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胸膜炎について

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2021年12月25日

胸膜炎とは、肺を包んでいる膜の“胸膜”に炎症が起こる病気で、肋膜炎ともいいます。

通常、二重の胸膜の間にはごく少量の胸水があり、肺を守るクッションの役割をしていますが、胸膜に炎症が起こることで、胸水が過剰に溜まってしまい、胸痛や呼吸困難などの症状につながることがあります。

1.原因

胸膜炎を起こし胸水が溜まる原因は、感染症やがん、関節リウマチなどの膠原病、心不全、腎不全、肝硬変などさまざまです。

中でも、

・心不全
・肺炎に伴う胸水(肺炎随伴性胸水)
・がんが原因の胸水(悪性胸水)
・エコノミークラス症候群(肺血栓塞栓症)

などが原因として多いです。

男女比は同じ程度ですが、原因の病気によっては異なります。
関節リウマチによる胸水や乳がん・婦人科系のがんが原因の悪性胸水は女性、アスベストを扱う職歴に影響する悪性胸膜中皮腫による胸水やアルコールによる慢性膵炎による胸水は男性に多いです。

【参考情報】『Pleurisy – Symptoms and causes』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/pleurisy/symptoms-causes/syc-20351863

2.症状

代表的な症状は、息を吸うときや咳をしたときにひどくなる胸痛です。
胸痛により呼吸が浅くなることで、呼吸困難になることがあります。
咳や痰、血が混じった痰が出ることもあります。
胸膜炎の原因となる病気によっては発熱などの症状が出る場合があります。

3.検査

胸部レントゲン検査や胸部CT検査を行い、胸水が溜まっているかを確認します。

胸水がある場合は、胸水を採取して検査を行います。
pHや糖の量、総コレステロールの量などを確認することにより、胸水が溜まった原因の病気を絞り込みます。

必要に応じて胸膜を切り取り、詳しい検査を行います。

◆「呼吸器内科で行われる専門的な検査について」>>

4.治療

抗菌薬の使用と、胸水をドレーンと呼ばれる器具で体外に排出してコントロールすることが治療の基本となります。また、胸水の原因となった病気にも対応していきます。

一般細菌が原因の場合は、数週間抗菌薬を使用します。

悪性胸水の場合は、原因となるがんのタイプ、化学療法への反応性などにより治療方針が決定されます。

胸水をドレーンで完全に排出したり(完全ドレナージ)、胸水が溜まる空間を閉じて胸水が溜まらないようにする“胸膜癒着術”でコントロールするのが有効です。

【参考資料】新・呼吸器専門内科医テキスト 日本呼吸器学会
https://www.nankodo.co.jp/g/g9784524226894/?fbclid=IwAR3HXKhqiuker_02pE5wPuZPmoAa9Rg-6-g_RgcRMak8rjaAOvIDxZIXIMs

5.おわりに

胸膜炎は、感染症やがん、心不全などさまざまな病気が原因となります。

感染症対策を行い、持病のある方は適切な治療を受けて病気をコントロールすることが大切です。

胸痛など少しでも気になる症状がある場合は、呼吸器内科を受診しましょう。

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