-Ganshippeitaisakuka/0000111693.pdf
2.喉の違和感と咳が生じる病気
この章では、喉の違和感と咳が生じるときに考えられる、主なアレルギー性疾患を紹介します。
2-1.喘息
喘息は、気道に慢性的な炎症が起こることで、刺激に対して過敏になり、咳などの症状が現れる病気です。
ダニやホコリ、花粉、タバコの煙、冷たい空気などのわずかな刺激でも喉や気道が反応し、ムズムズ感やイガイガ感が生じたり、咳が出やすくなることがあります。
喘息では、ゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音・喘鳴(ぜんめい)や息苦しさを伴うこともありますが、初期や軽症の場合は、咳や喉の違和感が主な症状として現れることもあります。そのため、風邪や喉の不調と見分けがつきにくいケースも少なくありません。
「症状が繰り返し起こる」「特定の環境や時間帯で悪化する」場合には、喘息が背景にある可能性も考えられます。
【参考情報】『Asthma』WHO
https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/asthma
2-2.咳喘息
咳喘息は、通常の喘息のようなゼーゼー・ヒューヒューといった呼吸音や強い息苦しさは目立たず、咳だけが長く続く病気です。
喘息と同様に気道に炎症が起こり、刺激に対して過敏な状態になるため、ハウスダストや花粉などの刺激をきっかけに、喉の違和感や咳が出やすくなります。
風邪が治った後も咳だけが長引いている場合や、のどのムズムズ感を伴う空咳が続く場合は、咳喘息の可能性があります。
喘息より見た目の症状が軽いため放置されやすいですが、適切な治療を行わないと、本格的な喘息へ移行することがあります。
2-3.花粉症
花粉症は、喉のイガイガ・ムズムズした違和感と咳を引き起こすことのある代表的なアレルギー疾患です。
スギやヒノキ、ブタクサなどアレルギーを引き起こす植物の花粉を吸い込むと、喉の粘膜が刺激され、ムズムズ感やイガイガ感が出やすくなります。さらに、炎症によって粘膜が敏感になるため、乾いた咳が出ることもあります。
花粉症では、咳や喉の違和感に加えて、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみや充血といった症状が同時に現れることが多くみられます。また、鼻水が喉に流れ落ちることで咳が引き起こされるケースもあります。
これらの症状は毎年同じ季節に繰り返し起こる傾向があり、原因となる花粉が飛散している時期が終われば出なくなります。
2-4.アトピー咳嗽
アトピー咳嗽(がいそう)とは、気道の粘膜の表面にある咳受容体の感受性が高くなり過ぎることで、咳が出やすくなる病気です。アレルギー体質の人に多く見られます。
喘息や咳喘息と似ていますが、気道の狭窄やゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴はみられず、主な症状は咳と喉の不快感に限られます。
アトピー咳嗽では、喘息や咳喘息の治療に使われる気管支拡張薬が効きにくく、抗アレルギー薬やステロイド薬で症状が改善することが多いです。この点が、喘息や咳喘息との重要な違いとされています。
2-5.食物アレルギー
食物アレルギーでは、特定の食べ物を口にしたあとに、喉の違和感やムズムズ・イガイガ感、咳が現れることがあります。この病気では、じんましんやかゆみのような皮膚症状や、腹痛や下痢のような消化器症状がよく知られていますが、喉や気道に症状が出るケースも少なくありません。
原因となる食物を摂取すると、免疫が過剰に反応し、ヒスタミンなどの化学物質が放出されます。これにより、喉の粘膜が刺激され、違和感やかゆみ、イガイガ感が生じます。喉がムズムズする感覚をきっかけに、乾いた咳が出ることもあります。
食物アレルギーの症状は、食後すぐから数時間以内に現れることが多く、喉の症状に加えて、口の中や唇のかゆみ、じんましん、腹痛、下痢、吐き気などを伴う場合もあります。特定の食品を食べたあとに毎回似た症状が出る場合は、食物アレルギーを疑う必要があります。
【参考情報】『食物アレルギー』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/jouhou01-08.pdf
3.喉の違和感と咳が生じるアレルギー以外の原因
喉のイガイガ感や咳が生じる場合、アレルギー以外が原因のこともあります。
3-1.咽頭炎・扁桃炎・喉頭炎
咽頭(いんとう:のどの奥)、扁桃腺(へんとうせん:のどちんこの両脇)、喉頭(こうとう:声帯のある部分)が腫れて炎症が長く続くと、喉の粘膜が刺激され、咳や痛み、イガイガした不快感が生じやすくなります。
声をよく使う人や、乾燥した環境で過ごす時間が長い人では、症状が慢性化することもあります。
3-2.胃食道逆流症
胃酸や胃の内容物が食道を通って喉の近くまで逆流することで、喉や喉頭の粘膜にダメージを与えることがあります。
この場合、喉の奥に何か詰まったような感じや、違和感、咳、声がれなどが現れることがあります。
3-3.加齢
年齢とともに唾液や喉の分泌液が減少すると、粘膜が乾燥しやすくなり、喉のかゆみやムズムズ感、空咳が出ることがあります。
特に空気が乾燥する季節や、口呼吸の習慣がある場合には症状が強く出やすくなります。
3-4.咽喉頭異常感症
検査を行っても明確な異常が見つからないにもかかわらず、喉の違和感や咳が続くケースもあります。
このような場合、精神的なストレスや緊張、不安などの心理的要因が関与していることがあり、咽喉頭異常感症(いんこうとういじょうかんしょう)と呼ばれています。
【参考情報】『Feeling of something in your throat (Globus)』NHS inform
https://www.nhsinform.scot/illnesses-and-conditions/ears-nose-and-throat/feeling-of-something-in-your-throat-globus/
4.喉のイガイガやムズムズは何科に行けばいい?
喉のイガイガやムズムズを引き起こす病気にはさまざまなタイプがあるため、違和感やかゆみだけで疾患を判断することは難しいです。
しかし、咳や発熱、呼息苦しさ、目や鼻のアレルギー症状など、喉の違和感以外の症状に注目することで、ある程度疾患を絞り込むことが可能です。
咽頭炎、扁桃炎、喉頭炎など、喉そのものに原因があると考えられるなら、耳鼻咽喉科がいいでしょう。
咳が長引いていたり、息苦しさを伴う場合は、喘息や咳喘息の疑いがあるので呼吸器内科を受診しましょう。
もし、喘息や咳喘息が原因の場合、市販薬だけで治療することはできません。市販の抗アレルギー薬や咳止めを使っても改善しないときは、早めに呼吸器内科を受診し、医師に相談しましょう。
5.呼吸器内科で行う検査
喘息や咳喘息が疑われる場合、まず問診で、咳が出やすい時間帯やアレルギー歴などを確認します。
さらに、スパイロメトリーやモストグラフ、呼気一酸化窒素(FeNO)測定などの専門的な検査で、肺や気道の状態を調べます。
アレルギーの有無やアレルゲンの特定が必要な場合は、血液検査を行います。
また、咳が長引く場合には、他の病気が隠れていないかどうかを確認するため、胸部X線検査(レントゲン)を行います。
6.おわりに
喉のイガイガやムズムズ、かゆみに加えて咳に悩んでいるときはは、呼吸器内科やアレルギーの専門医のいる病院を受診してみましょう。
アレルギーの検査や呼吸器の機能を測定して原因を調べ、適切な治療につなげましょう。











