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喘息・COPD治療薬「アドエア」の特徴と効果、副作用

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2022年11月22日

アドエアは、喘息およびCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の治療に用いる薬で、「ディスカス」または「エアゾール」と呼ばれるデバイス(吸入用器具)を使って吸入します。

この記事では、アドエアの使い方や効果、副作用などについて解説します。初めて使う方も、現在使用中の方も、ぜひ読んで基本的な知識や使い方を確認してください。

1.アドエアとはどのような薬か

アドエアは、吸入ステロイド薬である「フルチカゾンプロピオン酸エステル」と、長時間作用性β2刺激薬の「サルメテロールキシナホ酸塩」が配合された薬剤です。

【参考情報】
『医療用医薬品 : アドエア』KEGG MEDICUS
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00058479

『医療用医薬品 : フルチカゾンプロピオン酸エステル』KEGG MEDICUS
https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_med?japic_code=00067740

『DRUG: サルメテロールキシナホ酸塩』KEGG MEDICUS
https://www.kegg.jp/entry/dr_ja:D00687

吸入ステロイド薬は気道の炎症を抑えて発作を予防する成分、β2刺激薬は気管支を拡げる作用のある成分です。

喘息の治療薬には、毎日服用することで発作を未然に予防する「コントローラー(長期管理薬)」と、発作時に症状を抑えるために使用する「リリーバー(発作治療薬)」があります。

アドエアは、コントローラーにあたる薬です。コントローラーは、吸入してすぐに効果は現れませんが、使い続けることで発作を予防することができます。

◆「喘息治療のカギとなる「気道の炎症」を抑えるには?」>>

アドエアのデバイスには、「アドエア100ディスカス28吸入用」など数字が記載されていますが、前者の数字は薬剤の中に含まれるステロイドの量、後者の数字はデバイスからアドエアが吸入できる回数を表しています。

2.アドエアの使い方

アドエアの吸入器には、丸い「ディスカス」と、縦長の「エアゾール」の2種類があります。

ディスカスは、吸い込む力が十分にある人に向いています。エアゾールは、小児や高齢者など、吸う力が弱い患者さんでも薬剤が吸入しやすいという利点があります。

以下、ディスカスとエアゾールに分けて、アドエアの吸入方法を説明します。

2−1.ディスカスの使用方法

①残量確認
吸入器のカウンターの数字を見て、薬の残量を確認します。残量がゼロになっていたら、新しい吸入器を使います。

②カバーを開ける
片手でカバーを持ち、もう片方の手の親指をグリップにあて、グリップがとまるところ(カチッと音がする)まで回してカバーを開けます。カバーが開くと、レバーとマウスピース(吸入口)が現れます

③レバーを押す
マウスピースを手前にして平らに持ち、レバーをグリップのところへカチッと音がするまで押し込みます。この動作で薬剤のセットが完了します。

④息を吐き出す
姿勢を正し、無理のない程度で、しっかり息を吐き切ります。

⑤薬剤を吸い込む
マウスピースを深くくわえて口をすぼめ、「強く」「早く」「一気に」スーッと息を吸い込んでください。

⑥息を止める
薬剤を吸い込んだら、マウスピースから口を離して3~5秒ほど息を止め、その後ゆっくりと息を吐いて呼吸を再開します。

⑦ふたを閉じる
グリップに親指をあて、カチリと音がするまで回し戻してカバーを閉じます。この動作で、レバーも一緒に元の位置に戻ります。

⑧うがいをする
口の中に残った薬剤を洗い流します。

2−2.エアゾールの使用方法

①残量確認
吸入器のカウンターの数字を見て、薬の残量を確認します。残量が「000」になっていたら、新しい吸入器を使います。

②エアゾールのキャップを外す
吸入器にボンベが正しく装着されていることを確認し、マウスピース(吸入口)についているキャップを外します。

③吸入器をよく振る
薬剤の入ったボンベが下になるように吸入器を持ち、よく振って下さい。初めて使用する時は、④の手順に進む前に吸入器の底を押し、人のいない場所に向け、4回空噴霧してください。

④息を吐き出す
姿勢を正し、無理のない程度で、しっかり息を吐き切ります。

⑤薬剤を吸い込む
マウスピースを軽く歯でくわえます。息を吸い込み始めると同時にボンベの底を1 回しっかり押して、薬を「ゆっくり」「深く」吸い込みます。
※「オープンマウス法」という、口にくわえない吸入法もありますので、医師・薬剤師の指示に従って下さい。

⑥息を止める
薬剤を吸い込んだら、マウスピースから口を離して3~5秒ほど息を止め、その後ゆっくりと息を吐いて呼吸を再開します。

⑦キャップをつける
マウスピース部分のキャップをつけます。

⑧うがいをする
口の中に残った薬剤を洗い流します。

エアゾールを使用する際、ボンベの底をしっかり押すのが難しいと感じる方は、「スペーサー」という補助器具を使うこともできるので、医師や薬剤師に相談してください。

3.アドエアの副作用

アドエアの代表的な副作用には、声がかすれる「嗄声(させい)」、口腔内に白いコケのようなものが出現する「口腔カンジダ症」があります。

【参考情報】『口腔カンジダ症』日本口腔外科学会
https://www.jsoms.or.jp/public/disease/setumei_koku/#c05

嗄声や口腔カンジダ症は、吸入ステロイド薬全般に現れる副作用ですが、吸入後にしっかりとうがいをすることで予防できます。

うがいをする際には、喉を水で洗う「ガラガラ」うがいと、口の中をゆすぐ「ブクブク」うがいを行い、薬剤を洗い流しましょう。

動悸や手のふるえなどの副作用が現れることもありますが、多くは一時的なものです。ただし、症状が強いと感じた場合は主治医に相談してください。

【参考情報】『アドエア添付文書』医薬品医療機器総合機構
https://www.info.pmda.go.jp/go/pack/2290800G1032_1_12/?view=frame&style=XML&lang=ja

4.使用上の注意点

アドエアは、喘息の発作を抑える薬ではありません。発作が起こり、咳や息苦しさが強くなってきたときは、医師から処方された発作治療薬(リリーバー)を服用してください。

アドエアは、通常1日2回吸入します。発作が起こらなくても、体調が良くなっても、自己判断で吸入回数を変更したり、使用を中止することは絶対にしないでください。

アドエアは小児にも使用することができる薬剤です。ただし、薬剤の噴霧と吸入のタイミングを合わせるには練習が必要なので、上手にできるよう大人がサポートしてあげてください。

妊娠中やその可能性のある方、授乳中の方は医師に相談してください。

◆「喘息の女性が気になる妊娠中の不安や疑問に答えます」>>

【参考情報】『Pregnancy and Asthma』American College of Allergy Asthma and Immunology
https://acaai.org/asthma/asthma-101/who-gets-asthma/pregnancy-and-asthma/

アドエアは、COPDにも使用できる薬剤です。COPDの患者さんがアドエアを処方された場合、基本的には1日2回使用し、1回につき1~2度吸入します。

◆「咳がとまらない・しつこい痰・息切れは、COPDの危険信号」>>

5.アドエアの薬価

アドエアの薬価は、以下となります。

・アドエア100ディスカス28吸入用  3039.6円
・アドエア100ディスカス60吸入用 6348.7円

・アドエア125エアゾール120吸入用 7832.9円
・アドエア250エアゾール120吸入用 8864.2円

・アドエア250ディスカス28吸入用 3497.6円
・アドエア250ディスカス60吸入用 7301.5円

・アドエア50エアゾール120吸入用 6706.7円

・アドエア500ディスカス28吸入用 3912.8円
・アドエア500ディスカス60吸入用 8274.0円

アドエアの代わりとなるジェネリック医薬品や市販薬はありません。

6.おわりに

アドエアと同じように、吸入ステロイド薬とβ2刺激薬を配合した治療薬には、以下のようなものがあります。

・レルベア
・フルティフォーム
・シムビコート
・アテキュラ

◆喘息・COPD治療薬「レルベア」の特徴と効果、副作用>>
◆喘息・COPD治療薬「シムビコート」の特徴と効果、副作用
◆喘息・COPD治療薬「フルティフォーム」の特徴と効果、副作用
◆喘息・COPD治療薬「アテキュラ」の特徴と効果、副作用

アドエアを使い続けても症状がよくならない時は、まずは正しく吸入できているかどうかを確認し、それでも効果を感じられないときは、ほかの薬が使えるかどうか医師に相談してみましょう。

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