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喘息は完治する?しない?

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2022年11月22日
喘息完治トップ

喘息は、高血圧や糖尿病と同じような慢性疾患に分類される病気です。

慢性疾患とは、治療や経過に長い時間がかかり、治療を続けながら徐々に寛解を目指すような病気です。

そのため、特効薬を使用すれば数日で劇的に改善するインフルエンザなどとは異なり、喘息の治療には長い時間が必要です。

そこでこの記事では、喘息治療の基本をご紹介しながら、喘息は完治することがあるのか?という疑問についてお伝えしていきます。

1.喘息は完治する?

喘息完治家族

残念ながら、喘息は今の医学で完治させることは不可能な病気です。

ただし、適切な薬物治療と自己コントロールを継続することができれば、健康な人と変わらない生活を送ることができます。

また、小児喘息の場合、症状の程度によっては寛解(ほとんど症状がでない状態)を目指すことも可能です。

いずれにしても、信頼できる医療機関に定期通院して自己コントロールを続けることができれば、必要以上に恐れることはありません。

【参考情報】『はじめてぜん息と診断された方へ』環境再生保全機構
https://www.erca.go.jp/yobou/zensoku/basic/adult/case/first.html

2.小児喘息と成人喘息の違い

喘息総患者数グラフ

【参考情報】『統計調査』厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/toukei_hakusho/toukei/index.html

小児喘息の患者さんの50%は、2歳以下で発症していると言われています。中には、生後2~3か月で発症するお子さんもいます。

アレルギーの遺伝要素が関与していることも多く、両親共にアレルギー体質である場合、そうでない場合よりも高い確率で発症することがわかっています。
その他、家族に喫煙者がいる場合も発症する確率が高くなるとされています。

しかし、小児喘息の5~6割程度は、肺の成長とともに症状も治まり、寛解を目指すことが可能です。

◆「小児喘息の病態と薬物治療について」>>

一方、成人喘息は、小児喘息が寛解することなく大人まで持ち越した方だけでなく、過労やストレス、空気汚染などの生活環境が原因となって発症する場合も多くみられるため、アレルギー体質でない人でもかかりうる病気です。

このように、同じ喘息でも、小児喘息と成人喘息では原因や経過の点で違いがみられます。

【参考情報】『病気と医療の知って得する豆知識』沢井製薬
https://kenko.sawai.co.jp/prevention/

◆「喘息のタイプ~原因別・年齢別」>>

3.喘息治療でやるべきことは?

喘息は治療が長期化する慢性疾患ではありますが、適切な治療で気道の炎症を抑えて、アレルゲンを遠ざけるなど生活環境を改善することで、発作が起きない状態を保ち、病気がない時と変わらない生活を送れるようになります。

喘息の最大の目標は「喘息発作が起きない日常を確保すること」であり、そのために薬物治療や生活指導などを組み合わせて、総合的な治療を行っていきます。

3−1.喘息は長期的な治療が重要

小児喘息

喘息の治療は風邪などとは異なり、症状が無くなったら終わり、というわけにはいきません。症状の有無にかかわらず、毎日服薬を続ける必要があります。
 
喘息治療の重要な役割を担うのが吸入ステロイド薬であり、この吸入ステロイド薬を毎日継続することがとても重要になります。

症状がないと、つい薬を使うのを忘れてしまうという人が多いのですが、喘息治療の目標は「症状がない状態を継続すること」です。たとえ症状がなくても、薬を続ける必要があるということを忘れてはいけません。

【参考情報】油断できない大人のぜんそく:オムロン
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life

◆「喘息治療のゴールと治療法」>>

3−2.喘息患者が行うべき毎日の自己管理

喘息完治パンチ

喘息は日々の自己管理が非常に重要です。

生活環境からアレルゲン(アレルギーを起こす可能性がある物質)を遠ざけるのはもちろん、自分にとってのアレルギー物質をしっかりと把握し、外出先でもアレルゲンに触れないように注意して生活する必要があります。

喘息は、風邪やインフルエンザのような呼吸器感染症をきっかけに悪化することも少なくありません。

風邪をひかないように心がけると同時に、風邪をひいたときの対処方法を事前に主治医と相談しておくことが大切です。

市販の風邪薬や咳止め薬の中には、喘息を悪化させる可能性がある成分が含まれていることもあるため、購入前に主治医や薬剤師に相談すると安心です。

喘息発作は、気候が不安定な時期に起こりやすい傾向があります。

季節の変わり目や寒暖差が激しい時期には、体調を崩しやすくなりますので、十分注意して生活するようにしましょう。

◆「春夏秋冬…季節の変化に注意して喘息発作を予防!」>>

【参考情報】『Can the Weather Affect a Person’s Asthma?』Nemours KidsHealth
https://kidshealth.org/en/teens/weather-asthma.html#:~:text=Yes.,can%20trigger%20a%20flare%2Dup.

4.おわりに

喘息患者さんにとって、環境が自分の体調に与える影響は非常に大きいです。

しかし、見方を変えれば、日々の生活を改善することで喘息をコントロールすることができるということでもあります。

適切な治療を受けるとともに、毎日の生活習慣を見直して、発作のない暮らしを目指しましょう。

◆横浜市で呼吸器内科をお探しなら>>

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