いびきの治し方は?原因を知って対処しよう!

いびきは、疲れがたまっているときやお酒を飲んだ日などに、一時的に起こることがあります。
しかし、毎日のようにいびきをかいている場合や、いびきが大きい場合は、睡眠時無呼吸症候群をはじめとした病気が隠れている可能性があります。
放置すると睡眠の質が低下するだけでなく、高血圧や心血管疾患などのリスクにつながることもあるため注意が必要です。
この記事では、いびきの主な原因や自分でできる対策、病院で受けられる治療についてわかりやすく解説します。
1. まず試したいいびきの治し方
いびきを改善するためには、原因に合わせた対策を行うことが大切です。
まずは、次のような方法を試してみましょう。
<横向きで寝る>
仰向けで寝ると舌が喉の奥に落ち込みやすくなります。横向きで寝ることで気道が確保され、いびきが軽くなることがあります。
<適正体重を目指す>
肥満は、いびきの代表的な原因の一つです。食事や運動を見直し、減量することで改善が期待できます。
◆「いびきの原因は肥満?改善法と危険なサインを知っておこう」>>
<寝酒を控える>
アルコールは喉の筋肉を緩めるため、就寝前の飲酒はいびきを悪化させる原因になります。できるだけ寝る4時間前までに飲み終えるようにしましょう。
<禁煙する>
喫煙による気道の炎症やむくみは、いびきを引き起こしやすくします。禁煙は、いびきだけでなく呼吸器の健康にも役立ちます。
<鼻づまりを改善する>
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻が詰まっている場合は、治療によっていびきが改善することがあります。
2. いびきの主な原因
いびきは、空気の通り道である気道が狭くなると起こりやすくなります。
気道が狭くなる原因は一つではなく、生活習慣や体型、病気、加齢などさまざまです。まずは、自分に当てはまる原因がないか確認してみましょう。
2-1. 肥満
肥満は、いびきの代表的な原因の一つです。
体重が増えると、首や舌の周囲にも脂肪がつきます。すると気道が狭くなり、睡眠中に空気が通りにくくなるため、いびきをかきやすくなります。
特に首回りに脂肪がついている人は、睡眠中に気道が塞がれやすく、睡眠時無呼吸症候群を発症するリスクも高くなります。
肥満が原因だと考えられる場合は、適正体重を目指して減量することで、いびきが改善することがあります。
【参考情報】『身長から、自分の適正体重を知る』日本医師会
https://www.med.or.jp/forest/health/eat/11.html
2-2. 疲労やストレス
疲労がたまっていたり、強いストレスを感じていたりすると、睡眠中に全身の筋肉が普段よりも緩みやすくなります。
すると、舌がのどの奥へ落ち込み、気道が狭くなって、いびきが出ることがあります。
疲れがたまった日だけいびきをかく場合は、一時的なものであることも少なくありません。十分な睡眠や休養を取ることで改善することがあります。
2-3. 飲酒
アルコールには筋肉を緩める作用があります。
そのため、寝る前にお酒を飲むと、のどの周囲の筋肉が普段以上に緩んで気道が狭くなるため、いびきをかきやすくなります。
また、アルコールは睡眠の質を低下させることも知られており、寝酒の習慣がある人は、いびきだけでなく睡眠そのものにも悪影響を及ぼす可能性があります。
【参考情報】『Alcohol and Sleep-Related Problems』National Library of Medicine
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6801009/
2-4. 喫煙
喫煙も、いびきの原因の一つです。
たばこの煙に含まれる有害物質は、気道に慢性的な炎症を起こし、のどや鼻の粘膜を腫れさせます。その結果、気道が狭くなり、いびきが出やすくなります。
禁煙によって炎症が改善すると、いびきが軽減することもあります。
2-5. 睡眠薬
睡眠薬の中には、筋肉を緩める作用(筋弛緩作用)を持つものがあります。
このような薬を服用すると、のどの周囲の筋肉が緩み、舌が気道に落ち込みやすくなるため、いびきが悪化することがあります。
ただし、自己判断で睡眠薬を中止すると、不眠が悪化したり離脱症状が現れたりすることがあります。いびきが気になる場合は、処方した医師に相談し、薬の変更が可能か確認しましょう。
2-6. 鼻づまり
鼻づまりがあると鼻で十分に呼吸できず、口呼吸になりやすくなります。
口呼吸になると気道が狭くなりやすく、いびきの原因になります。
鼻づまりを起こす代表的な病気には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、鼻中隔弯曲症、鼻ポリープ(鼻茸)などがあります。
【参考情報】『アレルギー性鼻炎』日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会
https://www.jibika.or.jp/modules/disease/index.php?content_id=21#arerugi
これらの病気を治療することで、いびきが改善することもあります。
2-7. 加齢
年齢を重ねると、全身の筋力と同じように、のどの周囲の筋肉も少しずつ衰えていきます。
その結果、睡眠中に気道が狭くなりやすくなり、いびきをかく人が増えてきます。
これは男女ともにみられる変化であり、加齢そのものを止めることはできません。そのため、体重管理や生活習慣の改善など、ほかの原因をできるだけ取り除くことが大切です。
2-8. 女性ホルモンの減少
女性ホルモンの一種であるプロゲステロン(黄体ホルモン)には、呼吸を促したり、上気道を開いた状態に保つ筋肉の働きを助けたりする作用があると考えられています。
そのため、閉経後に女性ホルモンが減少すると、気道が狭くなりやすくなり、いびきや睡眠時無呼吸症候群が増えることが知られています。
【参考情報】『女性の睡眠とホルモン』渋井佳代|バイオメカニズム学会誌 Vol29 No.4
https://www.jstage.jst.go.jp/article/sobim/29/4/29_4_205/_pdf
2-9. 顔の骨格
もともと顎が小さい人や下顎が後退している人、歯並びや噛み合わせの影響で気道が狭くなりやすい人は、やせ型であってもいびきをかくことがあります。
このような骨格が原因の場合、生活習慣を改善しても十分な効果が得られないことがあり、医療機関での検査や治療が必要になるケースもあります。
3. 自分でできるいびき対策
いびきは、原因によっては生活習慣や睡眠環境を見直すことで改善が期待できます。
3-1. 生活習慣を見直す
いびきの改善には、まず生活習慣を見直すことが大切です。
肥満がある場合は、適正体重を目指して減量することで、首や舌の周囲の脂肪が減り、気道が広がりやすくなります。
また、寝る前の飲酒はのどの筋肉を緩めていびきを悪化させるため、寝酒は避け、飲酒する場合も就寝の4時間前までに飲み終えるようにしましょう。
喫煙している人は、禁煙することで気道の炎症やむくみが改善し、いびきが軽減することがあります。
3-2. 寝る姿勢を変える
仰向けで寝ると、重力によって舌がのどの奥へ落ち込み、気道が狭くなりやすくなります。
そのため、横向きで寝ることで気道が確保され、いびきが軽くなることがあります。横向きの姿勢を保ちにくい人は、抱き枕を使うと寝返りをサポートできるためおすすめです。
3-3. 鼻づまりを改善する
鼻づまりがあると鼻呼吸がしにくくなり、口呼吸によっていびきが悪化しやすくなります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などがある場合は、適切な治療を受けることが大切です。
また、寝室が乾燥していると鼻の粘膜が刺激されて鼻づまりが悪化することがあります。加湿器などを利用し、室内の湿度を40〜60%程度に保つよう心がけましょう。
3-4. 口や舌の筋肉を鍛える
口や舌の筋肉が衰えると、睡眠中に舌がのどの奥へ落ち込みやすくなります。
そのため、舌を前後左右に動かす運動や、口輪筋を鍛えるトレーニングを続けることで、いびきが改善する場合があります。
3-5. 市販のグッズを使用する
市販のいびき対策グッズとしては、唇を閉じて鼻呼吸を促すマウステープや、顎を支えて口が開きにくくするあごサポーターなどがあります。
口呼吸が原因の人では役立つことがありますが、鼻づまりがある人がマウステープを使用すると、十分に呼吸できなくなるおそれがあります。
アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などで鼻が詰まっている場合は使用を避けましょう。
3-6. 枕を見直す
枕が高すぎたり低すぎたりすると、首の自然なカーブが保ちにくくなり、気道の通りに影響することがあります。
寝たときに首や背骨が自然な姿勢になる高さの枕を選ぶと、いびきが軽減する場合があります。
【参考情報】『Ergonomic Consideration in Pillow Height Determinants and Evaluation』National Library of Medicine
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34683013/
4. いびきは病気のせい?睡眠時無呼吸症候群とは
生活習慣を見直してもいびきが改善しない場合や、大きないびきが毎日のように続く場合は、睡眠時無呼吸症候群が原因となっている可能性があります。
4-1. 睡眠時無呼吸症候群とは
睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている間に気道が繰り返し狭くなったり塞がれたりして、呼吸が止まる、または浅くなる病気です。
気道が狭くなると空気が通りにくくなるため、大きないびきをかきます。そして、気道が完全に塞がれると呼吸が止まり、その後「ガッ」と息を吸って再び呼吸が始まるという状態を何度も繰り返します。
この状態が続くと、睡眠中に何度も目が覚める「中途覚醒」が起こり、本人は眠っているつもりでも深い睡眠が十分に取れません。また、睡眠中に低酸素状態を繰り返すため、心臓や血管に大きな負担がかかります。
その結果、高血圧や心筋梗塞、脳卒中、不整脈などの心血管疾患のリスクが高まることが知られています。
4-2. 睡眠時無呼吸症候群を疑うサイン
次のような症状がある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
・毎日のように大きないびきをかいている
・一晩中いびきが続いている
・「寝ている間に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがある
・日中に強い眠気があり、仕事や運転中に眠くなる
・朝起きたときに頭痛がする
・十分寝ても疲れが取れず、熟睡した感じがしない
これらの症状に当てはまる場合は、自己判断で様子を見るのではなく、睡眠時無呼吸症候群の検査が受けられる医療機関を受診しましょう。
早期に診断・治療を受けることで、睡眠の質の改善だけでなく、将来的な合併症の予防にもつながります。
◆「呼吸器内科で睡眠時無呼吸症候群の検査と治療ができます」>>
5. 病院でできる治療
いびきが生活習慣の改善だけでは治らない場合や、睡眠時無呼吸症候群などの病気が原因と診断された場合は、原因に応じた治療が行われます。
5-1. CPAP
CPAP(シーパップ)は、睡眠中に鼻へ装着したマスクから空気を送り込み、気道が塞がれないように保つことで、いびきや無呼吸を改善します。
CPAPを適切に使用すると、睡眠の質が改善し、日中の眠気や倦怠感の軽減が期待できます。
また、睡眠中の低酸素状態が改善されることで、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの心血管疾患のリスクを低下させることもわかっています。
5-2. マウスピース
軽症の睡眠時無呼吸症候群や、骨格が原因のいびきでは、マウスピース(口腔内装置)が選択されることがあります。
就寝時に装着することで下あごを少し前方へ固定し、気道を広げて、いびきや無呼吸を起こりにくくします。
口腔内装置は歯科で作製するオーダーメイドの装置であり、市販のマウスピースとは異なります。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、まず検査を受け、医師と相談したうえで適応を判断します。
5-3. 原因となる病気の治療
いびきの原因が睡眠時無呼吸症候群だけとは限りません。鼻やのどの病気によって気道が狭くなっている場合は、その病気を治療することで、いびきが改善することがあります。
例えば、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎では薬物療法が行われ、鼻中隔弯曲症や扁桃肥大などでは、症状によっては手術が検討されることもあります。
6.おわりに
原因に合わせた対策を行えば、自力でいびきを軽減できる可能性はあるので、いろいろ試してみるのは構いません。
しかし、対策を講じても、毎日のようにいびきが続いているなら、睡眠時無呼吸症候群の疑いやほかの病気が潜んでいる可能性があるので、検査のできる病院を受診しましょう。













