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睡眠時無呼吸症候群と運転業務の関係性

医学博士 三島 渉(横浜弘明寺呼吸器内科・内科クリニック理事長)
最終更新日 2022年03月15日

睡眠時無呼吸症候群を治療せずに放っておくと、昼間に強烈な眠気に襲われる危険性があります。
強烈な眠気とは、重要な会議中や大切な試験、車の運転中でも意思に反して眠り込んでしまう症状です。
そのため、トラックドライバーやタクシードライバーなどの運転業務に関わる方は特に注意が必要です。

1.睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは、睡眠中に気道が狭まり、無呼吸になってしまう睡眠障害です。
睡眠中に無呼吸になると体内の酸素が低下し、睡眠が浅くなり呼吸が再開します。
睡眠が浅くなることで、日中の強い眠気や疲れ、頭痛など様々な症状につながります。

日中に突然強い眠気に襲われることが特徴のひとつで、睡眠時無呼吸症候群を放置している方の居眠り運転による交通事故は、健康な人の7倍高いという報告もあります。

◆「睡眠時無呼吸症候群の症状・検査・治療の基本情報」>>

◆「睡眠時無呼吸症候群の危険度チェック」>>

2.睡眠時無呼吸症候群が大きな注目を浴びた事件

2003年に起きたJR新幹線の事故により、睡眠時無呼吸症候群が大きな注目を浴びました。
運転士が居眠りをしてしまい、新幹線が最高時速約270㎞で約8分間走行し、自動列車制御装置により緊急停止したというものです。

運転士はその後の検査で、睡眠時無呼吸症候群と診断されました。
幸いこの事故でけが人はいませんでしたが、大事故を引き起こしかねない危険な状況であったことは言うまでもありません。

この事故をきっかけに、睡眠時無呼吸症候群対策の取り組みを強化する会社が増えましが、その後も、交通事故はたびたび起きています。

2012年には関越自動車道で高速ツアーバスが防音壁に衝突し、乗客45人が死傷しました。
睡眠時無呼吸症候群を治療しないで放置してしまうと、多くの人を巻き込んだ危険な事故を引き起こすことにつながります。

【参考資料】『図解 睡眠時無呼吸症候群を治す!最新治療と正しい知識』白濱龍太郎 日東書院
https://tg-net.co.jp/tatsumi_book/8439/

3.睡眠時無呼吸症候群の検査を受けましょう

睡眠時無呼吸症候群を放置すると、個人の健康が損なわれるだけではなく、運転業務に関わる方は特に、他人の命を危険にさらしてしまうことにつながります。

トラックやタクシーのドライバーなど、運転業務に関わる方は、会社で「SAS検診」が義務づけられている場合があります。

自分が睡眠時無呼吸症候群だという自覚症状がない場合もあるので、運転業務に関わる方は定期的に検査を受けることが大切です。

◆「睡眠時無呼吸症候群の検査について」>>

4.睡眠時無呼吸症候群の治療

睡眠時無呼吸症候群は、適切な治療を受ければ、交通事故の危険性は健康な人と変わらなくなりますので、もしも診断を受けた場合は、きちんと治療を続けることが大切です。

代表的な治療法には、CPAPやASVという装置を使って寝ている時の呼吸をサポートするたり、マウスピースを歯に装着して就寝中にアゴが下がるのを防ぐ方法があります。

◆「睡眠時無呼吸症候群の治療で使う「CPAP」とは?」>>

◆「睡眠時無呼吸症候群の治療に使う「ASV」とは?」>>

◆「睡眠時無呼吸症候群の治療に使う「マウスピース」とは?」

◆「睡眠時無呼吸症候群治療のゴールと治療法」>>

5.おわりに

運転業務に関わる方は、睡眠時無呼吸症候群を放置すると大きな事故を引き起こしてしまうことにつながります。
定期的に検査を受け、診断された場合はしっかり治療を続けることが大切です。
検査を希望する場合は、呼吸器内科を受診しましょう。

◆「当院の睡眠時無呼吸症候群治療について」>>

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