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ACT(喘息コントロールテスト)とは?点数の見方や判定基準、活用方法を医師が解説

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2026年10月05日

ACT(Asthma Control Test:アクト/喘息コントロールテスト)は、5つの質問に答えるだけで、喘息のコントロール状態を簡単に評価できる質問票です。

診察時にも広く活用されており、治療効果の確認や治療方針を見直す際の参考になります。

この記事では、ACTでわかることや質問項目、点数の見方、点数が低かった場合の対処法についてわかりやすく解説します。

1. ACT(喘息コントロールテスト)とは


ACTとは、アメリカの喘息専門医やプライマリケア医などの共同研究グループによって開発された質問票です。患者さん自身が5つの質問に回答し、その結果から現在の喘息がどの程度コントロールできているかを確認します。

【参考情報】『Development of the asthma control test: a survey for assessing asthma control』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/14713908/

ACTでは、過去4週間の状態について、「日常生活への影響」「息切れなどの症状」「夜間の症状」「発作時に使用する薬(リリーバー)の使用頻度」「患者さん自身による喘息のコントロール状況」の5項目を評価します。

肺機能検査のような特別な機器は必要なく、短時間で実施できるため、自宅でも簡単に取り組めます。

喘息は、症状が落ち着いているように感じていても、気道の炎症が十分に抑えられていないことがあります。そのため、ACTを定期的に実施し、自覚症状を客観的に評価することが大切です。

継続して点数を確認することで、喘息のコントロール状態の変化や悪化を早期に把握しやすくなり、治療内容を見直すタイミングを判断する目安にもなります。

【参考情報】『Asthma Control Test: reliability, validity, and responsiveness in patients not previously followed by asthma specialists』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/16522452/

2. ACTでわかること


ACTは診察時の症状だけでは把握しにくい日常生活での困りごとや症状の変化を客観的に評価できるため、治療の経過を確認するうえでも役立ちます。

2-1. 喘息がコントロールできているかを評価できる

喘息は、症状が出る日と出ない日がある病気です。そのため、「今日は咳が出ないから大丈夫」「発作がないから治っている」と感じていても、気道の炎症が十分に抑えられておらず、実際には喘息のコントロールが不十分なことがあります。

また、少しずつ症状が悪化している場合は、その変化に慣れてしまい、「以前より息切れしやすくなった」「夜中に咳で目が覚めることが増えた」といったサインを見逃してしまうことも少なくありません。

ACTの結果は、治療が順調に進んでいるかを確認する際の参考になります。そのため、喘息と診断されている方は、定期的にACTで状態を確認し、結果を主治医と共有することが大切です。

2-2. 治療方針を見直す目安になる

ACTの点数が低い場合は、喘息が十分にコントロールされていない可能性があります。その場合は、吸入薬の種類や量の見直し、吸入方法の確認、悪化要因への対策など、治療内容を再評価することがあります。

また、ACTは患者さんの自覚症状を数値で示せるため、医師との情報共有にも役立ちます。毎回の診察でACTの結果を確認することで、症状の変化を把握しやすくなり、一人ひとりの状態に合わせた治療方針を検討しやすくなります。

3. ACTの質問項目


ACTでは、主に次の5つの項目について確認します。


<日常生活への支障>
喘息によって仕事や家事、運動などの日常生活にどの程度支障があったかを評価します。

<息切れ・喘鳴などの症状>
息苦しさやゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴が、どのくらいの頻度でみられたかを確認します。

<夜間症状>
咳や息苦しさなどで夜中や早朝に目が覚めたことがあったかを評価します。

<発作治療薬(リリーバー)の使用頻度>
発作時に使用する吸入薬を、過去4週間でどのくらい使用したかを確認します。使用頻度が多いほど、喘息のコントロールが不十分である可能性があります。

<患者さん自身によるコントロール評価>
過去4週間を振り返り、自分自身で喘息をどの程度コントロールできていたと感じるかを評価します。


これら5つの質問を総合的に評価することで、現在の喘息のコントロール状態を把握し、治療が適切に行われているかを確認する目安になります。

【参考情報】『Welcome to the Asthma Control Test』GSK
https://www.asthmacontroltest.com/welcome/

4. ACTの点数の見方


ACTは、5つの質問をそれぞれ1~5点で評価し、その合計点で現在の喘息のコントロール状態を判定します。

4-1. ACTは25点満点

ACTでは、5つの質問をそれぞれ1~5点で採点し、合計点を算出します。

一般的に、点数が高いほど日常生活への支障や症状が少なく、喘息が良好にコントロールされていると考えられます。

一方、点数が低い場合は、症状が十分に抑えられていない可能性があり、治療内容の見直しが必要となることがあります。

4-2. 判定基準

ACTの判定は、日本喘息学会などで広く用いられている基準に基づき、次のように評価されます。

ACTスコア判定
25点完全にコントロールされている
20~24点概ねコントロール良好
19点以下コントロール不十分

25点は、過去4週間に喘息症状がほとんどなく、良好にコントロールされている状態と考えられます。

20~24点は、おおむね良好な状態ですが、症状が残っている場合もあるため、現在の治療で十分なコントロールが得られているかを医師と確認することが大切です。

19点以下の場合は、喘息のコントロールが十分ではない可能性があります。

5. ACTの点数が低い原因


この章では、ACTの点数が低くなる主な原因を紹介します。

5-1. 気道の炎症が十分に抑えられていない

喘息は、気道に慢性的な炎症が起こる病気です。症状が軽くても炎症が十分に改善していないと、咳や息苦しさ、喘鳴が続き、ACTの点数が低くなることがあります。

特に、発作を繰り返している場合や夜間・早朝の症状が続いている場合は、現在の治療では炎症を十分に抑えられていない可能性があります。

◆「気道の炎症」についてくわしく>>

5-2. 吸入薬を正しく使えていない

吸入薬は、正しい方法で使用しなければ十分な効果が得られません。

吸入するタイミングや吸い方が適切でなかったり、決められた回数を守れていなかったりすると、薬が気道まで十分に届かず、喘息のコントロールが悪くなることがあります。

また、症状が落ち着いたからといって自己判断で吸入薬を中断すると、気道の炎症が再び悪化する原因になります。

◆「喘息治療に使う吸入薬の種類と特徴、副作用」>>

5-3. アレルゲンや喫煙などの影響

ダニやハウスダスト、花粉、ペットの毛などのアレルゲンに繰り返しさらされると、気道の炎症が悪化しやすくなります。

◆「喘息に関する主なアレルゲンと避ける・減らす対策」>>

また、喫煙や受動喫煙は気道を刺激し、喘息症状を悪化させる大きな要因です。これらの影響によって症状が続き、ACTの点数が低くなることがあります。

◆「喘息とタバコの関係」をチェック>>

5-4. 感染症や季節の変化

風邪などのウイルス感染症は、喘息が悪化する代表的なきっかけです。

【参考情報】『Role of viral respiratory infections in asthma and asthma exacerbations』National The Lancet
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(10)61380-3/fulltext

そのため、感染後に咳や息苦しさが長引くことで、ACTの点数が低下することがあります。

◆「風邪のあと咳だけ残るのはなぜ?」>>

また、花粉の飛散時期や気温・湿度の変化、寒暖差なども喘息症状に影響を与えることがあり、季節によってコントロール状態が変化する方も少なくありません。

◆「花粉症と喘息の関係」をチェック>>

5-5. 合併症

喘息は、副鼻腔炎や胃食道逆流症(GERD)などの合併症があると、咳や息苦しさなどの症状が続きやすくなり、喘息のコントロールが難しくなることがあります。

例えば、副鼻腔炎では鼻づまりや後鼻漏によって咳が続きやすくなり、胃食道逆流症では胃酸の逆流が気道を刺激して咳や喘息症状を悪化させることがあります。

◆「副鼻腔炎とはどんな病気?咳・アレルギー・いびきとの関係」>>

ACTの点数が低い状態が続く場合は、喘息そのものだけでなく、こうした合併症が影響していないかを含めて医療機関で評価を受けることが大切です。

6. ACTが低かったときの対処法


ACTの点数が低かったからといって慌てる必要はありませんが、原因を確認し、適切に対応することが大切です。

6-1. 自己判断で薬の量や使用回数を変えない

症状があるからといって薬を増やしたり、反対に症状が落ち着いているからといって自己判断で吸入薬を中止したりするのは避けましょう。

自己判断で薬を増やすと副作用のリスクが高まりますし、減らしたり中止したりすると炎症が再び悪化し、喘息発作のリスクが高まることがあります。

薬の変更や中止は、必ず医師の指示に従って行いましょう。

6-2. ACTの結果を持って受診する

ACTの点数が低い場合は、結果を記録して受診することをおすすめします。

点数だけでなく、どの質問で点数が低かったのかを医師と一緒に確認することで、夜間症状が多いのか、日常生活への影響が大きいのかなど、コントロールが不十分な原因を把握しやすくなります。

定期的にACTを実施して記録しておくと、前回との変化も比較でき、治療効果の評価にも役立ちます。

【参考情報】『Concordance of opinions between patients and physicians and their relationship with symptomatic control and future risk in patients with moderate–severe asthma』BMJ Journals
https://bmjopenrespres.bmj.com/content/4/1/e000189

6-3. 吸入方法を見直す

吸入薬は、正しく使用しなければ十分な効果が得られません。

吸入するタイミングや吸い込む速さ、吸入後の息止めなどが適切でないと、薬が気道まで十分に届かないことがあります。

ACTの点数が低い場合は、薬の種類だけでなく、吸入方法が正しいかどうかも医師やスタッフに確認してもらいましょう。

◆「喘息の薬が効かないときに考えられる理由と見直すポイント」>>

6-4. 生活環境を整える

喘息を良好にコントロールするためには、薬物療法だけでなく生活環境の見直しも重要です。

室内を清潔に保ち、ダニやハウスダストなどのアレルゲンを減らすことや、禁煙・受動喫煙の回避を心がけましょう。

また、十分な睡眠や適度な運動、感染症対策を行うことも、喘息の悪化予防につながります。

7. おわりに

ACT(喘息コントロールテスト)は、現在の喘息のコントロール状態を手軽に確認できる質問票です。定期的に実施することで、症状の変化やコントロールの悪化を早期に把握しやすくなり、適切な治療につなげることができます。

一方で、ACTはあくまで喘息の状態を評価するための一つの指標です。実際の診療では、ACTの点数だけでなく、症状の経過や肺機能検査、呼気一酸化窒素(FeNO)検査などの結果も含めて総合的に評価されます。

喘息を良好にコントロールし、発作を予防するためにも、ACTを日頃の健康管理に役立て、気になる症状がある場合は早めに医師へ相談しましょう。

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以下の症状がある方は、早めの受診をおすすめします

  • 息苦しさやゼーゼー・ヒューヒューという音がある
  • 季節の変わり目や天候の変化で症状が悪化する
  • 運動時に息切れや咳が出やすい
  • 夜間や早朝に咳や息苦しさで目が覚める
  • 以前「喘息かも」と言われたが、治療を中断している

当てはまる項目がある方は、呼吸器専門医に相談してみませんか?

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