いびきは病気のサイン?心配ないものと治療が必要なものの違いとは
「毎晩のようにいびきをかく」「いびきがうるさいと指摘されている」という人は、何らかの病気が原因で、いびきが出ている可能性があります。
この記事では、心配のないいびきと、治療が必要ないびきの違いを解説します。
1.いびきをかく原因と対処法
いびきは、空気の通り道である気道が、何らかの原因で狭くなった時に出ます。狭くなった気道を空気が通過するときに、のどや鼻が振動することによって音が発生するのです。
睡眠中は、のど周囲の筋肉が緩むため、起きているときよりも気道が狭くなります。さらに下記のような要因が加わると、いびきをかきやすくなったり、いびきがひどくなることがあります。
・疲労やストレス
・風邪
・飲酒
・喫煙
・睡眠薬の服用
・肥満
・副鼻腔炎
・アレルギー性鼻炎
・睡眠時無呼吸症候群
疲労やストレス、風邪によるいびきは一時的なものであり、原因が解消されればいびきも改善するでしょう。
アルコールには筋肉を緩める作用があるため、飲酒後はいびきをかきやすくなります。寝酒を控えたり、飲み過ぎないようにすれば、いびきを軽減できる可能性があります。
◆「睡眠時無呼吸症候群と飲酒の関連とは?症状が悪化する理由と飲酒時の注意点」>>
喫煙習慣がある人は、タバコに含まれる有害物質の影響で気道に慢性的な炎症が起こっているので、いびきをかきやすくなっています。いびきを改善するには、禁煙が有効です。
◆「喫煙者は要注意!タバコで睡眠時無呼吸症候群のリスクが高まる理由」>>
睡眠薬の中には、筋弛緩作用を持つものがあり、服用するといびきが出やすくなります。睡眠薬が必要な方は、筋弛緩作用のない睡眠薬を医師に処方してもらいましょう。
肥満体型の人は、気道にも脂肪がついて狭くなっているので、いびきが出やすくなります。適切な体重に落とせばいびきも改善されますが、減量しないと、睡眠時無呼吸症候群を発症する恐れがあります。
◆「睡眠時無呼吸症候群は遺伝する?なりやすい体型と治療法について解説」>>
副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、睡眠時無呼吸症候群が原因でいびきをかいている場合には、病気そのものを治療する必要があります。
◆「副鼻腔炎の治療で睡眠時無呼吸症候群が改善?2つの病気の関連とは」>>
2.睡眠時無呼吸症候群とはどんな病気か
睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まったり浅くなったりすることを繰り返す病気です。いびきのほか、寝汗、夜間の頻尿、起床時の頭痛、日中の眠気などの症状が現れます。
この病気は、肥満の人、扁桃腺やアデノイドが大きい人、下顎の小さい人に多い傾向があります。
睡眠時無呼吸症候群が進行すると、高血圧や脳卒中、心筋梗塞といった合併症を引き起こす恐れがあります。しかし、早期に適切な治療を受ければ、合併症を予防したり改善することができます。
【参考情報】『Sleep apnea』Mayo Clinic
https://www.mayoclinic.org/diseases-conditions/sleep-apnea/symptoms-causes/syc-20377631
3.睡眠時無呼吸症候群のいびきの特徴
睡眠時無呼吸症候群のいびきには、下記のような特徴があります。自分や家族に当てはまるものがないかチェックしてみましょう。
・毎日のように大きないびきをかいている
・一晩中いびきをかいている
・いびきの音が大きくなったり小さくなったりする
・いびきや呼吸が一瞬止まることがある
・横向きやうつ伏せで寝るといびきが小さくなる
このような特徴に加えて、「夜中に息苦しくて目が覚めてしまう」「日中の眠気が強く、仕事や勉強に集中できない」人も、睡眠時無呼吸症候群の検査ができる病院を受診することをおすすめします。
◆「そのいびき、睡眠時無呼吸症候群のせいかもしれません」>>
【参考情報】「こんないびきは要注意」一般社団法人運輸・交通SAS対策支援センター
https://www.sas-support.or.jp/column/maybe_sas/
4.おわりに
いびきは健康な人でもかくことがありますが、毎晩のように大きないびきをかいているなら、鼻の病気か睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。
鼻の病気であれば、日中も鼻水や鼻づまりなどの症状があるので、思い当たる方は耳鼻咽喉科を受診してください。
鼻の症状がないのに、いびきがひどかったり、夜中に息苦しくて目が覚めることが多い人は、睡眠時無呼吸症候群かもしれません。
そのような方は、呼吸器内科や呼吸器専門医がいる病院を受診して、いびきの原因を調べてみましょう。