えっ、本当?喘息と食事が関係しているってご存知でしたか?

著者: 三島 渉(医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医/内科学会認定医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

最近では、テレビや雑誌だけでなく、SNSなどの普及により、健康に関する様々なウワサが飛び交うようになりました。

健康情報はそれだけ多くの方々の関心がある事柄とも言えるでしょう。

花粉症や気管支喘息などのアレルギー疾患、肥満、肌荒れなどの身体の不調だけでなく、疲れやすい、やる気が出ない、眠れないなど心の不調まで・・・

これらの症状は実は今までの食事が作っているのです

もし皆さんが今、何か身体や心に不調を感じているのであれば、ぜひご自身の今の食事や栄養について振り返ってみて下さい。

そして、今日からの食事を変えていくことで、皆さんの未来はより良いものになるはずです。

この記事をお読みいただくことで、いつも感じていた不調が改善するヒントになればと思います。

1. たんぱく質

○たんぱく質とは?
たんぱく質は、私たちのエネルギー源となるとても大切な栄養素です。

私たちが食事をするいちばん大きな意味は「エネルギーをつくること」です。

そして、身体をベストな状態で働かせるためには、他の栄養素と組み合わせて摂る事が大切です。

中でもたんぱく質は体内で非常に多くの役割を担っているため、不足することで様々な不調を引き起こします。

下の表にたんぱく質の働きをまとめました。

右側の症状に心当たりがある方はたんぱく質不足かもしれません。

●働き
皮膚、毛髪、爪をつくる
骨・歯・筋肉をつくる
内臓(肝臓・胃腸など)をつくる
血管をつくる
血液をつくる
酵素をつくる
ホルモンをつくる
免疫の中心となる

●たんぱく質が不足すると・・・
皮膚や髪の美しさがなくなる
骨・歯・筋肉が弱く、もろくなる
内臓が衰え、弱くなる
血管がもろくなり、高血圧などを招く恐れ
貧血になる
消化吸収がしにくくなり、代謝が落ちる
身体の調節がきかなくなる

ここで特に注目していただきたいのが、たんぱく質は「免疫の中心となる」ということです。

皮膚や髪、筋肉などをつくる材料としてよく知られているたんぱく質ですが、実は細菌やウイルスから身体を守る働きも担っています。

この働きのおかげで、私たちは一度感染した細菌やウイルスにかかりにくい免疫力をつけることができるのです。

したがって、たんぱく質が不足すると免疫力が低下し、細菌やウイルスに抵抗できず、風邪を引きやすくなったり、感染症にかかりやすくなってしまいます。

気管支喘息の患者さんの中には、風邪や感染症をきっかけに咳がひどくなったり、コントロールが不安定になったりと喘息症状の悪化を招くケースも少なくありません

毎日の吸入薬やピークフロー値の管理が基本ですが、しっかりと食事をとってたんぱく質不足にならないよう注意しましょう。

さらに、精神的・心理的なストレスも喘息を悪化させる要因です。

私たちは嬉しい、悲しい、楽しいなど様々なことを感じながら日々生活しています。

実はこの感情もたんぱく質が材料となって作り出されているのです。

食材から摂取したたんぱく質や体に蓄えているたんぱく質は消化・吸収されたのちに、セロトニンやGABAなどの心の素(神経伝達物質)をつくり、頭の中でやりとりをしています。

これらにはホッとしたり、リラックスさせる作用がありますが、たんぱく質の摂取が減ることで神経伝達物質の材料が足りず、うまく作れなくなってしまった結果、イライラしたり不安になったりしてしまいます。

普段からイライラしやすかったり、あまりリラックスが出来ていない場合には、もしかしたらたんぱく質不足が関係しているのかもしれません。

日常生活の中で、仕事や対人関係、家庭内の事情などでストレスを感じる場面が多い方は特により気道が過敏になったり、発作を起こしやすい状態になりますので、意識的にたんぱく質を摂取する必要があります。

このように、たんぱく質不足は身体の不調だけでなく、心の不調まで招き、結果的に気管支喘息の悪化の原因となることがあります。

○どのくらい必要なの?
人間の体は約10万種類のたんぱく質から構成されており、その一部は、常に分解され(異化)、新しくつくり直されています(同化)。

この異化と同化が同じレベルで保たれているときにわたしたちは健康でいることができます。

異化=同化
健康が維持できる状態

異化>同化
病気の発症、老化促進

そしてこの「異化=同化」の状態を保つのに大切な材料(栄養素)こそがたんぱく質なのです。

ではどのくらい摂取する必要があるのでしょうか?

大人の場合、からだの健康を保つためには1日当たり体重1kgにつき1~1.5g程度のたんぱく質が必要といわれています。

例えば体重60㎏の人の場合は1日約60~90gが毎日必要になります。

食事からはそのうち半分~3割の20~30g程度の摂取が必要です。

しかしこれはあくまで目安の量であり、年齢やストレスなどによって増えます。

<たんぱく質必要量が増える方の例>
がん患者さん、甲状腺機能亢進症、ストレスが多いとき(精神的なもの、寒さや暑さなど)、成長期のお子さん、妊娠期・授乳期の女性、アスリート など

○なにを食べればいいの?
たんぱく質は、わずか20種類のアミノ酸が数十~数百個以上の鎖状につながった構造をしています。

また、20種類のアミノ酸のうち9種類は体の中で作り出すことができず、食材によって含まれるアミノ酸のバランスが異なるためいろいろな食材を摂ることが大切です。

たんぱく質系食品は大きく4種類に分けられます。

・肉
牛肉、鶏肉、豚肉など

・魚介
切り身、刺身、缶詰、しらす、いか、たこ、あさり、しじみなど

・卵
生、ゆで、温泉卵、スクランブルエッグなど

・大豆製品
豆腐、納豆、厚揚げ、おから、無調整豆乳など

調理法はゆでる、焼くなど素材をいかしたシンプルなものがおすすめです。

参考:たんぱく質含有量

●食品
1食あたり使用量
含有量

●マグロ刺身(赤身)
厚め6切れ(100g)
26.4g

●豚ひれ肉
100g
22.7g

●全卵
2個(100g)
12.3g

●納豆
1パック(40g)
6.6g

●豆腐
1/2丁(150g)
9.9g

表に示した食材はあくまで一例ですので、毎日の食事から様々なたんぱく質系食材を食べることが重要です。

また、肉や魚を選ぶ際には赤身の部位を選ぶことで不足しがちな鉄分の強化にもつながり、たんぱく質以外の栄養素の補給につながります。

「家にいる時間が少ない」、「外で買って食べることが多い」という方も、いつもの食事選びを少しだけ工夫してみるのも良いかもしれません。

<コンビニ編>
・ゆで卵をひとつプラスして買ってみる
・チキンやツナなど具の入ったサンドイッチを選ぶ
・寒い時期にはおでん(卵や厚揚げなど)をプラス

<ファミレス・定食屋編>
・肉や魚、卵がメインのおかずの定食タイプのメニューを選ぶ
 (魚の塩焼き、チキンソテー、肉野菜炒め、にらたまなど)
・豆腐サラダや海鮮サラダなどちょっとボリューミーなサラダを選ぶ

ここまでお伝えしたようにたんぱく質は喘息改善の上で大切な役割があります。

「忙しくてついおにぎりやパンだけになってしまっている・・・」

「ダイエットに肉や魚はダメだと思っていた!」

という方もこの機会に是非たんぱく質を意識的に摂ってみましょう。

2. 脂質

「体重を減らしたい」、「ダイエットをしている」、「食事には気をつけている」
そんな皆さんにとって、油は敵だと思っていませんか。

今日は、喘息をはじめとする、様々なアレルギー疾患の改善に必要な減量や腸内環境の改善について、油脂を中心にご紹介します。

読めば、きっとあなたも油の大切さを理解し、食事の内容が変わります。

〇脂質とは?
一言でいえば、1gあたりのエネルギーがたんぱく質や糖質よりも高い事などから、ダイエットの敵と思われていた油も、体には必要なもので、むしろ積極的に摂らなければいけない種類の油もあるということです。

喘息の人に関わらず、皆さん1度は体重を減らすことを試みているのではないかと思いますが、「油は良くない」という古い情報を元にダイエットをしても、効果は出ません。

重要なことは《3つ》です。

①油脂がどのように体内で活用され、いかに必要であるか

②どのような油を摂ればいいのか、それによって得られる効果とは

③摂りたくない油はどんなものか

冒頭でお伝えした通り、たんぱく質や糖質が1gあたり4kcalを産生するのに対し、脂質は1gあたり9kcalを産生するため、人体の主なエネルギー源となります。

疲れた時や頭を使った時に、栄養補給のために甘い物などの糖質を摂る方は多いと思います。

体の中のほとんどの臓器はグルコース(糖質)から栄養を補給するだけでなく、それ以外の栄養素からも補給ができます。

脳は約6割が脂質で構成されており、必要な栄養は脂質から代謝される「ケトン体」で補うことが出来ます

「ケトン体」と聞くと、体に悪い物というイメージをお持ちの方もいると思います。

これは、糖尿病患者が体内でケトン体が多くなるケトアシドーシスの状態が危険なのであり、インスリンが機能している、一般的な人にケトン体が増えても、何ら問題はないとされています。

つまり、「脳に糖分を補給しなければいけない」ということはないということになります。

では、なぜ疲労を感じると甘い物が欲しくなるのでしょうか。

甘い物(ブドウ糖)は摂取すると脂質よりも早く吸収されエネルギーになるため、体がエネルギー不足を感じると、吸収の速い糖質を必要とするのです。

しかし、糖質による満足感は一時的なものです。

糖質によって血糖値が上がった後に、インスリンによって急激に下げられ、だるさや眠気などの症状が起こりやすくなります。

そうするとまた糖質が欲しくなり…というように、糖質依存の体が作られていってしまうのです。

糖質の過剰摂取は、肥満や糖尿病の原因にもなりますし、アレルギーを悪化させる腸内の悪玉菌のエサにもなるため、アレルギー改善の妨げにもなります。

糖質が欲しくなってしまう仕組みと油の必要性を理解して、食事内容を調整する必要があります。

その他脂質の役割としては、細胞膜やホルモン、胆汁酸、脂溶性ビタミンの材料、生理活性物質(生体に作用し,種々の体内での働きを調節する化学物質の総称)を合成するための原料になります。

また、脂質はエネルギー貯蔵体(中性脂肪)として存在する他、皮下に蓄えられているクッション材・保温材となり身体を保護するなど、その役割は重要であり多様です。

その為、不足することにより、エネルギー不足や消耗を招くほか、体温低下などの原因にもなります。

また、脳の構成成分である為、コレステロール低値の人はうつ病の発症が多いなどの報告もあります。

体の中で脂質がいかに重要な役割を果たしているかをお判りいただけたでしょうか。

もちろん、「じゃあたくさん摂ればいい!」ということにはなりません。

過剰摂取は、エネルギー過剰による肥満の原因となりますし、体の不調へとつながりかねません。

〇どのくらい、何を摂ったらいいの
大切なのは、「必要な種類」を「適切な量」で摂取することです。

脂質は飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の2つに分類することが出来ます。

不飽和脂肪酸は人の体で合成できる一価不飽和脂肪酸合成できない多価不飽和脂肪酸の2つに分ける事ができ、多価不飽和脂肪酸は食品から摂る必要がある為、必須脂肪酸といいます。

その多価不飽和脂肪酸はさらにオメガ3系とオメガ6系に分類することが出来ます。

図:脂肪酸の分類
出典:サントリー健康情報レポート
URL:https://health.suntory.co.jp/

オメガ3系は抗炎症作用、血管保護作用を持ち、炎症抑制的に働きます。

逆に、オメガ6系は炎症の過程において、血管とその周りの組織との間で起こる水分や栄養分などの移動を促したり、炎症を促進したりします。

これらのバランスが乱れることにより、アレルギーなどの炎症性疾患を促進していると考えられています。

現代の日本人は大豆油、コーン油、ヒマワリ油、菜種油、ごま油に多く含まれる、オメガ6系のリノール酸を非常に多く摂取しています。

必須脂肪酸ではありますが、日常的に使用することによって、過剰摂取傾向にあり、炎症を促進してしまっています

逆に体にいい事で話題になっている亜麻仁油やエゴマ油、魚油にはオメガ3系が多く含まれており、過剰となっているオメガ6系との比を整えるために、摂取が勧められています。

また、亜麻仁油やエゴマ油は、特に熱に弱いので炒め物や加熱には向きません。

どの油にも共通して言えることですが、遮光瓶のものを選んで開封後はなるべく早く使い切ってください。

また、魚に多く含まれるDHAやEPAは脳に良い事で有名です。

しかし、欠乏することによって記憶力や学習能力の低下だけでなく、血栓が出来やすくなったり、LDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪が増加してしまうとされています。

他にも、EPAは喘息をはじめとする慢性炎症へ臨床応用されているため、アレルギーに悩んでいる方には必須の成分です。

「良い油」で有名なオリーブオイルは一価不飽和脂肪酸を多く含んでいます。

これは体内で作ることが出来ると紹介しましたが、LDLコレステロールを下げる、動脈硬化を抑制するなどの生活習慣病予防の効果があり加熱にも強い為、積極的な摂取をおすすめします。

バターやラードなどの動物性油脂は、長年コレステロールを上げるといった「悪い油」としてのイメージが強いですが、そんなことはありません。過剰になってしまえば肥満の原因にはなりますが、摂りすぎなければきちんとエネルギー源となって体で使うことができます。

ここまでで、喘息改善の為に必要な脂質の役割について、ご理解いただけたのではないでしょうか。

脂質の役割を理解することで、食事の内容が変わり、減量、腸内環境の改善につながります。

今すぐあなたも、自宅で使っている減らすべき油、足りていない油を確認し、食事での使い方を変えてみてはいかがですか。

3. 糖質

この章では、お食事の主食となることが多い「糖質」と、腸内環境改善に欠かせない「食物繊維」の摂りかたについてご紹介します。

糖質の代表といえば「ごはん」ということをご存知の方も多いと思います。

ごはんといえば、日本人の文化や歴史になじみ深く、主食としてなくてはならない位置づけになっていますが、最近の栄養学ではこのごはんを含む砂糖、パン、麺類などの「糖質」について、様々なことが明らかになってきています。

この章を読むと、糖質の上手な摂り方や、腸内環境とアレルギー疾患との関連、最近話題の糖質制限について理解することができます。

ひとことで言うと、糖質と食物繊維の摂り方を良くすることで、腸内環境を改善することができ、それにより喘息や花粉症といったアレルギー疾患や、糖尿病などの生活習慣病の改善が期待できます

現在、当クリニックの管理栄養士も糖質を控えたり、食物繊維の摂り方に気を付けていますが、入職した当時から皆できていたわけではありません。

皆で糖質について学び、控えるメリットを理解することで食事が変わってきました。

今回は皆さんに糖質と食物繊維を摂る時のポイントをお伝えしていきます!

〇糖質・食物繊維とは?
<糖質の働き>
糖質は、たんぱく質、脂質とともに「三大栄養素」のひとつとされ、身体にとって主要なエネルギー源になります。

食べた糖質は、胃腸で消化吸収されると、血流にのって全身の細胞に届けられ、身体を動かすための主要なエネルギー源として使われます。

また、体内でブドウ糖に分解されたあと、飢餓や、いざ!という時に備えて肝臓や筋肉に貯蔵されています。
なかでも、「ブドウ糖」赤血球に必要不可欠な栄養素です。

しかし、エネルギー源として身体に必要な糖質ですが、身体で使われる以上に過剰に摂取すると、肥満の原因につながりかねません。

糖質が吸収される仕組みとして、摂取した糖質(ごはん、パン、麺、砂糖など)はまず消化されてブドウ糖という小さな形に分解されます。

その後腸で吸収され、肝臓で代謝されます。

そして全身の血液にのって(このとき血液中にどのくらいブドウ糖があるかを示すのが血糖値です!)身体中に運ばれて、エネルギー源として使われます。

精製された糖質(精白米や小麦)特に、砂糖主体のお菓子や清涼飲料水は、体内に入るとすぐに吸収され、過剰に摂取すると「血糖値を急上昇」させます

すると、一定の血糖値を維持するために膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌され、さらに余ったブドウ糖を脂肪細胞に取り込んでしまいます。

これが中性脂肪となり、肥満の原因になりますので、糖質の摂りすぎには注意が必要なのです。

出典:大塚製薬
URL:https://www.otsuka.co.jp/health-and-illness/glycemic-index/glucose-level/

・炭水化物 = 糖質+食物繊維 
糖質と食物繊維は全くの別物と思われている方もいらっしゃると思いますが、実は関連があります。

2003年に告示された健康増進法に基づく栄養表示基準では、「炭水化物」の定義は、「食品からたんぱく質や脂質、ミネラル成分、水分を除いたもの」とされています。

その炭水化物から、消化吸収できない成分である食物繊維を除いたものが「糖質」です。

ごはんやパン、芋類などの炭水化物には「糖質」だけでなく、「食物繊維」も含まれているということですね!

出典:ラカントHP
URL:https://www.lakanto.jp/products/lakanto/

<食物繊維の働き>
食物繊維にはさまざまな働きが認められており、最近では心筋梗塞や糖尿病、肥満などの生活習慣病への関与が注目されています。

体内に入った食物繊維は、消化されないまま大腸に運ばれ、そこでさまざまな働きをします。

食物繊維には不溶性と水溶性の2種類があります。

水溶性の食物繊維を摂ると、腸内での発酵・分解が進み、腸内細菌の数が増え、活動が上がります。

一方、不溶性の食物繊維は「腸の掃除屋」です。腸にたまった不要物を絡め取りながら大便を作りつつ、腸の動きを活発にしてくれるので、腸をきれいな状態に保つことができます。

どちらもバランスよく摂る事で腸内環境が整いやすくなります。

〇摂取するとどんないいことがある?
<糖質のメリット>
糖質は血糖値を上げ、優先的にエネルギー源として使われる栄養素です。

よって、エネルギーが不足している方には効率的に利用することができます。

ですから、食事で摂った肉や魚などのたんぱく質を、エネルギー源としてではなく、筋肉や肌、髪の毛など身体を構成する材料として活用することができます。

糖質をエネルギー源として活用できるのはこんな時・・・

・肥満がない、成長期の子どもの主食として
・肥満がない方の運動前のエネルギー源として
・痩せがあり、少食の方のエネルギー源としての間食

以上のように、糖質をエネルギー源として活用できるのは「肥満がない方」となります。

また、脂質やたんぱく質と比較すると、糖質は「すばやく」エネルギー源となります。

筋肉トレーニングや短・中距離走などの短時間で一気にパワーを出したい運動の場合は糖質がエネルギー源として向いています。

ですので、筋肉量をキープしたり、増やしたりして運動パフォーマンスを上げるには、糖質補給は重要になります。

(しかし、継続的な有酸素運動(長距離走など)に利用されるのは脂質からのエネルギーになります!)

<食物繊維のメリット>
・咀嚼の回数を増やし、唾液の分泌を高め、満腹感を得やすくする
・腸などの消化管のはたらきを活発にする
・ブドウ糖の消化吸収を緩やかにし、食後高血糖を防ぐ
・便をやわらかく、かさを増やして便秘を予防、改善する
・発がん性物質や余分なコレステロールなどの排泄を促進
・腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える

・食物繊維がカギ!腸内環境の乱れが喘息発症原因になることも・・・
腸に住む共生菌のことを「腸内細菌」といいますが、私たちの腸内には、500種類・100兆個異常の細菌が住みついているといわれています。

腸内細菌には、体に良い働きをする「善玉菌」、悪い働きをする「悪玉菌」、そのどちらでもない「日和見菌」の3種類で構成されています。

善玉菌の数が多ければ病気やストレスに負けずに毎日元気に過ごすことができますが、腸内細菌のバランスの乱れは腸管の不調だけでなく、全身にも影響を及ぼします。

例えば、肥満や糖尿病、肝臓がん、などを起こすことが、多くの研究から分かってきています。

そのなかで注目されているのが「腸内細菌のバランスの乱れが、喘息を悪化させる」というものです。

筑波大学の渋谷教授らによって行われた実験では、ダニなどのアレルゲンを吸い込ませて喘息を発症させたマウスのうち、一番症状が強く現れたマウスでは、腸管内で乳酸菌などの善玉菌が減少し、カンジダ菌(善玉でも悪玉でもない日和見菌)が異常に増殖していることが分かったのです。

日和見菌は普段は悪さをしませんが体調が悪いと病変を起こします。

腸内でカンジダ菌が増殖すると、炎症を引き起こす生理活性物質が増え、それが気道内の炎症に関与することで喘息が重篤化していたのです。

喘息も現在、患者数を大きく増やしているアレルギー疾患で、成人の喘息が特にこの10年で増えているといわれています。

喘息は重症化すると命に関わる病気です。予防と克服には腸内バランスを整えることも必要です。

そして、腸が喜ぶ食べ物第1位は、食物繊維をたっぷり含む食品です。

腸内に存在する、大腸菌を代表とする悪玉菌も、食物繊維をエサにしているとよい働きをしてくれます。

食物繊維を分解してビタミン類を作り出し、病原体が入ってきてもいち早く排除に働いてくれるのです。

〇摂りすぎ・不足するとどうなる?
・糖質を摂りすぎると・・・
糖質の働きの部分でも記載しましたが、過剰に摂取された糖質は血糖値を急上昇させます。

すると、余った糖質を脂肪細胞に送り込み、中性脂肪になります。

これが肝臓に蓄積されると脂肪肝や肥満の原因となります。

またこれらの他に、血糖値が食後にスパイク状に急上昇する「血糖値スパイク」も、動脈硬化による心臓のトラブルや脳梗塞の原因になる為注意が必要です。

また、食後の高血糖は、従来の健康診断で調べる糖尿病の診断基準(空腹時の血糖値など)では見つける事ができません。

・でも、糖質が少ないと頭が働かなくなるのでは??
「糖質は脳のエネルギーになる」ということは有名で、当院の栄養カウンセリングに来ていただいている患者さんのなかにも「頭を使う仕事の時は、ちょこちょこ甘いものをつまみます」という方も多くいらっしゃいます。

しかし、実は通常の食事では、皆さんは糖質を必要以上に摂取しており、糖質が不足することはありません

糖質は身体のなかで必要な分を作ることができますし、脳を含めた身体の活動エネルギーのほとんどは脂質由来の物が使われています
しかし、糖質摂取量を減らした方のなかには、頭がぼーっとしたりふらふらする、といった方もいらっしゃり、これらも糖質を控えるのはよくない!といわれる原因のひとつになっています。

これは、いままで糖質からエネルギーを得ていた方が、脂質からのエネルギーに切り替えるのには時間がかかる為です。数ヶ月すると身体もだんだんと慣れてきます。

・食物繊維が不足すると・・・
食物繊維の摂取が不十分だと、便通が滞ると同時に、有害物質の排泄も滞ってしまいます!

さらに食物繊維摂取不足は肥満や生活習慣病の発症に強く関連していることも明らかになっています。

現在日本人で食物繊維が必要量とれている方は少なく、積極的な努力が必要になります!

〇多く含まれる食材
<糖質を含む食材>
まずは糖質を多く含む食品を確認してみましょう!

外食で注文する時、パスタにパンを付けていませんか?

お惣菜を買ってくる時、サラダとしてポテトサラダやマカロニサラダを買っていませんか?

糖質が食事のなかで重なって摂りすぎていないかどうか、意識してみてください。

図:糖質を多く含む食品

<食物繊維を含む食材>
穀物(全粒粉、玄米、胚芽米) 、野菜 、果物 、豆類 、海藻類 、きのこ類 

ぜひ積極的に摂りましょう!

以下で摂り方のポイントをお伝えします!

〇どうやって摂ればいいの?
<糖質摂取のポイント>
喘息をはじめとするアレルギー疾患の場合、糖質の摂り方を改善することによる「肥満の予防・改善」がポイントになります。

・血糖値を「急上昇させない食べ方」
急上昇した血糖値が急に下がった時、食後(2-4時間後)の眠気やだるさ、いらいらなどの不調が起ります。

また、血糖値が急上昇した際に「活性酸素」という、身体のサビつきを促進させたり、アレルギー疾患の原因になりうる物質が大量発生します。

ですので、食べ方に気をつけて血糖値を緩やかに上昇させることがアレルギー疾患の改善に大切なポイントです。

血糖値上昇の速度は、食材の精製度や調理法だけでなく、食べ合わせや、食べる順番などによって大きく変化します。

例えば、おにぎりだけ、パンだけで摂るよりも、一緒に野菜やたんぱく質を摂ると血糖値の上昇はゆるやかになりますし、食べる順番もひと口目にごはんを食べるよりも、野菜やおかずを食べた後に糖質を摂ったほうが、血糖値の急上昇を防ぐことができます。

ポイントとしては、
・食べる順番は 野菜(きのこ・海藻類) → おかず → ご飯 にすること。

・麺類や丼物のように糖質に偏るものは控え、脂質、たんぱく質を揃える(定食スタイルがおすすめ)

・パンを食べる時は、サンドイッチなどたんぱく質も一緒に摂れるものを選ぶ

・ラーメン・ライスのセットなど、糖質の重なりは避ける

しかし、食べ順や食べ合わせを意識出来ていても、血糖値の変化は個人差が大きいことも注意しなくてはいけません。

また、喘息などの呼吸器疾患をお持ちの患者さんへの栄養カウンセリングにて、お食事記録を毎日見させて頂いていますが、お食事が糖質に偏っている方が大変多くいらっしゃいます。

とくに控えたいのは、精白米や小麦製品、砂糖などの白く精製された食品です。

食物繊維をそぎ落としてしまったこれらの食品を摂ると、血糖値が非常に高い状態となり、体内の活性酸素を増やしてしまいます。

ですので、血糖値の上昇を抑え、活性酸素を減らしてアレルギー疾患を改善させる食べ方としては、「糖質の摂取量を減らす」ことが最も簡単で、有効な方法となります!

出典:糖尿病ネットワーク
URL:http://www.dm-net.co.jp/calendar/2017ima/cookingSeminar/20171116_cs009.jpg

<食物繊維の摂取量を増やすためのヒント>
・全粒のパンやパスタ、玄米など、全粒穀物を使った食品を選ぶ

皮つきの新鮮な果物を、おやつに適量食べる

・鍋料理やカレー、シチューに野菜や大豆、レンズ豆、ひよこ豆を加える

野菜は皮つきのまま調理する

種子類・ナッツ類をおやつに

海藻類を積極的に摂る(焼き海苔をつける、もずくパックの活用、味噌汁や和え物、サラダにわかめをたっぷりと)

結論としては、腸内環境を改善し、喘息をはじめとするアレルギー疾患の改善を期待するためには毎日の食事がいかに大切であるか、ということです。

つまり、お食事の摂り方を改善することにより、アレルギー疾患のみならず、他の生活習慣病予防や、便秘・食後の眠気といった身体のちょっとした不調を改善に導くことができるのです!

また、肥満(特に女性の場合)は喘息悪化の要因となる可能性がありますので、やはり糖質の取り方を意識することが必要です。

まずこの章をお読みいただいたあなたが、今日から簡単にできることとして、パン・麺・精白米などの糖質の摂りすぎに気を付けることと、海藻・野菜から食物繊維を意識して摂る事を「日々心掛ける」ことです。(100点でなくても大丈夫!)

これをきっかけに、お食事の摂り方を見直してみましょう!!

4. ビタミン

最近、肌が乾燥する…

風邪をひきやすい…

アレルギー症状(喘息、花粉症、アトピー)に困っている…

太りやすくなってきて、瘦せにくい…

このような症状がある方は多いのではないでしょうか?

その体の不調は、ビタミン不足が原因かもしれません!!

今回は、ビタミンの働きと必要性について皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

ビタミンの働きについて知ることで、きっとあなたの体調不良は改善していくはずです。

〇ビタミンとは?
皆さんは「ビタミン」と聞くとどのような印象を受けますか?

「美容に良い」「野菜や果物に多く含まれる」「不足しやすい栄養素」などのイメージを持つ方が多いのではないでしょうか?

実は、摂取されたビタミンは体を作る原料やエネルギーになるのではなく、他の栄養素の働きをサポートする役割があります。

「5大栄養素」の1つとして、ビタミンは生体に不可欠な栄養素ですが、体内で合成されるものと合成できないものがあるため食事やサプリメントでの摂取が重要です。

三大栄養素(糖質・脂質・たんぱく質)と比較すると、ビタミンの必要量はごく少量ですが、それぞれのビタミンには特有の欠乏症と過剰症があるので注意が必要です。

現代の食生活は糖質と脂質中心で、ビタミンは不足することが多いのが現状です。そこで今回はビタミン不足による弊害を中心にお話しします。

〇不足するとどうなる?
風邪を引きやすい、花粉症がひどい、疲れが溜まりやすいなど多くの人が抱える健康障害の多くは、ビタミン不足も関係しています。

例えば、ビタミンAが不足すると肌荒れや視力低下が起きやすくなり、ビタミンB群やビタミンCが不足すると疲れが溜まりやすくなるといった症状が挙げられます。

その他にも、ビタミンが不足することで起こってしまう体への自覚症状はいくつかあります。

以下にビタミンの種類と分類と種類、不足することで起きる弊害をまとめましたので、ご紹介します。

<脂溶性ビタミン>
脂溶性ビタミンと聞いてあなたはどのようなものに含まれているのか想像できるでしょうか?

名前から分かるように、脂溶性ビタミンは油に溶けて存在する為、主に動物性の食品に多く存在しますが植物性食品や海藻にも含まれます。

脂溶性ビタミンを摂取するときは、油と一緒に摂取することで体への吸収率が高くなるので、油脂を使った調理などで摂取するのがオススメです。

また、熱に強いという特徴も持っているため、調理による損失が水溶性ビタミンより少ないことがいえます。

<水溶性ビタミン>

水溶性ビタミンと聞くと、「水に溶けやすい」「摂取しても尿として体の外に出てしまう」という印象を受ける方も多いのではないでしょうか?

その名の通り水溶性ビタミンは水に溶けやすく、野菜を茹でたり水にさらすことで失われる特徴があるため、スープごといただける汁物などの調理がオススメです。

その他にも、水溶性ビタミンは熱に弱いという特徴があります。調理・加工する際に損失してしまうことも多くあるため、調理法には注意が必要です。

上記からも分かるように、ビタミンの不足によって体調にさまざまな不調が表れてしまいます。

しかし、その不足を補うことで、アレルギー疾患や生活習慣病の原因にもなる肥満にとって良い効果をもたらしてくれるのです。

次に、どんなビタミンが効果的なのかについてお伝えします。

〇おすすめのビタミンは?
アレルギーには花粉症、喘息、食物アレルギーなど様々なものがあるのはご存知かと思います。これらのアレルギー疾患にどのビタミンの摂取が有効的か知っている人はどのくらいいるでしょう?

アレルギー症状は免疫機能が正常に働かないことで起こります。

つまり、免疫機能を高めることがアレルギー症状には効果的といえるでしょう。

例えば、ビタミンA・Cは高い抗酸化力や免疫強化に関与しているため、アレルギー疾患の改善が期待できます。

また、ビタミンEにも抗酸化作用があり、リウマチ、アレルギー、がん、動脈硬化の発生を抑えると言われています。

これらのビタミンの共通点は抗酸化作用です。

活性酸素の働きを抑える作用を抗酸化作用といい、活性酸素は免疫細胞を破壊することにより免疫機能低下や老化・動脈硬化・がんなど様々な障害を引き起こすとされています。

人間の体は酵素により活性酸素を抑える働きが備わっていますが、年齢を重ねるとともに体内で作られる酵素の量は減少していきます。

抗酸化作用をもつこれらのビタミンは酵素によって処理しきれない活性酸素の働きを抑える抗酸化物質の一つとして重要です。

活性酸素の危険性と、ビタミンA・C・E(抗酸化ビタミン)の重要性についてお分かりいただけたでしょうか?

ビタミンなどの栄養素は必要量に個人差があり、生活環境や食生活でも変動します。

食事は気を付けているのにビタミン不足の症状が出てしまう人の中には、酸化ストレスなどで活性酸素が発生しやすくなり、抗酸化ビタミンの必要量が多くなっているために症状が出てしまう場合があります。

酸化ストレスは、虚血やストレスなど病的なものや、紫外線や放射線・大気汚染・タバコ・薬剤・酸化された食べ物を摂ることなどで発生します。

また、過剰な運動も酸化ストレスを高めます。

したがって、食べ物から必要なビタミンを摂取することは難しいのが現状ですので、生活習慣や食生活を改善するとともに良質なサプリメントなどを利用することもお勧めします。

次に肥満に効果的なビタミンについてみていきましょう。

ここでは「代謝」に着目してお話ししたいと思います。

代謝とは摂取した栄養素から身体に必要な物質を生成したり、生成した物質を分解してエネルギーを作り出すことです。

肥満の改善と聞くと「カロリー制限」や「糖質制限」などを想像する方もいらっしゃるかと思います。

確かに、カロリーや糖質に着目することは減量することには大切なことですが、カロリーを控えても代謝効率が悪いと思い通りに体重が減らなかったり、リバウンドしてしまう原因になってしまいます。

代謝に関わるビタミンとしてはビタミンB群とビタミンCの存在が不可欠です。

特にビタミンB群はあらゆる酵素の働きを助け、脳や神経系の機能維持に重要なだけでなく、エネルギーを作る働きもあります。

しかし、ビタミンB群は食品から摂取したとしてもそのまますぐには働けません。

体の中に取り込まれてから働ける形(活性型)に変化してから、やっと働けるようになります。このとき、働ける形になるにはいくつかのビタミンB群が相互に作用しています。

例えば葉酸の代謝にはナイアシンやビタミンB12が必要ですし、ビタミンB6の活性化にはビタミンB2が必要です。このようにビタミンB群を効率よく働かせるためには複合体で摂取することがオススメです

ちなみに、ビタミンCは脂質の消化吸収に必要な「胆汁酸」という消化酵素を作ったり、体内で不必要なものを代謝したりする働きがあります。

これらの話を聞いてあなたはビタミンの印象が変わりましたか?

自分に足りないビタミンは何だろう?

サプリメントは具体的にどのようなものを摂ったらいいのだろう?

など、様々な疑問がわいてきたかもしれません。

ご自身に不足しているビタミンなどに興味を持っていただいた方はぜひ当院の管理栄養士にご相談ください!

5. ミネラル

〇ミネラルとは?
タンパク質、脂質、糖質がそれぞれの機能を発揮するためには、ミネラルのサポートが欠かせません!

ミネラルは、身体を作ったり、酵素の働きを助けたりなど様々な重要な役割を持っています。上手く取り入れて頂く事でアレルギー疾患に強い身体をサポートしてくれます!

また、過不足があるとさまざまな病気を誘発する原因にもなり、多く摂れば良いというものでもないので、適正量の摂取が重要です。

働きとしては、体内のミネラルバランスによって、体温や血圧、体液のpHが一定に保たれます。

健康を維持するためには欠乏を防ぐことが重要であり、それぞれのミネラルにはビタミンの活性化や栄養素の代謝、免疫機能、抗酸化作用のような働きが認められています。

お互いに協力しながら吸収・利用・代謝・生理作用を発揮します。

ミネラルは体内で作る事が出来ませんので、健康を維持するためには食材などから摂らなければなりません。

この章では1日当たりの必要量が100mg以上の「主要ミネラル」と、それ未満の「微量ミネラル」に分けてお伝えします。

主要ミネラル
<カルシウムとマグネシウム>
人体に最も多いミネラルが、カルシウムです。

カルシウムは骨の形成だけに必要なミネラルではありません。

体内にあるカルシウムのうち、約1%は筋肉や神経、体液に存在しています。

またカルシウム、マグネシウムともに、「筋肉の収縮を促す」「酵素を活性化させる」「心臓が正常に動くようにサポートする」など、生命活動維持に直結する働きをしています。

アレルギー体質の改善には、カルシウムが必須です。

骨以外の、身体に含まれる1%のカルシウムが体質改善に有効で、きちんと保たれていると体調も良い方向に整ってきます。

血圧調整、血管壁の強化、神経を安定させて興奮や緊張を和らげる、酵素の働きを活性化させるなどメリットもたくさんあります。

また、カルシウムとマグネシウムは「ブラザーイオン」とも呼ばれ、カルシウムを吸収し、きちんと体内で働かせるためにはマグネシウムも欠かせません!

骨や歯を強化するだけでなく、体温や血圧の調節、補酵素として糖質、たんぱく質、脂質の代謝を助ける、などのメリットもあります。

カルシウム不足が長期にわたると、血中カルシウム不足を補うために骨や歯のカルシウムが溶け出し、骨粗しょう症になったり、余分なカルシウムが血管に付着して高血圧や動脈硬化など生活習慣病の原因となることもあります。

マグネシウムが不足すると筋肉にトラブルが起きて、筋肉痛や心筋梗塞になる場合もあります。

また、マグネシウムは腸の蝉動(ぜんどう)運動を促す作用も持つため排便力が高まります。

便通に自信のない方は、マグネシウム含有量の多い水(硬水)や塩を使うことですっきりとしたお通じが期待できます◎

微量ミネラル
<鉄>
鉄は、体内で酸素と結合して全身に酸素を運ぶ役割があります。
ほかにも、

・エネルギーの産生
・成長促進
・造血にかかわる
・全身の機能を高める

など様々です。

鉄の吸収には胃の中の環境が重要ですので、ストレスや胃の不調、胃酸を抑える薬を服用している状態だと吸収率は低下してしまいます!

鉄不足になると、酸素が全身に行き渡らなくなることやさまざまな代謝がうまく回らなくなることで以下の症状が出てきます。

・動悸と頭痛
・肩こりや冷え
・疲れやすさ、だるさ
・朝起きられない
・風を引きやすい
・集中力や注意力の低下

これらの症状に当てはまる方は、「鉄欠乏」が原因にあるのかもしれません。

鉄欠乏は、必ずしも血液検査で基準値内に入っていれば問題ないというものではありません。

これはアレルギー疾患についてのブログですが、不調が当てはまり、気になる方は鉄をはじめとする栄養の不足が考えられることもありますので、当院の栄養カウンセリングにぜひお越しください!

<亜鉛>
鉄の次に体内に2番目に多い微量ミネラルは亜鉛です。

亜鉛は細胞を新しく作る働きを活発にして骨や皮膚の発育を促します
ほかにも、

・酵素反応の活性化(亜鉛が関わる酵素はなんと200以上!)
・新陳代謝向上
・DNAやたんぱく質の合成
・免疫反応の合成
・味覚を正常に
・脱毛の予防
糖代謝の正常化(インスリンの合成)

があります。

亜鉛欠乏により、成長期のこどもでは成長不良、成人では貧血、味覚障害、皮膚炎、精子減退などが起こりります。

〇どのように食べたらいいの?
<ミネラルの摂り方のポイント>
カルシウムとマグネシウム
カルシウムを多く含む食品は
牛乳、乳製品、イワシ、小魚、干しエビ、海藻類、大豆製品、緑黄色野菜

出典:日清オイリオHP
URL:http://www.nisshin-oillio.com/sports/body/07.html

マグネシウムを多く含む食品は
大豆、大豆製品、小豆、海藻、アーモンド
です。

摂取したカルシウムの吸収を促す栄養素として知られているのは、マグネシウムビタミンDです。

鮭をはじめとする魚介類に多く含まれるビタミンDには、血中のカルシウムバランスを調整する働きもあります。

一方、吸収されたカルシウムが骨に吸着されるにはビタミンKの作用も必要です!

ビタミンKには骨からカルシウムが溶けてしまうのを防ぐはたらきもありますので、納豆やチーズなど、ビタミンK豊富な食材も積極的に摂ることも骨を丈夫にするのに効果的な食べ方です。


鉄を多く含む食品は、豚/鶏/牛レバー、赤身肉、赤貝、ひじき、海苔、大豆
です。

鉄には、主に肉・魚などの動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と植物性食品や卵・乳製品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。

ヘム鉄は体内への吸収率が高く、非ヘム鉄は吸収率が低いという違いがあります。

非ヘム鉄は良質なタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。

いろいろな食品を組み合わせて鉄を効果的に吸収すること、つまりは栄養バランスのよい食事が何より大切なのです。

出典:女子栄養大学HP
UPL:http://www.eiyo.ac.jp/recipe/sp/feature/view/vol:1/lesson:3/

亜鉛
亜鉛は全ての細胞に含まれるので、肉・魚介・種実・穀類など多くの食品に含まれています。

特に多いものとしては牡蠣、あわび、たらばがに、するめ、豚レバー、牛肉、卵、チーズ、高野豆腐、納豆、えんどう豆、切干大根、アーモンド、落花生などです。

偏食や極端なダイエットを避け、一汁三菜のような食事を摂ると、亜鉛は十分量摂取できます。

また、お酒好きな方は適正量を守ることと、おつまみに亜鉛を多く含む肉や魚、大豆製品、ナッツ類を使用したものを選びましょう。

亜鉛を失いやすい抗菌剤や利尿剤を常用している場合は、医師との相談も必要です。

鉄を多く摂ると亜鉛の吸収が阻害され、亜鉛を多く摂ると銅の吸収を阻害するので、他のミネラルとのバランスも必要です。

いかがでしたでしょうか。

結論としては、食事で摂った糖質、脂質、タンパク質の栄養素を体の中でうまく働かせるには、ミネラルのサポートが大切であるということです。

食事をしっかり摂っていても、ストレスや多量の飲酒は必要なミネラルを消費したり、体の外に出してしまう原因にもなるので、気になる方はサプリメントを取り入れてみることも良い方法です。

簡単に出来ることとして、まずは糖質に偏らずに肉などの動物性たんぱく質や大豆、海藻類を代表とするミネラル豊富な食材を日々のお食事に取り入れてみましょう!

横浜市南区にある当クリニックでは、栄養カウンセリングを行っています。

足りていない栄養素、病気とまではいかないけれど疲れやすかったり、不調が気になる方は一人ひとりにあったお食事改善方法、サプリメントを取り入れることで改善される可能性があります。

気になる方はぜひ、お気軽に当院までお問合せください。

著者プロフィール

三島 渉 (医学博士、横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
呼吸器学会専門医/内科学会認定医/禁煙学会専門医/アレルギー学会専門医
医療法人社団ファミリーメディカル理事長

平成9年横浜市立大学医学部卒業。呼吸器内科専門医として活躍する一方、現代医学の限界を痛感。医学研究による解決を目指し、横浜市立大学大学院入学。分子細胞生物学を専門として、がん転移に関連する細胞機能の研究を行い、平成17年医学博士取得。

その後再び臨床の現場に戻るも、症状がひどくなってからでないと来院してもらえない医療の世界の構造的な問題を認識。

「症状がまだ軽いうちに気軽にかかってもらえるクリニックをつくろう」と決意し、平成19年横浜市南区に呼吸器内科専門の「上六ツ川内科クリニック」を開院。病気が進行すると改善が難しい呼吸疾患の早期発見・早期治療の重要性を伝えている。

現在、毎月500人以上の喘息患者と100名以上のCOPD患者を診療。禁煙治療にも力を注ぎ、呼吸器疾患で苦しむ人のいない社会の実現を目指している。年間約100名の禁煙指導を行い、84.6%の禁煙成功率を達成している。

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